コラム
ホールスリットとラインスリットの違い④ 〜ボリュームの出しやすさ〜
Ⅰ 近況について
みなさま、お久しぶりです。植毛医の内田直宏です。
最近、開業間際の忙しさにかまけてしまい、ブログの更新がストップしておりまして申し訳ございません。引き続き、ブログをご愛好いただけますと幸いです。
おかげさまで、開院後に自毛手術の手術を中心にたくさん手術をさせていただいております。
手術は以前よりさらにステップアップし、私が前職で勤務していた時代の手術より、もっと洗練したものを安定して、提供できている自負がございます。
特に、前医で使用していた植毛機器をより進化させ、採取パンチも材質からこだわった特注のパンチを使用しているだけでなく、熟練看護師を中心とした潤沢な人材の配置およびFUEクリニック初とも言える専門の株確認・株処理スタッフを配置し、丁寧に移植手術まで行います。
高密度植毛はもちろんですが、女性の植毛、傷跡の植毛、眉毛の植毛もこだわって行っています。
今度、アルモ形成クリニックの特徴ということで記載させていただく予定です。ぜひ、みなさまご愛好のほどよろしくお願い申し上げます。
Ⅱ ホールスリットとラインスリットの違い ボリューム編
では、本題に移ります。
ホールスリットとラインスリットの違いに関しては、3回に渡り過去にnoteブログで説明してきました。
特に、移植穴の密度の違いによる手術結果への影響について述べてきました。
過去のブログをご覧になっていない方はこちらをどうぞご覧ください。
今回は、スリットの違いによるボリュームへの影響ということで、ボリューム編となります。植毛してもヘアのボリュームが出ないと手術をした意味が全くありませんので、ボリュームの評価を知ることは手術成功の道標となります。
一般的にヘア(毛髪)のボリュームは、以下の式にて規定されます。
ヘアボリューム=毛軸直径×本数≒毛軸直径×密度
密度は当然重要なのですが、いくら密度が高くても、1個ずつの毛穴から、1本の細いグラフトが出ていてはボリュームが劣るのは容易に想像できるのではないでしょうか。
そこで重要となってくるのが、1グラフト単位の概念となりますが、移植する際に何本の毛を移植するのかはとても重要です。1グラフトといっても、細い1本、太い3本など様々で、それらを対等に扱うのはナンセンスですよね。
極端なことを言えば、
いくら密度が高く50G/cm2で移植しても、移植したグラフト全てが、極細の1本毛を移植した場合は、
25G/cm2の低密度植毛で、太い2本毛を移植した場合に比べてボリュームが劣るということです。
そのため、ボリュームを出すために適切な太い、2-4本毛をきれいに採取し、高密度で移植することで一度で満足の行くボリュームが出せるのです。
特に、生え際では、奥はボリュームアップをメインで考え、生え際近辺は、繊細な細い毛を配置することで一度で自然に見せることが可能となります。
図で表すと、
のようになります。奥の毛髪はとにかくボリュームをアップするために、2-4本毛を中心に後頭部・側頭部から選定し配置します。一方で、生え際の最前列は繊細な毛髪を移植していきます。
当然、グラデーションのように入り乱れることもありますし、男性か女性でも全く違います。症例によって千差万別ですので、必ずこうと決まっている訳ではありませんが、ボリュームを出すためにマイクロホールスリットを使用するということです。ラインスリットのみではこのボリュームを出しずらく、やはり、円柱状の太いグラフトは円柱状の細めの傷跡に収まりが良いということです。
自毛植毛手術を検討されているみなさまも参考にされてみてはいかがでしょうか。
何を優先されるかは様々ですが、密度を高密度にしても限界があるのは事実であり、
他にボリュームを出す要素をきちんと分解して考えていくことが必要と言えそうです。
このコラムの著者
アルモ形成クリニック
院長 内田直宏
筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。
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