薄毛は自力で治せる?6つの改善方法と薬で治る3つのタイプを紹介
「年齢のわりに髪の毛が薄くなっている気がする」
「クリニックに通わずに薄毛を治す方法を知りたい」
このような悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
原因に合わせた対策ができれば、薄毛は自力で改善できる可能性があります。
この記事では、薄毛を自力で治す方法と自力で治せる薄毛がわかるチェックポイントを詳しく解説します。
自力で治すのが難しいと感じた場合の対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
薄毛への対策を行って、髪の毛を気にしない生活を手に入れましょう。
薄毛を自力で治す6つの方法
薄毛の原因によっては自力で治せる可能性があり、原因に合わせた対処法を実践すれば、クリニックに通わずに薄毛を改善できるかもしれません。
薄毛を自力で治す方法を以下に6つ紹介します。
それぞれの原因に合わせて、詳しく解説します。
食生活を整える
薄毛対策では髪の育成に効果的な栄養素を摂取し、薄毛の原因になる栄養素を減らすのが有効です。
積極的に摂りたい栄養素と多く含まれる食品を以下の表にまとめます。
栄養素 | 食品 |
たんぱく質 | 肉、魚、卵、大豆、乳製品 |
イソフラボン | 大豆製品 |
ビタミン類 | バター、卵黄、ほうれん草、レバー、魚介類、きのこ類 |
ミネラル(亜鉛) | レバー、牡蠣、魚介類、煮干し、海藻類 |
シスチン | 卵、肉(レバー)、にんにく、たまねぎ、ブロッコリー、芽キャベツ |
シスチンとは、アミノ酸の一種で髪の毛を構成するケラチンの主要な成分です。髪のしなやかさと柔軟性を向上させる働きがあります。
また、たんぱく質とイソフラボンが摂取できる大豆製品、良質な資質が摂取できるナッツ製品などもおすすめです。
魚介類や海藻類などの食品も亜鉛が多く摂れるので食事に取り入れましょう。
一方で、ラーメンやファーストフード、揚げ物などの高カロリーで高脂質になりやすい食品は注意が必要です。
薄毛対策以外で健康的な食事にもつながるため、まずは食生活からの改善を心がけてみましょう。
詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
禁煙をする
禁煙をすると、頭皮の環境改善ができるため、薄毛を自力で治せる可能性があります。
頭皮環境の改善は以下の4つが影響します。
・血行の改善
・肌の乾燥の改善
・男性ホルモンの増加の抑制
・毛髪の成長に必要な栄養素の増加
喫煙は血管を細くさせ、体のすみずみの細胞への血液や栄養の運搬が困難にします。
そのため頭皮への血流が少なくなり、発毛に関わる細胞の働きが弱くなります。
禁煙は薄毛対策で一定の効果はありますが、時間がかかる可能性も。
効果を早めたい方は、他の対策も同時に行うとよいでしょう。
詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
ストレスを解消する
ストレスは、自律神経が乱れ血管を収縮させるため、頭皮の血行が悪くなるとされています。
血行が悪くなると酸素や栄養も運びにくくなり、発毛に関わる細胞の働きが悪くなるため、薄毛の原因になるのです。
ストレスを溜めず、発散できる方法を見つけましょう。
また、薄毛をストレスに感じてしまうと「薄毛のストレスが原因で、薄毛が進行する可能性がある」という悪循環に入ってしまう恐れがあります。
運動やリラックス法などのストレス解消法を試して、薄毛で悩む時間を減らしてみてください。
良質な睡眠をとる
睡眠時間が短いと成長ホルモンが分泌されず、髪の発育が悪くなる可能性があります。
成長ホルモンは22~24時に多く分泌されるため、早めの睡眠を心がけるとよいでしょう。
眠りが浅いと感じるときは、運動したり、睡眠環境を整えたりするのがおすすめです。
運動をして体力を消耗すれば質の良い睡眠ができるだけでなく、健康維持やストレス解消もできます。
睡眠環境を整える際は、室温や寝具を見直すと睡眠の質が向上できるでしょう。
飲酒は睡眠を浅くし、睡眠の質が低下するため、控えるのをおすすめします。
正しいヘアケアをする
間違ったヘアケアは薄毛を促進させる可能性があります。
頭皮や毛髪に優しいヘアケアを実践しましょう。
正しいヘアケアの例を5つ紹介します。
・頭皮に爪を立てて洗わない
・頭皮に着くまでトリートメントをつけない
・自然乾燥させない
・髪をゴシゴシと拭かない
・ドライヤーを長時間当てない
これらのケアの方法は頭皮や毛髪にダメージを与え、薄毛を促進したり発育を悪くしたりする可能性があります。
