コラム
PHYSICIAN SUPERVISING
ページの監修医師
アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)
- ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
- 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
- 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
甲状腺機能低下症による脱毛?AGAとの違いは?植毛してもよいの?
薄毛の原因というと「AGA(男性型脱毛症)」が代表的。でも実は甲状腺ホルモンの異常が関係していることもあるのです。

この記事では、「甲状腺機能低下症」による脱毛の特徴や、植毛ができるかどうかについて、中高年男性向けにわかりやすくご説明します。
植毛専門クリニック「アルモ形成クリニック」が、専門的な視点で解説いたします。
甲状腺機能低下症とは?
甲状腺機能低下症とは、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが不足し、全身の代謝機能が低下する疾患です。
甲状腺は首の前側、喉ぼとけのすぐ下に位置する臓器で、体のエネルギー消費や体温調節、心臓や脳の働きなど、さまざまな機能をコントロールする重要なホルモンを分泌しています。
この甲状腺ホルモンが不足すると、全身の活動がゆっくりとなり、さまざまな身体症状が現れるようになります。
甲状腺ホルモンの役割
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を維持するために欠かせないホルモンです。
主に、
- エネルギー代謝の調整
- 体温維持
- 心拍数の調整
- 脳や神経機能の維持
- 皮膚や毛髪の健康維持
などに関与しています。
そのため、ホルモンが不足すると全身にさまざまな影響が及びます。
甲状腺機能低下症で現れる主な症状
甲状腺機能低下症では、代謝の低下によって以下のような症状が見られることがあります。
代表的な症状には以下のようなものがあります:
- 疲れやすくなる
- 顔やまぶたがむくむ
- 寒がりになる
- 皮膚が乾燥する
- 声がかすれる
- 抜け毛が増える
- 抜け落ちて、その後毛が生えない
これらに心当たりがあれば、AGAではなく甲状腺機能低下症が原因の脱毛かもしれません。
甲状腺機能低下症の脱毛の特徴
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの不足によって毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛や薄毛が生じることがあります。
AGA(男性型脱毛症)や女性型脱毛症(FPHL)とは異なり、脱毛の現れ方に特徴があるため、症状を正しく理解することが重要です。
- 頭全体が薄くなる「びまん性脱毛」
- 髪のツヤやコシが失われる
- 抜け毛の量が急に増える
頭全体が薄くなる「びまん性脱毛」
甲状腺機能低下症による脱毛の代表的な特徴が、「びまん性脱毛」です。
びまん性脱毛とは、特定の部位だけが薄くなるのではなく、頭部全体の毛量が均一に減少していく状態を指します。
AGAのように生え際や頭頂部が中心に薄くなるのではなく、髪全体のボリュームが減ったように感じることが多いのが特徴です。
髪のツヤやコシが失われる

甲状腺ホルモンは毛髪の成長だけでなく、髪の質にも関与しています。
ホルモンが不足すると、
- 髪が細くなる
- ハリやコシがなくなる
- 髪が乾燥しやすくなる
- ツヤが失われる
といった変化が現れることがあります。
その結果、以前よりも髪がまとまりにくくなったり、ボリューム不足を感じたりすることがあります。
抜け毛が急激に増えることがある
甲状腺機能低下症では、毛髪の成長期が短縮されることで、休止期に入る毛髪が増加します。
そのため、
- シャンプー時の抜け毛が増えた
- 朝起きたときに枕へ髪が多く付着する
- ブラッシング時の抜け毛が目立つ
など、急激な抜け毛の増加として症状に気付く方も少なくありません。
AGAとの違いは?
