ミノキシジルをやめるとどうなる?AGAリスクを抑える適切なやめ方やタイミングの徹底解説
AGA治療ミノキシジルの服用を始めたものの「やめたらどうなるのか?」と不安になる方も多いはずです。
この記事では、ミノキシジルをやめた場合の影響や、リスクを抑える最適なタイミングについて徹底的に解説します。
ミノキシジルは発毛薬として使用されていることが多いようですが、いわば「両刃の剣」です。
使用を中止すると以前の状態に戻るだけでなく、急に中止すると、脱毛を引き起こすことがありますので、慎重に使用するほうがよいでしょう。
また、副作用については、血管拡張に伴う副作用として動機、むくみ、めまいなどが挙げられますが、元々の持病で心臓血管系のご病気などがなければ大きな問題に至ることは少ないようです。
自毛植毛領域では、ショックロス(術後の脱毛)の予防として使用することは多くあります。
ミノキシジルをやめるとどうなる?
ミノキシジルの服用をやめると、AGAが再発し薄毛が進行する場合があります。 ミノキシジルの服用を中止することで、血行促進と毛母細胞の活性化の効果が失われ、薄毛が進行しやすくなるのです。
また、ミノキシジルを6か月以上使用した人のAGA再発率は約60%が1年以内、約80%が2年以内と、かなり高い確率で再発が起きることが臨床データより報告されています。
ただし、ミノキシジルのみを使用している場合と他のAGA治療薬を併用している場合とでは、ミノキシジルを止薬した際の薄毛のリスクが異なります。 次の2つのケースを詳しくみてみましょう。
- ミノキシジルのみを使用しているケース
- ミノキシジルとプロペシア(フィナステリド)を併用しているケース
ミノキシジルのみを使用している
ミノキシジルのみを使用しているケースは、服用を中止するとAGAが再発する恐れが高いです。ミノキシジルはAGAの症状を一時的に抑えているだけなので、服用中止すれば薄毛が進行する可能性があります。
AGAとミノキシジルの関係性
AGAは、男性ホルモンの影響で起こる進行性脱毛症です。ミノキシジルの作用である血行促進と毛母細胞の活性化により、発毛を促す効果が期待されています。しかし、AGAの症状を根本から治療して、完治させるものではありません。
よって、発毛効果を持続させたいなら、ミノキシジルの服用を続ける必要があるでしょう。
ミノキシジルとプロペシア(フィナステリド)を併用している
ミノキシジルとプロペシア(フィナステリド)を併用したケースでは、薄毛の進行を抑制したまま毛量の維持が期待できます。プロペシアの作用が薄毛の進行を抑制するものです。 よって、併用しているミノキシジルを中断しても、増えた髪を維持できる可能性があります。
ただし、プロペシアは、症状の進行を食い止める薬なので、ミノキシジルのような発毛効果はありません。毛量を増やしたいのなら、ミノキシジルの服用を続ける必要があるでしょう。
また、ミノキシジルとプロペシアを同時にやめることは、おすすめしません。同時に服用を中断すれば、発毛効果と抜け毛抑制効果を失うので、AGAを進行させてしまう可能性がある点に注意が必要です。
ミノキシジルをやめる女性が考慮するべき点とは?