心当たりのある方はヘアケア方法を改善させましょう。
紫外線対策をする
薄毛の原因のひとつに、紫外線の影響があります。
紫外線を浴びた頭皮は、新しい毛髪を作る能力が下がるといわれているのです。
また、紫外線を浴びると頭皮が乾燥しやすい状態に。頭皮の乾燥は、フケやかゆみの原因となるため、注意が必要です。
紫外線対策には、日傘や帽子の使用がおすすめです。日傘は女性が使うイメージがありますが、最近では男性も使っています。熱中症対策にもなるため、男女問わず取り入れてみてください。
自力で治すのが難しい3つの薄毛とは
薄毛の中には、自力で治すことが難しいタイプもあります。主なものを下に3つ挙げました。
AGAやFPHLなどの脱毛症は自然完治はないとされ、自力で治せないといわれています。
進行すると、回復が難しいため早めの対策が必要です。
自分の薄毛がAGAやFPHL、円形脱毛症でないか判別したい場合は、専門のクリニックへ相談しましょう。
自力で治すのが難しい薄毛の3種類をそれぞれ詳しく解説します。
男性の薄毛で多いAGA
AGAは男性に発症する薄毛です。
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)は、頭頂部や額の髪に影響を与え、髪の成長を抑えてしまいます。
その結果、薄毛が進行するのです。
男性ホルモンやそれを活性化させる酵素が原因の脱毛のため、これらにアプローチできないと自力での回復は難しいでしょう。
治療は以下の2種類から選択されます。
- ミノキシジルやプロペシア、ザガーロなどの治療薬の内服
- 植毛術
AGAが進行すると髪を作る細胞の寿命が短くなり、髪が再生しにくくなります。しかし、早めに治療を始めれば、AGAの進行を抑えることができます。
女性の薄毛で多いFPHL
FPHLは女性のAGAとも呼ばれる脱毛症です。
FPHLを発症する女性は、男性ホルモン(アンドロゲン)に対して反応しやすい体質のため、脱毛が起こるとされています。
男性と異なり、M字型や頭頂部の脱毛よりも、頭部全体に脱毛が生じ、額は広く頭頂部が狭いクリスマスツリー状になることが多いです。
この他にも、ホルモンバランスや遺伝、ストレスなどの原因が絡み合って発症する場合が多いため、根本的な原因が解明されていない部分もあります。
治療法は、以下の2つから選択されます。
- ミノキシジルやスピロノラクトン、パントガールなどの治療薬を使用する
- 植毛術を受ける
症状が悪化する前に治療を始めると費用を抑えられるでしょう。
詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
明確な原因が解明されていない円形脱毛症
円形脱毛症は明確な原因が解明されていない脱毛症です。
その名の通り、円形もしくは楕円形に脱毛症状が起こります。
治療法は以下の3つから選択されます。
・ステロイド局所注射:免疫を抑えるステロイドを特定の場所に注射
・局所免疫療法:わざとかぶれを起こして、免疫の変化で発毛を促す
・ステロイド外用療法:免疫を抑えるステロイドを直接皮膚に塗る
免疫系の状態を自力で操作するのは難しいため、専門のクリニックで薬剤治療を行うのが良いでしょう。
薄毛を自力で治せるかわかる3つのチェックポイント
AGAやFPHLではなく、自力で治せる薄毛かわかるチェックポイントを以下に3つ紹介します。
さらに詳しく知りたい方は、クリニックでの診察もおすすめです。
薄毛を自力で治せるかわかる3つのチェックポイントを詳しく解説します。
親族に薄毛の人がいない
自力で治すのが難しい薄毛の中でAGA、FPHLは遺伝に関係する薄毛です。
父や祖父などが薄毛であれば、薄毛になる可能性が高くなります。
親族に薄毛の人が少なければ、自力で治せる薄毛の可能性が高くなるでしょう。とくにX染色体の遺伝子に影響されるため、母方の家系に薄毛の方が多いとリスクは高いです。
また、遺伝子検査を受ければより正確にAGAやFPHLを発症しやすい遺伝子を持っているかわかります。クリニックやネットの検査薬で遺伝子検査はできるため、興味がある方は受けてみてください。
詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてくださいね。
髪が短く細くなっていない
AGAやFPHLは、ヘアサイクル(髪が成長して抜け、また生えてくる周期)に影響を与える薄毛の一種です。
これらのタイプの薄毛では、髪が十分に成長する前に抜けてしまい、その結果抜けた髪が細くなることがよくあります。
日常的に髪をチェックし、現在生えている髪や抜けた髪が短くなったり細くなったりしていないか確認しましょう。
また、薄くなっている部分の髪と、健康な部分の髪を比べるのもおすすめです。
