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コラム

自毛植毛の基礎知識

自毛植毛でくせ毛になるのはなぜ?知っておきたい6つの対策とは

自毛植毛でくせ毛になるのはなぜ?知っておきたい6つの対策とは

自毛植毛は抜け毛の対策として、よく使われている方法です。ただ、植毛した毛が縮んだり、くせ毛になったりするリスクもあります。

くせ毛になる原因は解明されていませんが、毛根のダメージキューティクルの変形など、様々な理由が考えられます。

くせ毛の対策を知らないと、想像と違った変なヘアスタイルになってしまうこともあるでしょう。

この記事では、植毛でくせ毛になる理由と対策について解説します。

この記事で分かること

・植毛でくせ毛になる原因
・くせ毛が改善する期間
・植毛でくせ毛になる確率
・植毛後のくせ毛の対策

植毛後でもくせ毛が目立たずに、自信をもって生活できる手助けになれば幸いです。

植毛でくせ毛になる7つの理由

植毛でくせ毛になる7つの理由

植毛によってくせ毛となる原因は、明らかになっていません。ただ、以下のような理由が考えられています。

・髪の毛が元々くせ毛である
・毛根がダメージを受けている
・キューティクルが変形する
・医師の技術が不足している
・頭皮に栄養が届かない
・髪以外の体毛を移植する
・術後のケアが不足している

それぞれ解説していきます。

髪の毛が元々くせ毛である

元々くせ毛の人が自毛植毛をすると、植毛後にもくせ毛や縮れた毛が生えてきます。

自毛植毛では「ドナー・ドミナント」という毛の法則を活用しています。ドナー・ドミナントとは「植毛後の部位から生えてくる毛は、元の毛の性質を引き継ぐ」という原理です。

後頭部で真っすぐに生えていた毛は、M字ハゲの部分に植毛しても真っすぐに生えてきます。

対して、くせ毛の性質をもつ毛を採取すると、植毛後にもくせ毛となってしまうのです。

毛根がダメージを受けている

採取した毛根や毛包が損傷しているときは、くせ毛となる可能性があります。

なぜなら髪がダメージを負っていると、正しく成長できないためです。細く弱い毛だと重力に負けてへたれてしまい、くせ毛となってしまうのです。

「採取した髪にダメージを与えなければいいのでは?」と考える方もいるでしょう。ただ、まったくダメージを与えずに採取するのは難しいとされています。

刈り取りやパンチの採取では、少なからずダメージを負ってしまうことを理解しておきましょう。

キューティクルが変形する

キューティクルの形もくせ毛に影響を与える原因の一つです。

海外の論文では「植毛後に生じたくせ毛のキューティクルは厚さと形が不規則であり、縮れていない毛は形と層が均一であった」と報告されています。[1]

キューティクルは水分やタンパク質を保持し、髪の滑らかさを維持する役割があります。[2]

植毛によってキューティクルが変形すると、以前とは違った髪の性質となり、くせ毛となってしまうのです。

医師の技術が不足している

植毛する医師によっては、手術の出来栄えに多少の差が生じることもあります。くせ毛を防ぐためには、以下のようなポイントが重要です。

グラフトを採取するとき毛根や毛包を傷つけない
グラフトを植えるとき・深く植えこみすぎない
・植え込みの角度をつけすぎない

植毛時には自然な髪の毛に見せるために角度を付けて植えこみます。ただ、角度をつけすぎると髪の毛が曲がってしまい、くせ毛や巻き毛となる可能性があります。

素人には医師の技術力を確認するのは難しいです。ただ、HPに症例写真が乗っていたり、YouTubeなどで解説したりしていると参考になるでしょう。

頭皮に栄養が届かない

髪の毛の成長には、頭皮への栄養が欠かせません。

植毛後には「傷跡による血の汚れ」「かさぶたによる詰まり」などが発生しやすいです。また傷を治すために栄養が使われてしまい、髪の成長に必要な栄養が不足してしまいます。

栄養が不足すると髪が太く成長しないため、ちょっとした刺激でくせ毛となりやすいです。

頭皮に栄養を与えるためにも、手術後の食事管理や頭皮のケアなども意識してみましょう。

髪以外の体毛を移植する

胸毛やすね毛など髪以外の体毛を植毛すると、髪が曲がりやすい傾向にあります。

日本では、ほとんどのクリニックで自分の髪の毛をグラフトとして使っていますが、海外では他の部位の体毛を使うこともあるそうです。

体毛と髪の毛では、生えてくるサイクルが異なります。[3]

・髪の毛:3~4年
・腋毛:5~7ヵ月
・すね毛:7~9ヵ月

部位によりますが髪以外の体毛は細くて弱い性質をもっているため、くせ毛を防ぐための毛としては適しません。

カウンセリングで髪の毛以外を植毛すると言われた場合には、毛が変形するリスクがあることを認識しておきましょう。

術後のケアが不足している

植毛手術に成功しても、その後のケアに失敗するとくせ毛になるかもしれません。

手術後の頭皮は、傷を治そうと頑張っています。また植毛した毛は早く定着してほしいですよね。

この期間に強い刺激を与えてしまうと、傷の治りが遅くなったり、くせ毛になったりする可能性があります。

植毛後のケアには「タオルで擦らない」といったいくつかのポイントがあります。カウンセリングや手術後に確認しておくことで、くせ毛の予防に役立つでしょう。

植毛後のくせ毛が改善するまでの期間

植毛後にくせ毛になってから、本来の毛に戻るまでの期間は髪の毛のサイクル1回分と考えられています。一般に髪の毛の毛周期は2年〜6年程度とされています。[4]