ミノキシジルは女性の脱毛症(FAGA)に対しても処方されることがあります。ミノキシジルの服用中止については、女性も同様に薄毛が進行するリスクが高くなる可能性があります。
ただし、女性の抜け毛の原因は、ホルモンバランスの乱れや生活習慣の乱れ、ストレス、ライフスタイルの変化などさまざまな要因が複雑に関係しています。副作用も女性特有のものがあり、AGA治療を行う上で、より注意が必要です。
また、女性の抜け毛はホルモンの影響も受けやすく、治療を中止しなければならない場合もあり、医師による慎重な判断が求められます。
ミノキシジルをやめる場合の女性特有の考慮すべき2つの点について解説します。
ミノキシジルによる女性ホルモンバランスの乱れ
ミノキシジルは、女性ホルモンバランスに影響を及ぼす可能性があります。 ミノキシジルの服用によりエストロゲン濃度が減少し、生理不順や無月経、にきびの悪化などの副作用が生じる場合があります。
エストロゲン濃度低下による副作用がひどい場合は、ミノキシジルを中断して代替え治療に切り替える必要があります。
妊娠・授乳中はミノキシジルの使用をさける
ミノキシジルは、女性の脱毛症に効果が期待される薬ですが、妊娠・授乳中は使用できません。これは、妊娠中の胎児や授乳中の乳児に対して影響を及ぼす危険性があるからです。
また、妊娠中や産後はホルモンバランスが不安定になります。髪が抜けにくくなったり、産後は髪が一時的に抜けやすくなったりと、髪の毛周期も変化する可能性があります。
ミノキシジルの治療を行うのであれば、授乳が終わり、ホルモンバランスが安定してからが望ましいでしょう。
安全な使用方法については、こちらの記事も参考にしてみてください。
女性でも使える!ミノキシジルの効果|安全な使用法で薄毛改善へ | なおるん毛髪情報局
後頭部の薄毛が気になる方は、こちらの記事も確認してください。
後頭部はげで悩む女性必見!薄毛の原因とセルフケアから治療法まで徹底ガイド | なおるん毛髪情報局
AGA再発のリスクを抑えるミノキシジルのやめ方
ここからは、AGAの再発リスクを抑えるミノキシジル中断の4つの方法を解説します。
- 抜け毛のピークにめがけ減量する
- フィナステリド(プロペシア)で代替する
- 低出力レーザー治療で代替する
- 定期的に専門医の診断
抜け毛のピークにめがけ徐々に減量する
AGAの再発リスクを抑えるためのミノキシジル中断方法として、抜け毛のピークを迎える時期の2~3か月前ごろから、ミノキシジルの使用量を段階的に減らしていきます。
AGAの抜け毛には、年周期で増減があります。季節の変わり目などで髪のターンオーバーが活発になる時期があり、いつもより抜け毛が多くなります。抜け毛が最も多くなる時期の前に少しずつ量を抑えていけば、ミノキシジルの止薬による脱毛症状の悪化が緩やかになるでしょう。
ミノキシジルの段階的な減量は、中断による脱毛症状に対するメンタル的な負担も軽減できるメリットもあります。
また、長期服用でミノキシジルの依存性が高まった毛包の状態を回復させるためにも、急な中断は避ける方がよいでしょう。
フィナステリド(プロペシア)で代替する
2つ目の方法は、フィナステリド(プロペシア)などの他のAGA治療薬を併用することです。
フィナステリドはAGAを引き起こす原因の男性ホルモンであるデヒドロテストステロン(DHT)の作用を抑える働きがあります。よって、フィナステリドを服用することで、薄毛の進行を抑える効果が期待できるでしょう。
さらに、ミノキシジル中断後のDHTの増加を防ぎ、AGA再発後の毛包ダメージを軽減できる効果が期待できます。
また、フィナステリドの効果を充分に実感するためには、3~6か月の継続使用が推奨されています。
低出力レーザー治療で代替する
3つ目の方法は、低出力レーザー治療(LLLT)で、ミノキシジル中断の際の有効な代替治療です。
低出力レーザー治療は、特定の長波のレーザーを頭皮に照射することで毛根の細胞に作用して髪の成長を促進させ、抜け毛抑制に期待できます。 ミノキシジルを中断する際は、急にやめるのではなく、徐々に低出力レーザー治療に移行することが推奨されています。
具体的には、ミノキシジルの使用頻度を減らしながら、低出力レーザー治療を開始するとよいでしょう。
また、低出力レーザー治療のメリットは、副作用がほとんどなく、他のAGA治療薬との併用が可能な点が挙げられ、長期的なAGA治療としてもおすすめです。
定期的に専門医の診断