もし薄い部分の髪が健康な部分の髪とあまり違いがなければ、自力での改善の可能性が高まるでしょう。
AGA特有の薄毛の形ではない
AGAやFPHLには特徴的な脱毛の形があります。
AGA:M字型や頭頂部の薄毛
FPHL:頭頂部からクリスマスツリー状の薄毛
ただし、FPHLは頭部全体に薄毛が進行する場合もあるため注意が必要です。
AGAやFPHLに典型的な薄毛の形に気付いたときは、クリニックに相談しましょう。
詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
自力で治すのが難しいと感じたら相談しよう
薄毛治療は始めるのが早いほど治療効果を実感できるでしょう。
そのため、自力で治すのが難しいと感じたら早めに薄毛専門のクリニックや皮膚科に相談するのをおすすめします。
治療開始が遅れて進行すると、薄毛の改善までに時間がかかることがあるからです。
その際、クリニック選びにも注意が必要です。
薄毛治療は、健康保険が適応できないため全額自己負担。
クリニックが効果を誇張したり、不当な費用を請求したりするケースも報告されており、消費者庁も注意喚起を呼びかけています。
信頼できる専門のクリニックや医師に相談しましょう。
薄毛を自力で治すときの注意点
薄毛を自力で治すときには注意する点もあります。
誤った情報を得て行動をすると薄毛が悪化したり、時間を無駄にしたりする可能性があるからです。
薄毛を自力で治すときの注意点を以下に3つ紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
薬の個人輸入はしない
薬の個人輸入は以下の3つの理由でおすすめできません。
・品質の保証がない
・用法用量の正解がわからない
・副作用や健康被害のリスクがある
薄毛を自力で治したいけれど治療薬を試してみたいとき、海外の治療薬を個人輸入する方法を取る人もいるかもしれません。
薬を個人輸入して使用するのは、費用を抑えられる可能性がありますが、安全面で危険が伴います。
薬の個人輸入はせず、クリニックで処方された薬を服用してください。適切な種類と量、使い方を守って安全に効果を得られるようにしましょう。
薬の個人輸入の危険性について詳しく知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
自力で治す期間を決める
薄毛を自力で治すと決めた際は、期間を決めましょう。
期間を決めれば、クリニックや皮膚科に相談するきっかけになるからです。
また、AGAやFPHLなどの進行が早い薄毛は早めに対処した方が効果は出やすくなります。
ヘアサイクルという髪の毛の寿命が残っているうちに治療しましょう。
口コミや体験談は精査する
自力で薄毛を改善する情報はインターネットや本で見つけられますが、正しい情報かどうかを見極める必要があります。
間違った情報に頼ると、効果が出ないどころか、薄毛が悪化することも。
信頼できる情報を選ぶには、たとえばクリニックのコラムが論文や政府の資料を参考にしているかを確認するとよいでしょう。
薄毛を治す際は、正しい情報を自分で判断することが大切です。
薄毛の治療は早めのスタートがおすすめ
AGAやFPHLは早めに治療を始めると効果的です。
髪が生え変わる回数が尽きるとそこから発毛できなくなるため、薄毛が気になったらすぐに対策を始めましょう。
とくに若い方は、費用の不安や恥ずかしさからクリニックへ通うのは勇気が入りますよね。
しかし、クリニックへ通えば自分の薄毛の原因がわかったり、効果的な治療を受けられたりします。
治療を早い段階で始められないと、治療の効果を実感できないこともあります。
薄毛を改善させるために、クリニックへ通って自分に合った治療法を選択しましょう。
早めのスタートでより高い効果が期待できるでしょう。
まとめ
薄毛が気になり始めたとき、まずはなんとか自力で治せないかなと思いますよね。
食生活や嗜好品、ストレスへの対処などで改善できる薄毛もあるため、原因に合わせた対処をしてみてください。
一方で、AGAやFPHLなど自力での改善が難しい薄毛もあります。
これらの薄毛は進行性で早めの治療が効果的です。
自分の薄毛がどのような種類かを見極めるのが難しい際は、クリニックや皮膚科に相談してください。
参考文献
・たばことストレス | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
・脱毛症 Q11 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
・AGA_GL2017.pdf (dermatol.or.jp)