コラム
自毛植毛で後頭部はスカスカに?髪が生えるまでの経過や対策方法とは
自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部の髪を薄毛が気になる場所へうつす治療法です。
ただ、後頭部の髪を抜いたらスカスカになるのではと心配な方もいるでしょう。
自毛植毛後の後頭部の様子は、施術法によって異なります。違いを知らないと、後頭部の傷痕が目立ってしまい後悔してしまうことも。
この記事では、自毛植毛後の後頭部の様子や髪が生えるまでの経過を紹介します。
この記事を読めば、移植部と後頭部に違和感がない理想の髪型を実現でき、人目を気にせず生活できるようになるでしょう。
自毛植毛後の後頭部の様子【スカスカではない】
自毛植毛では後頭部の毛をドナーとして使いますが、移植後に後頭部がスカスカになる可能性は低いでしょう。
なぜなら、植毛後もヘアサイクルに従って髪が生えてくるからです。
ただ植毛直後は刈り上げの跡が目立ってしまう恐れがあります。
植毛方法によって術後の後頭部の様子は異なります。
それぞれ解説していきます。
FUT法の場合
FUT法は、後頭部の頭皮を帯状にメスで切開し、髪を移植する手術です。[1]
後頭部のドナー部に線上の傷痕が残りますが、多くの株を採取できたり、ドナーの生着率が高かったりというメリットがあります。ドナー部分の刈り上げは不要なので、術後は周囲にバレにくいのが特徴です。
傷口を縫い合わせるため、術後は痛みやつっぱり感が出る場合があります。炎症が落ち着いてくるまでには10〜14日程度かかるでしょう。
後頭部で採取した部分の傷が成熟し、完全に落ち着いてくるのには、さらに3〜6ヶ月程度かかります。
FUE法の場合
FUE法はメスを使わずに、後頭部や側頭部などのドナー部を専用器具であるパンチブレードで1つずつくり抜いて採取します。
採取できるのが1つずつになるためFUT法よりも多くの時間が必要になります。
点状の傷痕が後頭部に残りますが、小さいため短髪でも目立ちにくいです。[1]痛みも感じにくく、1〜2日程度で治まる場合が多いです。
後頭部から均等に毛根を採取するので、広範囲から採取しない限りスカスカになることはありません。ただし、後頭部を刈り上げる必要があるため、自毛植毛したことを隠すためにヘアシートが必要となります。
一般的に採取する株数が600株程度であれば、刈り上げても後頭部は髪型が自然に見えるため、周囲にバレるリスクは減るでしょう。
なお、アルモ形成クリニックの施術もFUE法です。
アルモHi-STANDARD法は、ヘアシートを装着しても違和感がないよう、襟足部分を残して刈り上げます。術後は髪色や癖に合ったヘアシートを装着するため、自毛植毛をしたと周囲に気づかれにくいです。
アルモUn-SHAVEN法は、後頭部の刈り上げをほとんど行いません。独自の計算方法で後頭部の髪をランダムにカットした後、ドナーを採取します。切断する範囲が偏らないように設定しているため、術後にバレるリスクは低いでしょう。
施術で使うブレードは0.85mmの特注品なので、どちらの方法を選んでも、至近距離で見ても分かりにくい傷痕しか残りません。
後頭部の様子から植毛したことをバレたくない方は、ぜひ一度来院してカウンセリングを受けてみてください。
自毛植毛後の後頭部に髪が生えるまでの経過
自毛植毛後の後頭部に髪が生えてくるのは、約3~5ヵ月後です。
人の髪には主に3つのヘアサイクルがあります。[2]
成長期:2~6年
退行期:2~3週間
休止期:2~3ヵ月
髪の毛の9割近くは成長期に該当しますが、成長期のあとに中間期、休止期となります。中間期より細胞の活動が低下し始め、休止期では完全に停止するため髪の毛が抜けていくのです。
その後、すでに形成されていた髪の毛が成長していき、自分の髪として生えていきます。[3]
髪は1ヵ月で約1㎝伸びるため、休止期を終えて生えてきた髪に気づくまでには時間がかかるでしょう。[4]
一度の手術で多くのドナーを採取すると後頭部が薄く見える可能性が高くなります。複数回に分けることで、一度に広範囲を行うときと比べて周囲にバレにくいです。またショックロスとった術後の脱毛を減らすこともできます。
植毛したい部分が多い場合は複数回に分けての施術を検討してみてください。[2]
自毛植毛後の後頭部がスカスカになったときの対処法
自毛植毛する際は医師がドナー数を調整するため、後頭部がスカスカになる可能性は低いです。しかし、術後の傷痕によって後頭部の皮膚構造が変化すると、髪が生えてこない恐れがあります。
スカスカになったときの対処法としては以下の方法が考えられます。
もし植毛後に髪がうすくなってしまった場合は、気づいた段階から手術をしたクリニックに相談してみてください。
術前の状態を考慮したうえで、対策を検討してくれるでしょう。
自毛植毛をくり返し後頭部がスカスカになるのを未然に防ぐ5つのポイント
アルモ形成クリニックの過去100人のデータでは、生着率は95%以上ですが。一般的な自毛植毛の生着率は82.5%と言われており、必ず生着するとは限りません。[5]
生着しなかった場合や仕上がりが不自然だった場合、後頭部の傷あとが残ったり、ドナー部分を失ったりします。植毛後に気づいたら後頭部がスカスカになっている恐れがあります。
