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コラム

アルモ式植毛

ホールスリットとラインスリットの違い|密度・ヘアボリューム・傷跡

ホールスリットとラインスリットの違い⑤ 〜傷跡について〜|東京 自毛植毛 アルモ形成クリニック 美容外科

今回からホールスリットとラインスリットの違いについて、パートを分けて私の考えを述べて行こうと思います。
part1はアジェンダです。

カウンセリング時に、3人に1人くらいの患者様がこのスリットについてはお尋ねされるほど多いご質問の一つです。

詳しくはこちらを参考ください。

ホールスリットとラインスリットの違い|密度編

皆様からのご質問が非常に多い「ホールスリットとラインスリットの違い〜密度編〜」について解説していきます。
密度編は少し長いので、part1・2に分けて解説して参ります。

ラインスリットで密度高く移植穴を作成した場合に下記12のような現象が起こり得るというところまで解説しました。
今回のpart2では、それらを掘り下げて解説いたします。

ホールスリットとラインスリットの違い|ボリューム編

ホールスリットとラインスリットの違いに関しては、3回に渡り過去にnoteブログで説明してきました。
特に、移植穴の密度の違いによる手術結果への影響について述べてきました。
過去のブログをご覧になっていない方はこちらをどうぞご覧ください。

スリットの違いによるボリュームへの影響ということで、ボリューム編となります。
植毛してもヘアのボリュームが出ないと手術をした意味が全くありませんので、ボリュームの評価を知ることは手術成功の道標となります。

ヘアボリュームの規定

一般的にヘア(毛髪)のボリュームは、以下の式にて規定されます。

ヘアボリューム=毛軸直径×本数≒毛軸直径×密度

密度は当然重要なのですが、いくら密度が高くても、1個ずつの毛穴から、1本の細いグラフトが出ていてはボリュームが劣るのは容易に想像できるのではないでしょうか。

1グラフト単位の概念

そこで重要となってくるのが、1グラフト単位の概念となりますが、移植する際に何本の毛を移植するのかはとても重要です。
1グラフトといっても、細い1本、太い3本など様々で、それらを対等に扱うのはナンセンスですよね。

極端なことを言えば、いくら密度が高く50G/cm2で移植しても、移植したグラフト全てが、極細の1本毛を移植した場合は、25G/cm2の低密度植毛で、太い2本毛を移植した場合に比べてボリュームが劣るということです。

そのため、ボリュームを出すために適切な太い、2-4本毛をきれいに採取し、高密度で移植することで一度で満足の行くボリュームが出せるのです。

特に、生え際では、奥はボリュームアップをメインで考え、生え際近辺は、繊細な細い毛を配置することで一度で自然に見せることが可能となります。

スリットの拡大図

スリットの拡大図 奥:マイクロホールスリット 手前:ラインスリット

図で表すと、上記のようになります。
奥の毛髪はとにかくボリュームをアップするために、2-4本毛を中心に後頭部・側頭部から選定し配置します。
一方で、生え際の最前列は繊細な毛髪を移植していきます。

当然、グラデーションのように入り乱れることもありますし、男性か女性でも全く違います。
症例によって千差万別ですので、必ずこうと決まっている訳ではありませんが、ボリュームを出すためにマイクロホールスリットを使用するということです。
ラインスリットのみではこのボリュームを出しずらく、やはり、円柱状の太いグラフトは円柱状の細めの傷跡に収まりが良いということです。

自毛植毛手術を検討されているみなさまも参考にされてみてはいかがでしょうか。

何を優先されるかは様々ですが、密度を高密度にしても限界があるのは事実であり、

他にボリュームを出す要素をきちんと分解して考えていくことが必要と言えそうです。

ホールスリットとラインスリットの違い|総集編

ホールスリットとラインスリットの違いとして、傷跡についてお話していきたいと思います。

今までに密度やボリュームなどについて述べて参りましたが、傷跡についても話していきます。

繰り返し言いますが、傷跡云々の前に、毛が生えていることが最も重要であり、毛が生えなければラインスリットであろうと傷つけるだけで意味がありませんので、生着率、生えることの方が重要ということです。

1|ラインスリットの傷跡はやはりきれい

ラインスリットでは細いグラフトを入れた際には傷が線状のためきれいに治癒します。
特に6カ月〜1年ほど経過すると、手術したのかほとんど分からずに治癒するケースが多いです。
しかし、細い傷の特性上、これまでのブログで述べてきたような生着不良が起こる可能性があるため、注意が必要です。

当院では、細めの1本毛を挿入し、生え際の前列に無理のないラインスリットの使用を心がけております。

2|ホールスリットの傷跡は本当に醜いのか?

