コラム
甲状腺機能低下症による脱毛?AGAとの違いは?植毛してもよいの?

薄毛の原因というと「AGA(男性型脱毛症)」が代表的。でも実は甲状腺ホルモンの異常が関係していることもあるのです。
この記事では、「甲状腺機能低下症」による脱毛の特徴や、植毛ができるかどうかについて、中高年男性向けにわかりやすくご説明します。
植毛専門クリニック「アルモ形成クリニック」が、専門的な視点で解説いたします。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンが不足し、体の新陳代謝が低下する病気です。
具体的には、首の喉ぼとけの真下にある甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの作用が低下した状態を指します。甲状腺ホルモンは全身の新陳代謝を調節する重要なホルモンで、このホルモンが不足すると体のあらゆる機能がスローダウンします
代表的な症状には以下のようなものがあります:
- 疲れやすくなる
- 顔やまぶたがむくむ
- 寒がりになる
- 皮膚が乾燥する
- 声がかすれる
- 抜け毛が増える
- 抜け落ちて、その後毛が生えない
これらに心当たりがあれば、AGAではなく甲状腺機能低下症が原因の脱毛かもしれません。
甲状腺機能低下症の脱毛の特徴
この病気による脱毛は、以下のような特徴があります:
- 頭全体が薄くなる「びまん性脱毛」
- 髪のツヤやコシが失われる
- 抜け毛の量が急に増える
特に、側頭部や後頭部まで髪が細くなる場合は、要注意です。
AGAとの違いは?
甲状腺ホルモンの不足による薄毛は、AGAによるパターンとは異なる特徴的な脱毛パターンを示します。甲状腺機能低下症では、頭髪全体が均一に薄くなるびまん性の脱毛が起こりやすく、額の生え際や頭頂部だけでなく通常AGAの影響を受けにくい側頭部や後頭部の髪までもボリュームが減ってしまうことがあります。これはAGAによる薄毛(前頭部や頭頂部が中心)とは明らかに異なる点で、もし側頭部まで含めて全体的に髪が薄くなっているようであれば甲状腺機能低下症が原因の可能性がありますasami.clinic。また、甲状腺機能低下症では髪の新陳代謝も低下するため、髪質にも変化が現れます。具体的には髪のツヤが失われて乾燥しパサついた髪になりやすいのも特徴です。
甲状腺機能低下症でも植毛はできる?
結論:甲状腺機能低下症でも植毛は可能です。しかし、「いつ植毛するか」がとても重要です。
まずはホルモン治療を優先
治療により甲状腺ホルモンの値が安定すれば、脱毛が改善することもあります。具体的には甲状腺ホルモン(フリーT3、フリーT4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を確認し、甲状腺機能が正常か低下しているかを評価し、治療を行っていきます。
植毛のベストタイミングは?
以下のような状態になったら、植毛を検討してもよいでしょう:
- ホルモンの値が安定している
- 脱毛が止まってきた
- それでもボリュームが足りない
植毛前に受けるべき検査とは?
当院では、以下の検査をおすすめしています:
- 甲状腺ホルモンの血液検査(TSH・T3・T4)
- 鉄分・亜鉛などの栄養状態チェック
原因をしっかり調べてから施術を行うことで、効果の高い植毛治療が可能になります。
植毛後の経過と注意点
ホルモンバランスが安定していれば、術後の回復や毛の成長もスムーズに進みます。
ただし、治療をやめたりホルモンが不安定になると、再び抜け毛が増えることがあるため、継続的な内服・検査管理が必要です。
アルモ形成クリニックからのアドバイス
- まずは甲状腺の治療をしっかり受けましょう
- 脱毛が落ち着いてから植毛を検討しましょう
- AGAなど他の脱毛症も一緒にケアしましょう
- ホルモン値が安定した上で安全に施術しましょう
当院では、内分泌内科や皮膚科と連携しながら、安全で効果的な植毛治療をご提案しています。
まとめ:原因を知って、正しく対策を
甲状腺機能低下症による脱毛は、放っておくと悪化する一方です。
しかし、正しい診断と治療、そしてタイミングを見極めた植毛で、自然で健康な髪を取り戻すことができます。
「この抜け毛、本当にAGAなのかな…?」と疑問に思ったら、ぜひ一度アルモ形成クリニックへご相談ください。
医師による丁寧なカウンセリングと、必要な検査を行い、あなたに最適な治療をご提案いたします。
このコラムの著者
アルモ形成クリニック
院長 内田直宏
筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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