4つ目は、定期的な専門医の診察を受けることも、AGAの再発リスクを抑えるのに重要です。
医師が専門的な視点で、頭皮や毛包の状態を診断し、ミノキシジルの最適な止薬のタイミングや代替治療の提案をしてくれます。
具体的には、抜け毛の進行具合や毛包の炎症反応があれば、治療薬の再開を指示し、脱毛が悪化しないようであれば減量するなど、その時の状況によって的確なアドバイスを受けることが可能です。
また、AGAの進行具合や症状には個人差があります。医師の診察を受けることで、自分自身にあった治療を行うことができ、AGAの改善により期待できるでしょう。
ミノキシジルをやめるタイミングの4つの見極め方
ミノキシジルをやめるタイミングは個人差がありますが、次の4つのポイントを参考にしてみてください。
- ミノキシジルによる副作用が見られたとき
- 6ヶ月以上服用しても効果が出ないとき
- 初期脱毛の症状が3か月続くとき
- 薄毛が気にならなくなったとき
薄毛のタイプ別の治療方法はこちらの記事も参考にしてみてください。
ミノキシジルはM字に効かない?理由と対処法|効果的な治療法も紹介 | なおるん毛髪情報局
ミノキシジルによる副作用が見られたとき
ミノキシジルをやめるポイントの一つは、副作用が見られた時です。ミノキシジルは内服薬であるミノタブ(ミノキシジルタブレット)と外用薬の2種類あります。
それぞれ副作用が異なるので、以下の表にまとめました。
内服薬ミノタブ(ミノキシジルタブレット) | 外用薬 | |
---|---|---|
副作用 | 低血圧、めまい、動悸、浮腫、多毛 | 皮膚のかゆみ、赤み、湿疹、炎症 |
内服薬ミノタブの副作用については、体内に直接影響するので、放置すると健康に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に、心疾患の既往歴のある人や高齢者は心臓に重大な副作用のリスクが生じる場合があり注意が必要です。具体的には、ミノタブの慢性的な接種で、心臓肥大や狭心症を引き起こし、さら
に悪化すると心筋梗塞を発症する危険性があります。そのような副作用がでたらミノキシジルを止薬するタイミングの一つでしょう。
外用薬の副作用にも注意
外用薬に関しては、皮膚症状が主なため内服薬ほど深刻な副作用が起こる可能性は低いです。しかし、副作用が現れた際は使用頻度を減らすなど、適切な対応が求められます。
6ヶ月以上服用しても効果が出ないとき
ミノキシジルを一定期間使用しても効果が感じられない時は、服用をやめてみてもよいでしょう。 一般的にミノキシジルは3か月~6か月の使用期間で効果が現れると言われています。
効果については個人差があり、全ての人に効果がある訳ではありません。 しかし、6か月以上使用して効果が得られない場合は、そのまま継続しても、劇的な効果を期待するのは難しいかもしれません。
また、内服薬であるミノタブ(ミノキシジルタブレット)で効果を実感できない場合、動脈拡張作用があり、心臓や肺などの循環器系への負担が懸念されます。効果がなければ、心臓や肺への負担のリスクだけが残るので、医師に相談したうえで服用を中断するのか判断を仰ぎましょう。
初期脱毛の症状が3か月以上続くとき
初期脱毛の症状が3か月以上続くときも、ミノキシジルの服用をやめるタイミングの一つです。初期脱毛とは、ミノキシジル服用後、2週間~1か月経った頃に現れる一時的な脱毛症状です。
初期脱毛はミノキシジルの発毛作用で、新しい毛が生えてきて古い毛が押し出されて抜け落ちていきます。ミノキシジルを服用していれば起こる副反応で、一時的な脱毛は薬の効果が現れている証拠でもあります。一般的には、初期脱毛は1か月~3か月続きます。
しかし、3か月以上続く場合は、他の原因で抜け毛が起こっている可能性があるので注意が必要です。例えば、頭皮の炎症や生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れ、中には重大な病気が隠れているケースが考えられます。
3か月たっても抜け毛がつづくようなら、医師に相談して服用を中断するべきか指示を仰ぎましょう。
薄毛が気にならなくなったとき
ミノキシジルの服用をやめると、AGAが進行する可能性が高いです。ミノキシジルは完治を目指す薬ではないので、治療に明確な終わりがありません。長期的な治療が続くので、薄毛を受け入れられるようになった際は、ミノキシジルの服用をやめるのが適切なポイントです。
