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なおるん毛髪情報局

なおるん毛髪情報局 自毛植毛の基礎知識

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

植毛の手術は何時間かかる?2000グラフトで8時間前後かかる理由と「速い手術」の見方

イメージ画像:植毛の手術時間は?(2000グラフトの所要時間と工程)

自毛植毛の手術時間は、グラフト数や術式によって大きく変わります。当院では4〜10時間程度が目安です。

当院で行う2,000グラフト前後のFUEでは、採取・株の確認・移植穴の作成・植え付けを合わせて、8時間前後かかることが少なくありません。

手術時間の長さだけで良し悪しは決まりません。時間がどの工程に使われているかを確認することが大切です。

なお、当日の髪の準備や服装については、植毛前に移植部の髪を剃ってはいけない理由|手術当日までの髪の長さと準備で解説しています。

この記事では「植毛手術にかかる時間」に絞って説明します。

当院での手術時間の目安

当院の自毛植毛(FUE)の施術時間は、グラフト数によって異なりますが、4〜10時間程度です。グラフト数が増えるほど、また刈り上げない方法を選ぶほど、時間は長くなる傾向があります。

グラフト数の目安 手術時間の傾向 補足
少なめ(数百グラフト) 短め(4時間前後〜) 傷跡への植毛や部分的な密度アップなど
1,500〜2,000グラフト前後 8時間前後 生え際の植毛などで多い範囲
それ以上 さらに長くなる(10時間程度になることもあります) 1回で行うか、2回に分けるかを検討します

時間はあくまで当院での目安です。刈り上げない方法では、同じグラフト数でも時間が延びる場合があります。

毛質、毛の角度、頭皮の硬さ、既存毛の量などによっても前後します。また、4〜10時間は施術時間の目安で、来院から帰宅までの時間は、術前の準備や休憩、術後の確認などによって異なります。

2,000グラフトで8時間前後かかる理由

手術は大きく分けて、以下の流れで進みます。

  • ①デザインの確認
  • ②麻酔
  • ③採取
  • ④株の確認・トリミング
  • ⑤移植穴の作成
  • ⑥植え付け

時間の多くを占めるのが採取と、移植穴の作成・植え付けです。

採取は1株ずつ角度を合わせて行う

FUEでは、毛の角度や深さに合わせて、1株ずつパンチで採取します。

院長が採取を行う際の経験的な目安では、パンチによる採取操作は1株あたりおおよそ8〜12秒で、1,800グラフトなら採取操作だけで4〜6時間ほどになる計算です。

これは採取操作そのものの時間で、採取部位の確認や体勢の調整、麻酔、移植などを含めた手術全体の時間とは別のものです。

角度の読み違いは毛根の切断(トランセクション)につながるため、時間をかけてでも角度を合わせることを重視しています。

刈り上げない方法はさらに時間がかかる

刈り上げない方法(アルモUn-SHAVEN法)では、長い髪を残したまま毛の流れを見て、採取する毛だけを選んでパンチを入れます。

院長の手術経験では、刈り上げない方法は採取工程の速さが刈り上げる場合の6〜7割ほどになりやすく、同じグラフト数でも採取に長い時間がかかる傾向があります(当院院長の経験的な目安で、毛髪の条件によって変わります)。

株の確認と移植穴の作成

採取したグラフトはスタッフが状態を確認し、必要に応じて余分な組織を整えます。移植穴は、密度や毛の向き、既存毛との位置関係を見ながら医師が作成します。

移植穴の位置・角度・向きは、術後の毛流や見た目の自然さに関わる重要な要素です。

ただし、仕上がりは複数の工程や、患者さんの毛髪の条件によっても左右されます。

手術時間が短い・長いことで結果は変わる?

採取の速さは、使う器具や術式、術者の経験、毛髪の状態などによって大きく異なります。

毛髪外科の教科書でも、毛のくせが強い場合などは採取に時間を多めに見込むべきだとされています。速いこと自体が悪いわけではありませんが、手術時間の長さだけで手術の良し悪しは判断できません。

手術時間の説明を受けるときは、次の点を確認するとよいでしょう。

  • 採取・移植穴の作成を誰が担当するのか
  • 採取した株をどのように確認しているか
  • 予定のグラフト数に対して、時間配分に無理がないか
  • 採取したグラフトが体の外にある時間をどう管理しているか

採取後のグラフトは血流が途絶えた状態になるため、体の外にある時間に加えて、乾燥の防止や保存液・温度の管理が大切です。

当院では手術を1日1組に限定し、各工程に必要な時間を確保するとともに、採取から植え付けまでの時間やグラフトの保存状態の管理にも配慮しています。

長時間の手術に伴う負担とリスク

手術は局所麻酔と鎮静麻酔で行います。長時間になるため、途中で休憩をはさみながら進めるのが一般的ですが、長時間同じ姿勢でいることによる疲れや体のこわばり、麻酔の影響による眠気・ふらつきが出ることがあります。