ホールスリットでは先端が円筒状のため、皮膚に筒状の穴として移植穴ができます。
この穴にうまく円柱状のグラフトが配置できなかった場合、穴の深さや大きさにより

ピッティングスカー pitting 少し凹んだ陥没したような傷跡

リッジングスカー ridge 少し盛り上がる

などが生じる可能性があります。

リッジング、ピッティングスカーの例

リッジング、ピッティングスカーの1例

具体的には、ピッティングスカーはグラフトの丈の長さがホールの長さよりも短い場合に生じると言われており、逆にリッジングスカーはグラフトの丈の長さがホールの長さよりも(かなり)長い場合に生じやすいと言われております。

ピッティングとリッジングの2つで言えば、リッジングの方がまだマシです。
時間経過とともに瘢痕組織が成熟して平らになる可能性が高いからです。

面白いのは、移植したグラフトの丈の長さがホールの長さ(深さ)よりもわずかに長い、もしくは同じ場合には、ホールスリットでもかなりきれいに治ります。ラインスリットの傷痕かと見誤るほどきれいに治ります。

形成外科手術で植皮術という、皮膚の移植術があるのですが、特に顔面や頚部など、部位によって皮膚を移植したのかと目を疑うほどきれいに治るケースがままあります。
皮膚の端っこもピタッと移植しているときれいに治ります。

ラインスリットとホールスリットの2択のように議論されているのは間違い

また、ホールスリットとはいえど、一昔前までに使用していた直径の太いホールスリットだともちろん、直径が太いため傷跡は汚くなってしまいますが、当院では、特注の0.6mmのパンチを使用しているので、かなり傷がきれいになることが確認できております。マイクロホールと呼んでいます。

そのため、世の中でラインスリットとホールスリットの2択のように議論されているのは間違いという風に私は考えており、マイクロホールスリットの存在も加えた方が良いように考えています。

マイクロホールスリットでは正しく移植することで傷跡がきれいになり、ボリュームも出しやすいという点で優れていると考えています。

ただ、細い毛を移植する場合は、傷跡的にラインスリットが優れておりますので、総合的に考えることが重要です。

結論|ラインスリットとホールスリットは特長を把握して使い分けるべき

傷跡だけを考えれば、ラインスリットを利用をすることが大切であるが、マイクロホールスリットを利用し、正しく移植を行えば、傷もかなりきれいに治癒するので両方の使い分けが大切と言えます。

ラインスリットとホールスリットの違いについて説明していきました。
特に、特徴、密度、ボリューム、傷跡について説明してまいりました。

どれも大切な要素ですが、特徴を把握した上で使い分けることが肝要だと言えそうです。

アルモ形成クリニックより

昨日は当院の看護師さんと自毛植毛オペ手技の細かいところをとにかく詰めて学ぶ(笑)というコンセプトの勉強会を開きました。😁

想像以上にたくさん質問が来ました。私自身、改めて看護師さんより学ぶことが多い1日となりました。

当院の植毛看護師の方々は皆プロフェッショナルであり、こだわりを持って手術を行なっておりますが、忙しい手術中にはフィードバックできないとにかく細かいこと一つずつを言語化して徹底的に話し合いました。
医師目線と看護師目線で擦り合わせは定期的に必要となります。
質問も思ったよりハイレベルでかなり濃い内容となりました。

勉強会は大変刺激になり、スタッフ同士の手術レベルの確認、向上につながるので定期的に開催しようと思っております。
医療者たるもの、成長が止まったら負けです。

最近、忙しさにかまけてしまい、ブログの更新がストップしておりまして申し訳ございません。
引き続き、ブログをご愛好いただけますと幸いです。

おかげさまで、開院後に自毛手術の手術を中心にたくさん手術をさせていただいております。

手術は以前よりさらにステップアップし、私が前職で勤務していた時代の手術より、もっと洗練したものを安定して、提供できている自負がございます。

特に、前医で使用していた植毛機器をより進化させ、採取パンチも材質からこだわった特注のパンチを使用しているだけでなく、熟練看護師を中心とした潤沢な人材の配置およびFUEクリニック初とも言える専門の株確認・株処理スタッフを配置し、丁寧に移植手術まで行います。

高密度植毛はもちろんですが、女性の植毛、傷跡の植毛、眉毛の植毛もこだわって行っています。

今度、アルモ形成クリニックの特徴ということで記載させていただく予定です。
ぜひ、みなさまご愛好のほどよろしくお願い申し上げます。

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

内田医師のプロフィール画像

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