以下の他院の先生のブログでは、1500株のFUEであってもスカスカになられている日本人患者様のことを紹介されておりますが、実際に先生が執刀された方でこのような状態になられた方はいますでしょうか?
またなぜ海外と異なり、日本ではFUEが主流になっていると思われますでしょうか?
当方、ドナー部の密度が問題なければFUEで、ある井端、以下ブログの方のようにスカスカになる可能性があるのであればFUTを考えております。
https://ameblo.jp/shokumou-yokobi/entry-12190944999.html
hg様
こんにちは、植毛医の内田直宏です。
まず、初回のFUE法、1500株の採取でスカスカ、もしくは傷が目立って困っていらっしゃる方は私の経験上はございません。また、もともとかなりドナー部が薄い方でも工夫して採取すれば、通常は起こり得ません。少なくとも他の方に手術跡を指摘されるケースはございません。
他院様の採取痕で確かに目立つケースはございますが、1500株FUEの手術で目立つ場合は、採取する場所の偏りが非常に大きいケースに限られます。
写真を拝見するに、部分部分で透けて見える箇所がありますが、これはクリニックにより時間短縮のため「まとめて部分部分にて採取するケースがある」ため部分部分で薄く、透けて見えてしまうといったケースに該当していると考えられます。
では、ブログにて、なぜそのように記載されているかの個人的な意見ですが記載させていただくと
① 1500株という数値はその患者様の申告値であり、本当はクリニックで2000株以上採取されている、あるいは、切断率が非常に高く結果的に2000株以上採取の傷跡ができてしまっている可能性がある
②使用している採取用のパンチブレードの直径が大きく(Φ>1.0mm)、瘢痕形成が目立っている可能性がある
③患者の要素に合わせて採取のデザインをおこなっておらず、また、採取のデザインが偏っている可能性がある
などの要素が考えられます。
また、これは非常に大きな要素の一つですが、FUT法(strip法)を得意とする施設では当然FUEのデメリットを強調して記載する場合もあり、様々な先生がおられますが、公正な立場でFUT、FUEに関して考えていく必要があります。実際にFUT法の方が医師の執刀時間がはるかに短く、看護師の人員手配ができれば、並列でたくさんの手術を行うことができるので、営利的な意味でも推奨する場合もあると聞いています。
なお、直近の第30回国際毛髪外科学会では、FUE法の医師が多数派でありましたが、様々な論文や渉猟しえる論文から推察するに、FUEとFUTは生着率や結果の面では、同等とする意見も多いです。当然、FUTのメリットもございます。これについては、患者様自身の置かれる状態に合わせて、FUT(strip法)とFUEどちらが適しているかも含めて精通している医師に相談されるのが良いと思います。
FUTとFUEの移植部の発毛の観点では、興味深い報告があるので、私のブログで今後記載させていただきたいと思っています。
内田直宏
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