鎮静薬による呼吸や血圧への影響にも注意し、状態を確認しながら進めます。手術当日は車の運転を控え、帰りの交通手段を準備してください。

また、自毛植毛には、腫れ、痛み、出血、かゆみ、感染、血行不全、移植毛の生着不良、傷跡、採取部の密度低下、毛のう炎、感覚の違和感、ショックロス(周りの既存毛の一時的な脱毛)、くせ毛などのリスクがあり、仕上がりや経過には個人差があります。

費用の目安

自毛植毛は保険適用外の自由診療です。当院の手術料金は「基本料金205,000円(税込)+1グラフトあたりの料金×グラフト数」です。

料金は手術時間ではなく、主に術式とグラフト数によって決まります。

術式(当院) 1グラフトあたり(税込) 2,000グラフトの総額例(税込・血液検査込み)
アルモHi-STANDARD法(刈り上げる) 1,078円 2,372,000円
アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない) 1,870円 3,956,000円

※総額例は、手術料金に手術前の血液検査11,000円(税込)を加えた金額です。
※傷跡への植毛など一部の施術では基本料金が異なります(傷跡植毛は220,000円)。
※感染症がある方は、別途感染症対策料198,000円(税込)がかかります。
※詳しくは植毛メニュー(料金表)をご確認ください。

植毛の手術時間に関するよくある質問

Q. 手術中は動けませんか?トイレには行けますか?

ずっと動けないわけではなく、工程の合間に休憩をはさむのが一般的です。採取や移植の最中は安全のため急に動かず、トイレなどはスタッフにお声がけください。当日の流れは事前にご説明します。

Q. グラフト数が多い場合、1日で終わらないことはありますか?

必要なグラフト数や頭皮の状態によっては、1回の手術ですべてを行わず、2回に分ける計画を提案することがあります。安全性やドナーの状態、仕上がりを考慮して計画します。

Q. 手術時間が短いほど、体への負担は少ないのですか?

時間が短いほど拘束時間は減りますが、それだけで仕上がりやリスクが決まるわけではありません。採取や移植の丁寧さ、グラフトの扱い方も含めて考えることが大切です。

Q. 手術中は寝ていても大丈夫ですか?スマホや動画は見られますか?

鎮静麻酔を使うため、手術中にうとうとされる方も多く、眠っていても問題ありません。採取の間はうつ伏せや横向きの姿勢になるため、手元でスマホを操作するのは難しいですが、休憩中はご利用いただけます。【要確認:移植中の動画視聴やモニターの有無など、院内の対応】

Q. 手術当日、食事はとれますか?付き添いは必要ですか?

長時間の手術になるため、途中で食事の時間をとります。【要確認:昼食を院で用意するか、持参か】
付き添いは必須ではありませんが、鎮静麻酔の影響で眠気やふらつきが残ることがあるため、当日は車の運転を控え、帰りの交通手段を事前にご準備ください。遠方の方は、近くのホテルに前泊・後泊される方もいらっしゃいます。

Q. FUT(切る方法)だと手術時間は変わりますか?

FUTは後頭部の皮膚を帯状に切り取り、そこから株を分けるため、FUEのように1株ずつ採取する時間はかかりません。その代わり、切り取った皮膚から株を分ける作業や、傷を縫う時間が必要になります。全体の時間はグラフト数や体制によって変わるため、術式ごとの目安はカウンセリングでご説明します。【要確認:当院でFUTを行っているか。行っていない場合は、この質問は削除するか、FUT記事へのリンクだけにしてください】

Q. 手術を2回に分ける場合、間隔はどれくらいあけますか?

1回目に移植した毛が生えそろい、仕上がりを確認できてから2回目を計画するのが一般的です。目安として、少なくとも数か月から1年程度の間隔をあけます。採取部の回復の状態や、2回目でどこにどれだけ植えるかによって変わるため、1回目の経過を見ながら一緒に決めていきます。【要確認:当院での標準的な間隔】

Q. 手術の翌日から仕事に行けますか?

デスクワークであれば、翌日から数日後に復帰される方が多いです。ただし、額やまぶたの腫れ、移植部のかさぶたが目立つ時期があるため、人前に出るお仕事の方は数日〜1週間ほどお休みをとっておくと安心です。体を激しく動かすお仕事や運動は、しばらく控えていただきます。詳しくは自毛植毛の術後経過についてをご覧ください。

Q. 手術時間はカウンセリングで分かりますか?

必要なグラフト数と術式が決まれば、おおよその手術時間をお伝えできます。毛質や毛の角度、頭皮の硬さによっても前後するため、診察で頭皮の状態を確認したうえでご案内します。手術当日のスケジュール(来院時刻や帰宅の目安)も、事前にご説明します。

まとめ

植毛の手術時間は、当院では4〜10時間程度が目安で、2,000グラフト前後のFUEでは8時間前後かかることが少なくありません。

時間の多くは、1株ずつの採取と、移植穴の作成・植え付けに使われています。手術時間の長さそのものより、どの工程を誰が担当し、グラフトをどう扱っているかを確認することが、納得できるクリニック選びにつながります。

採取の工程については、以下の記事もあわせてご覧ください。


参考文献:Unger W, Shapiro R, ed. Hair Transplantation, 6th ed. Thieme; 2022

執筆:編集部/監修:内田直宏医師

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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