一度の施術で満足できる可能性を高めるために、以下の5つのポイントを守りましょう。
・AGAの治療薬を併用する
・信頼できるクリニックを選ぶ
・カウンセリングで医師とよく話し合う
・自毛植毛後のケアについて学んでおく
・自毛植毛についての基礎知識をつけておく
それぞれ解説します。
AGAの治療薬を併用する
自毛植毛後にAGAの治療薬をやめてしまうと、移植部以外の髪がAGAの影響によって抜けてしまい、全体のバランスが悪くなってしまいます。
バランスを整えるために、ふたたび植毛が必要となるケースもあります。
AGAガイドラインで推奨されている治療薬は、以下の通りです。[5]
治療薬 | 推奨度 | 効果 |
フィナステリド | A | 5αリダクターゼの働きを抑制 →AGAの進行を遅らせる |
デュタステリド | A | 5αリダクターゼの働きを抑制 →AGAの進行を遅らせる |
ミノキシジル外用薬 | A | 血管を拡げる作用 →髪の毛の成長に役立つ |
ミノキシジル内服 | D | 血管を拡げる作用 →髪の毛の成長に役立つ (効果は認可されていない) |
A:行うよう強く勧める
B:行うよう勧める
D:行うべきではない
自毛植毛後も理想の髪型でいられるよう、医師と相談しながらAGAの治療薬を続けましょう。
信頼できるクリニックを選ぶ
自毛植毛の失敗を避けるためには、クリニック選びが重要です。
クリニックを選ぶ際は、以下のポイントを確認しましょう。
自毛植毛は担当医の知識量や技量によって結果が異なるため、費用だけでクリニックを決めるのは危険です。施術内容や今までの実績などもチェックしてみてください。
カウンセリングで医師とよく話し合う
自毛植毛する前にカウンセリングで医師とよく話し合い、些細な疑問も解消しておきましょう。
とくに、カウンセリングを通して医師と完成形を共有しておくのは大切です。
医師と完成形のイメージが異なっていると想像と違う結果となり、ふたたび植毛が必要となる恐れがあります。
なかには、簡単なヒアリング程度で済ませてしまうクリニックもあります。事前に必ず相談して信頼できる医師かどうか確認するようにしましょう。
自毛植毛後のケアについて学んでおく
生着率を高めるためには、自毛植毛後に生活面で注意することを知っておく必要があります。
自毛植毛後に必要なケアは以下の通りです。
施術当日は頭皮へ刺激を与えてはいけないので、シャンプーはできません。施術の翌日からシャンプーは可能ですが、擦らずに優しく洗うようにしましょう。
タバコには傷の治りが遅くなる作用があるため、控えた方が頭皮の回復を早められます。[6]
運動をすると傷が開く恐れがあるので、頭皮の様子を見てから再開するようにしましょう。
なお、移植部にできたかさぶたは、自然に剥がれ落ちるまで待ちましょう。無理に剥がしてしまうと、傷の治りが遅くなる可能性があります。
自毛植毛についての基礎知識をつけておく
自毛植毛についての基礎知識をつけておくと、術後に失敗したと勘違いするのを防げます。
例えば、移植毛は術後1〜2ヵ月でいったん抜けてしまうと知っていれば焦らずに済むでしょう。
脱毛後、新しい髪は約3ヵ月間の休止期を経てから生えてきます。自毛植毛の最終的な仕上がりを判断できるのは、術後から10ヵ月目以降です。[1]
また、施術の失敗と勘違いしやすい副作用としてショックロスがあります。
ショックロスが起こると術後に一時的に抜け毛が増えますが、ヘアサイクルを経たのちに新たな髪が生えてくるので心配する必要はありません。
ショックロスについて知らないと施術が失敗したと思い、再度自毛植毛するべきか冷静に判断できなくなる恐れがあります。
自毛植毛後の後頭部が心配ならクリニックに相談を
この記事では、自毛植毛後の後頭部の様子や髪が生えるまでの経過を解説しました。
FUT法の場合は線上の傷痕が残りますが、髪を刈り上げる必要がないので術後はバレにくいです。FUE法の場合は髪を刈り上げるので術後にヘアシートが必要ですが、傷痕は小さいので目立ちません。
どちらの手術法を選んでも、医師がドナー数を調整するため後頭部がスカスカになる可能性は低いです。
アルモ形成クリニックでは、後頭部を髪を刈り上げないFUE法も実施しています。
植毛したいけど後頭部がスカスカにならないか心配な方は、一度アルモ形成クリニックにご相談くださいね。
参考文献
[1]AGA治療、植毛
[2]Hair Transplantation
[3]男性型脱毛症と育毛有効成分
[4]超高圧電子顕微鏡による毛髪構造解析
[5]男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
[6]喫煙によるその他の健康影響 e-ヘルスネット
このコラムの著者
アルモ形成クリニック
院長 内田直宏
筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。
関連メディア
まずはカウンセリングから。お気軽にご相談ください。
050-1352-7403
営業時間:10:00〜19:00(土日祝診療)
定休日:月曜日・木曜日(ただし、祝日は営業)