薄毛を受け入れられるような具体例としては次のような事例が挙げられます。
- 薄毛に対して家族やパートナーの理解があり、自身の外見へのプレッシャーが和らいだ時
- 仕事や趣味などの他の面で自己実現や充実感が高く、薄毛も個性の一部と捉えられた時
- 年齢を重ねて、外見に対する価値観や優先順位が変わった時
また、ミノキシジルは心臓や肺などの循環器系への負担リスクがあるので、65歳以上の高齢者は慎重に服用を検討する必要があります。年を重ねて、薄毛の進行に焦りや不安を感じなくなれば、服用をやめてもよいでしょう。
長期のミノキシジル服用で副作用のリスクが高まる可能性があることを加味して、年齢が若くても服用で薄毛が特に気にならないぐらい改善した際は、服用をやめるタイミングの一つです。
ミノキシジルをやめた場合のホームケアAGA対策3選
ミノキシジルを止薬した場合はAGAの再発のリスクが付きまといます。そこで、ホームケアを見直すことで少しでもAGA再発のリスクを抑えることにつながるでしょう。
自宅で簡単に試せるホームケア3選を次に紹介します。
- 頭皮マッサージをする
- 他の発毛剤や育毛剤の使用を検討する
- 生活習慣の改善をする
頭皮マッサージをする
頭皮ケアは、頭皮の環境を整えるためにも重要です。ミノキシジルを止薬した際は、自宅で簡単にケアができる頭皮マッサージがおすすめです。
頭皮を刺激することで、血行が促進され毛包の活性化につながります。頭皮マッサージを習慣化することで、抜け毛や養毛力の向上に期待できるでしょう。
具体的な方法は次のとおりです。
- 親指、人差し指、中指、薬指で耳の後ろ(側頭部)を掴む
- 耳の後ろ(側頭部)で掴んだ指の腹で時反時計周りに揉む
- 側頭部に人差し指、中指、薬指を押さえて頭頂部まで押し上げる
頭皮全体を頭頂部に押し込むイメージで揉むのがポイントです。
また、シャンプーの際に手のひらサイズのシリコン製のシャンプーブラシの使用も検討してみましょう。シャンプーブラシを使用することで、まんべんなく頭皮に刺激を与え、余分な皮脂汚れも落としてくれるので、頭皮環境を整えるのにおすすめです。
他の発毛剤や育毛剤の使用を検討する
AGAの進行を遅らせるためにも、頭皮の状態に合わせた頭皮ケアは効果が期待できます。育毛の基本は、健康な頭皮環境づくりが目的です。以下の成分が育毛剤に主に含まれています。
- 過剰な皮脂の分泌の抑制と乾燥や炎症の予防:ドクダミエキスやイソフラボン
- 血行促進や毛母細胞活性化:アデノシンやパンテノール
- 抜け毛を予防:ビオチンやオレアノール酸
育毛剤には頭皮環境を整える成分が配合されていますので、頭皮ケアにぜひ取り入れてみましょう。
低刺激シャンプーの使用も頭皮への負担を軽減できるのでおすすめです。 洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮に刺激が強く頭皮トラブルが起こる原因になる可能性があります。
そこで、肌に優しい成分が配合されたアミノ酸系のシャンプーを選びましょう。アミノ酸系のシャンプーは、頭皮を守るための皮脂は残しつつ、余分な皮脂や汚れを洗い流せます。 また、弱酸性のため低刺激で、微細泡で泡立ちもよいのが特徴です。
アミノ酸系のシャンプーの選び方として、「〜グルタミンサン」「グリシン」「アラニン」などの成分表示があるものを選びましょう。
生活習慣の改善をする
ミノキシジルをやめた際は、生活習慣の乱れを整えることも再発リスクを抑える対策の一つです。
AGAは、不規則な生活習慣が原因でホルモンバランスが崩れ、薄毛につながるケースが多いです。
例えば、睡眠不足や偏った食生活をしていると、毛根に十分な栄養が届きにくく、健康な毛が生えてきません。
その結果、細くコシがない毛が生え、抜けやすくAGAの再発リスクを高めてしまいます。
睡眠の質向上や適度な運動、バランスの取れた食生活を心がけて、健康的でコシのある髪の毛が育つ体質を目指しましょう。
まとめ
本記事では、ミノキシジルをやめた際の影響や再発リスクについて解説し、やめ方の最適なタイミングや再発リスクを抑えるホームケアまで紹介しました。
ミノキシジルは発毛に対して高い効果が期待できますが、服用をやめてしまうとAGAが再発進行する可能性があります。
再発リスクや服用の副作用のリスクには個人差がつきものです。独断での服用中止はAGAの再発リスクが高まるので、医師に相談し適切な方法とタイミングを見極めるようにしましょう。