①植毛医において執刀歴が何年くらい、もしくは執刀数が何件くらいで一人前とお考えですか?
②歴の浅い方にお願いするリスクはどんなことがありますか?
③執刀医が未熟でも看護師が熟練であれば問題なかったりするのでしょうか?
ご質問ありがとうございます。
①についてですが、これは井上院長のコラムにも少し似たようなことが記載されていますが、執刀歴が何年か、どのくらいかというのは実はあまり関係ありません。
植毛手術の場合、一般的な外科手術と違い、形成外科美容外科的な側面が強く、またデザインや密度など、細かな作業が得意な先生が有利と考えます。
または、形成外科でマイクロサージャリーをはじめとする細かな作業を現場で行ってきた先生もしくは現場も行っている先生が有利と考えます。
患者様は、あの先生が何年やってるか、もしくは、どのくらい執刀されているか等を気にされることがございますが、
初めてでもかなり上手な先生がおられますし、逆に経験症例が多くてもあまり上手でない先生もおられます。
あえて、質問者様の①のご質問に解答するのであれば、上手な先生でも、上手でない先生でも両者に共通して必須として考えられる期間は2-3ヶ月の間に30例程度経験することと考えます。
手技が上手でない先生が入職して1年2ヶ月の症例が、上手な先生が入職して2ヶ月の症例よりも結果が悪いことは十分に起こり得るため、その先生の資質によるとしかお答えできないのです。
また、上記で記載しましたが、形成外科を経験した先生が有利と考えるのは、植毛手術というのは、遊離組織移植手術という形成外科の学問の一分野であり、創傷治癒の総合的な知識や経験がないと、仮に手技がうまくいったとしても生着しない、いい結果にならないといった事態に出くわすことがあると思います。
他に関連することとして、植毛経験症例数と植毛手術に携わっている年数のどちらが医師の実力の向上に大事かというと、経験症例数でしょう。
これに関しても常勤で週4回コンスタントにオペをしている先生と週1回の非常勤の先生を比較すると、後者が2年間手術を行ったとしても104例の経験ですが、前者は半年で104例ほどになる計算となります。その場合、前者の方がフィードバックの反映の速度や慣れなどの要素を鑑みると、有利と考えられると思います。
医師も人間ですから、完璧でない場合もあり、その場合過去の形成外科での反省や植毛手術の実践からの学びというのが生きます。
②ですが、①でも述べましたが、歴の浅いという医師ではなく、手技が上手でない医師と置き換えて話すこととします。
その場合、植毛手術の合併症に記載されている様々なリスクが全てあがる可能性があります。
例えば、生着率が下がる、密度が低い、毛流がおかしいといった結果に関わることや、麻酔の使用によりショック症状や頚椎の損傷など、いろいろなリスクも起こり得るでしょう。
③ですが、看護師の実力が植毛の結果に大切なのはある程度言うまでもないですが、
最も大切なのは言うまでもなく医師の実力です。
なぜなら、採取と穴あけという最も重要なパートを担うからです。移植は開けられた穴に植える作業で、もちろん大切なのですが、穴の位置はもう既に決まっている状態で植える作業を行うため、結果は医師に依存する割合が高いです。
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