くせ毛が改善する流れ

1.植毛する
2.なにかしらの原因でくせ毛となる
3.成長期→退行期→休止期を過ぎる
4.植毛したくせ毛が抜けていく
5.毛根から真っすぐの毛が生えてくる

人によっては、1回のサイクルではくせ毛が改善しないこともあります。治るまである程度の期間がかかることは理解しておきましょう。

植毛後にくせ毛になる確率

くせ毛になる確率は正確には分かっていません

ただ、腫れや痛みなどと同じように、植毛の副作用としてくせ毛になる可能性はあります。

当院の手術後でもくせ毛が出現してしまうケースや、他院の手術後にくせ毛になってしまい、当院に相談にいらっしゃる方もいます。

アルモ形成クリニックでは、くせ毛になった際のアフターフォローについても対応しております。仕上がりが気になる方はぜひ一度ご相談くださいね。

植毛後にくせ毛になったときの6つの対処法

植毛後にくせ毛になったときの6つの対処法

くせ毛になってしまったときには、いくつかの対処法があります。

・ヘアサイクルが過ぎるを待つ
・頭皮や毛根をしっかり手入れをする
・髪全体をくせ毛にする(植毛部分以外にパーマかける)
・スタイリング剤を活用する
・くせ毛が気になる箇所を抜いてもらう
・再び植毛手術をする(くせ毛になるリスクもあり)

それぞれ見ていきましょう。

ヘアサイクルが過ぎるのを待つ

くせ毛は一生続くのではなく、植毛によって一時的になっている状態です。根本的な解決には、いろいろ解決法を試すよりも期間をあけてみましょう。

ヘアサイクルの期間(2〜6年)が経過すれば、自然と落ち着いてくることが多いです。

「くせ毛が気になって今すぐ治したい」という場合には、他の方法を試してみるのも良いでしょう。

基本的には、植毛した毛のヘアサイクルが過ぎるのを待ってみてください。

頭皮や毛根をしっかり手入れをする

植毛後には頭皮や毛根のケアを意識してみましょう。ダメージを受けているとくせ毛や縮れ毛になりやすいです。

アルモ形成クリニックでは、頭皮ケアのルールとして以下の内容をお伝えしています
・術後翌日からシャンプー可能
・術後1週間は頭皮を擦るのはNG

他にも手術後には、以下のような手入れを実施してみてください。
・シャンプーは弱めの水圧で使う
・洗う時は爪を立てずに指の腹でおこなう

他にも、くせ毛に特化したシャンプーを使うのも一つの手です。まとまりがよくなることで、くせ毛が目立ちにくくなるでしょう。

髪全体をくせ毛にする(植毛部分以外にパーマかける)

くせ毛を目立たなくする方法として、髪全体をくせ毛にするのもよいでしょう。

一部が縮れ毛や巻き毛だと目立ってしまいますが、全体にくせがあると周囲から気づかれにくいです。

くせ毛にする手軽な方法は、パーマをかけることです。植毛した部位はダメージを受けているため、それ以外の箇所にパーマをかけてみてください。

パーマでくせ毛を隠している間に、ヘアサイクルが進行すれば「いつの間にか目立たなくなっている」状態を目指せるでしょう。

スタイリング剤を活用する

ヘアセットするときはノーセットではなく、スタイリング剤をうまく活用しましょう。ノーセットでは髪のそのままの状態なので、くせ毛や直毛が目立ちやすいです。

ジェルやワックスで髪の毛をセットすれば「パーマをかけたような雰囲気」や「ツヤのあるビシッと決まった雰囲気」に近づけられます。

あえてくせ毛のようなスタイルにもできるため、出かけるときはスタイリング剤を使ってみてください。

くせ毛が気になる箇所を抜いてもらう

クリニックによっては、どうしても気になる箇所を医療処置で抜いてもらえるかもしれません。

くせ毛が気になるからといって自分で抜くのは、傷をつける可能性もあるため避けましょう。

クリニックでは「パンチで1本ずつ抜くFUE法」や「レーザー照射」といった方法を実施しています。ただ、くせ毛の処理を受け付けていないクリニックもあるため、しっかりと問い合わせて確認してみてください。

再び植毛手術をする(くせ毛になるリスクあり)

くせ毛を改善するために、植毛手術をした同じ場所へ再び植毛をする方法もあります。

ただ、再手術でも同様にくせ毛となるリスクもあるため、できるなら他の方法で対応するようにしましょう。

さまざまな方法を試して、それでも再手術をしたいという場合は、クリニックに再び相談する方法も挙げられます。その際は再手術によって再びくせ毛になるリスクを認識したうえで、医師とのカウンセリングに望むようにしてください。

植毛でくせ毛が気になるならクリニックで相談を

この記事では、植毛によるくせ毛について解説しました。

植毛でくせ毛になる原因としては、元々の髪質や毛根のダメージなどが考えられます。

くせ毛になる確率は分かっていませんが、ヘアサイクルが整えば自然と元に戻っていきます。

アルモ形成クリニックでは徹底したカウンセリングとアフターフォローを実施しています。

植毛したいけど、術後に不安があるという方は一度アルモ形成クリニックにご相談くださいね。

参考文献

[1] Sooho Park, Kye Yong Song.Histological Analysis for the Cause of Kinky Hair after Hair Transplantation.Hair Transplant Forum International.January 2022, 32 (1) 8-10.
[2] さいたま市 健康科学研究センター ミクロの世界 髪の毛の観察
[3] 光が皮膚に与える影響 日レ医誌(JJSLSM)第32 巻第4 号(2012)
[4] Patrick M. Zito; Blake S. Raggio.Hair Transplantation.StatPearls Publishing; 2024 Jan.
2024 Feb 12.

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

内田医師のプロフィール画像

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