薄毛の原因としてよく知られているAGA(男性型脱毛症)ですが、すべての薄毛がAGAによって起こるわけではありません。
甲状腺機能低下症でも抜け毛や薄毛が生じることがあり、見た目が似ているためAGAと間違われることがあります。しかし、脱毛のパターンや髪質の変化には大きな違いがあります。
AGAは生え際・頭頂部を中心に進行する
AGAは男性ホルモンの影響によって発症する進行性の脱毛症です。
主に、
- M字型の生え際後退
- 頭頂部(つむじ周辺)の薄毛
- 前頭部から頭頂部にかけての密度低下
といった特徴的なパターンで進行します。
一方で、AGAでは後頭部や側頭部の毛髪は比較的維持されやすく、薄毛の影響を受けにくいことが特徴です。
甲状腺機能低下症は頭全体が薄くなる
甲状腺機能低下症による脱毛は、びまん性脱毛として現れることが多く、頭髪全体のボリュームが均一に減少していきます。
特に、
- 前頭部
- 頭頂部
- 側頭部
- 後頭部
など、頭全体にわたって毛髪が細くなり、密度が低下することがあります。
AGAでは比較的保たれる側頭部や後頭部まで薄毛が広がる場合は、甲状腺機能異常などAGA以外の原因を疑う必要があります。
髪質の変化も特徴的
甲状腺ホルモンは毛髪の成長だけでなく、髪の質にも深く関与しています。
そのため甲状腺機能低下症では、
- 髪のツヤがなくなる
- 髪が乾燥しやすくなる
- パサつきが増える
- ハリやコシが低下する
といった変化が現れることがあります。
一方、AGAでは髪質の変化よりも、毛髪が細く短くなる「軟毛化」が中心となります。
甲状腺機能低下症でも植毛はできる?
甲状腺機能低下症でも植毛はできる?
結論からお伝えすると、甲状腺機能低下症の方でも自毛植毛を受けることは可能です。
ただし、自毛植毛を検討する際には「植毛ができるかどうか」だけでなく、「いつ植毛を行うべきか」が非常に重要になります。
甲状腺機能低下症による脱毛は、AGAのような進行性の薄毛とは原因が異なるため、まずは脱毛の原因となっている甲状腺機能の改善を優先することが基本です。
まずはホルモン治療を優先
甲状腺機能低下症では、甲状腺ホルモンの不足によって毛髪の成長サイクルが乱れ、びまん性脱毛が起こることがあります。
そのため、甲状腺機能低下症が十分にコントロールされていない状態で植毛を行っても、既存毛の脱毛が継続し、理想的な結果が得られない可能性があります。
まずは内科や内分泌内科で適切な治療を受け、甲状腺ホルモンの状態を安定させることが重要です。
ホルモン治療によって改善する場合もある
甲状腺機能低下症による脱毛は、原因となるホルモン異常が改善することで回復が期待できるケースがあります。
実際に、甲状腺ホルモン補充療法によって抜け毛が減少し、毛髪のボリュームが改善する方も少なくありません。
そのため、脱毛の原因が甲状腺機能低下症にある場合は、まず治療効果を確認することが大切です。
植毛前に確認したい検査項目
甲状腺機能の評価では、血液検査によって以下の数値を確認します。
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)
- Free T4(遊離サイロキシン)
- Free T3(遊離トリヨードサイロニン)
これらの数値をもとに、甲状腺機能が正常かどうかを判断し、必要に応じてホルモン補充療法を行います。
植毛のベストタイミングは?
以下のような状態になったら、植毛を検討してもよいでしょう:
- ホルモンの値が安定している
- 脱毛が止まってきた
- それでもボリュームが足りない
植毛前に受けるべき検査とは?
当院では、以下の検査をおすすめしています:
- 甲状腺ホルモンの血液検査(TSH・T3・T4)
- 鉄分・亜鉛などの栄養状態チェック
原因をしっかり調べてから施術を行うことで、効果の高い植毛治療が可能になります。
植毛後の経過と注意点
ホルモンバランスが安定していれば、術後の回復や毛の成長もスムーズに進みます。
ただし、治療をやめたりホルモンが不安定になると、再び抜け毛が増えることがあるため、継続的な内服・検査管理が必要です。
アルモ形成クリニックからのアドバイス
- まずは甲状腺の治療をしっかり受けましょう
- 脱毛が落ち着いてから植毛を検討しましょう
- AGAなど他の脱毛症も一緒にケアしましょう
- ホルモン値が安定した上で安全に施術しましょう
当院では、内分泌内科や皮膚科と連携しながら、安全で効果的な植毛治療をご提案しています。
まとめ:原因を知って、正しく対策を
甲状腺機能低下症による脱毛は、放っておくと悪化する一方です。
しかし、正しい診断と治療、そしてタイミングを見極めた植毛で、自然で健康な髪を取り戻すことができます。
「この抜け毛、本当にAGAなのかな…?」と疑問に思ったら、ぜひ一度アルモ形成クリニックへご相談ください。
医師による丁寧なカウンセリングと、必要な検査を行い、あなたに最適な治療をご提案いたします。
このコラムの著者
アルモ形成クリニック
院長 内田直宏
筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。
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