AGAの進行度のセルフチェック【ハミルトンノーウッド】を植毛医が解説


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先日、このようなツイートをしました。

ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行パターンを評価するために使われている世界的に歴史のある分類方法です。

この記事では、ハミルトン・ノーウッド分類についてわかりやすく解説していきます。

医師が診療において薄毛の進行レベルをチェックするために使うのはもちろん、未受診の一般の方もAGAのセルフ診断として使えます。

この記事を読むと、ハミルトン・ノーウッド分類について理解でき、自分の薄毛がどのレベルまで進行しているかをセルフチェックすることができるようになりますよ!

目次

ハミルトン・ノーウッド分類とは

ハミルトン・ノーウッドという名前は、アメリカ人皮膚科医であるハミルトン氏および、ノーウッド氏、両者の名前に由来しています。

AGAの進行パターンを初めて分類したハミルトン氏のものにノーウッド氏が改良を加え、1975年に生まれました。

ハミルトンノーウッドにおける9つの脱毛パターン

ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行過程を9つのパターンに分類しています。

Ⅰ型

AGAの初期レベル。生え際が少し後退しているが、他人からは気づかれにくい。

Ⅱ型

Ⅰ型よりも生え際の薄毛が進行している状態。

Ⅱ vertex型

Ⅱ型の薄毛に加え、頭頂部がO型に薄くなっている状態。

Ⅲ型

生え際の薄毛がくっきりとM字になっている状態。髪全体のボリュームも少なくなってくる。

Ⅲ vertex型

Ⅲ型の薄毛に加え、頭頂部がO型に薄くなっている状態。

Ⅳ型

生え際が後退し、頭頂部がO型に薄くなっている状態。

Ⅴ型

生え際の後退がより顕著な状態。あと少しで頭頂部とつながりそうな段階。

Ⅵ型

生え際が後退し、頭頂部とつながっている状態。

Ⅶ型

Ⅵ型がさらに進行し、側頭部の薄毛も目立つ状態。

AGAの特徴的な脱毛パターンは3つ

AGAの進み方は、生え際や頭頂部の症状により大きく3つに分けられます。

アルファベットの形に似ているため、M字型・O字型・U字型と分けられます。

生え際から|M字(Ⅰ~Ⅴ型)

額の生え際が後退し、おでこが広く見えるのがM型です。

AGA発症初期のⅠ型からⅡ型の時期に多く見られます。

前髪を上げると、こめかみの上部の頭皮が露出し、アルファベットのMの字のように見えます。

頭頂部から|O字(Ⅱ型vertex~Ⅳ型)

頭頂部からアルファベットのOの字のように脱毛が進行するパターンです。

ハミルトン・ノーウッド分類で言うと、Ⅱvertex~Ⅳ型以降のパターンで見られます。

自分では見えないため、家族や友人に指摘されてはじめて気づく場合が多いです。

前頭部から|U字(Ⅳa型~Ⅶ型)

額の両端が後退するのではなく、額全体が後退していくパターンです。

U型では同時にO型も併発することが多く、脱毛が前頭部から頭頂部まで広範囲にわたるため早期の治療が必要です。

AGA分類ごとに対処法は異なる?

では、AGAの各タイプについての詳細がわかったところで、AGAのタイプごとの対処法について説明します。

①〜③までのタイプがありましたが、これらは同じAGAの症状であるため、治療薬に大きな違いはありません。

日本人や女性向けのAGA分類は?

【高島分類】日本で用いられているAGA分類は?

ハミルトン・ノーウッド分類は、欧米人の実際の症例をまとめて作られたもので、アジア人のAGAの進行パターンは異なります。

前頭部から脱毛することが多い欧米人に比べ、日本人に多いとされるのが頭頂部から薄毛が進行するパターンです。

つむじ周辺の薄毛進行が目立ち、それに伴って生え際も少しずつ後退していくという特徴があります。

そのため、日本では日本人や女性向けに修正した「高島分類」のⅡvertexをハミルトン・ノーウッド分類に加えたものが使用されています。

【クリスマスツリー脱毛】女性特有のAGA分類

女性のAGAでは、脱毛の進み方が男性と異なります。

額が後退していくケースはほとんど無く、

  • 髪の分け目が薄くなる
  • 頭頂部が丸く脱毛する

という2パターンが多いです。

なぜ女性だけに、このような脱毛パターンが見られるのかは不明です。

斜め上から見たときにクリスマスツリーのように見えることから「クリスマスツリー型脱毛」と呼ばれます。

AGAの早期発見において分類パターンを知ることは有益

ハミルトン・ノーウッド分類は、AGAの進行状態を確認できる指標です。

AGAは進行型の脱毛であり、放置している限り、自然に改善することはありません。

また、見た目に明らかな変化が出るのは、薄毛がある程度進行してしまってからです。

頭頂部から始まるO型の場合は自分でチェックするのが難しいため発見が遅れやすく、診察を受けた段階ですでにある程度のところまで進行していることも多いです。

「薄毛の進行度合いと治療効果は必ずしも相関しない」

これが薄毛治療が難しいと言われる所以です。

ただ、早い段階で薄毛の治療を始める方が、症状を改善するための時間・コストを軽減できるのは間違いありません。

ハミルトン・ノーウッド分類パターンを理解し、

「頭頂部から始まるパターンもあるんだな」「薄毛はこうやってAGAが進行していくのか」

というように、頭に入れておくだけでも薄毛の前兆に気づきやすくなります。

AGAの疑いがある場合には、専門クリニックにて医師の診察を受けてみてはいかがでしょうか。

監修医師コメント

内田直宏

最初にハミルトンが男性型脱毛症の分類を紹介したのが、1941年と言われております。そこから、さまざまな国の名士たちが変更し、現在の形に落ち着いていますが、生え際、頭頂部、前頭部に分類されおりますが、最終的に進行する終点は同じという点です。

植毛手術を行う際にも将来的に進行しそうな部位などを見据えた上で適切に移植するのが重要になります。


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