植毛のダウンタイムの症状とは?期間や過ごし方を解説
・植毛にダウンタイムはあるの?
・植毛のダウンタイムの症状は?
・ダウンタイム中はどのように過ごせばいい?
・植毛後どのくらいで仕事に行けるの?
このような疑問を解決する記事を用意しました。
記事の内容は以下の通りです。
・植毛のダウンタイムの主な症状
・ダウンタイムの経過や期間
・ダウンタイム中にやってはいけない行為
・ダウンタイム中の過ごし方
植毛のダウンタイムについて知ることは、手術と仕事、プライベートのスケジュールを調整するうえで重要なので、ぜひ参考にしてください。
自毛植毛について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
植毛のダウンタイムとは
植毛に限らず、あらゆる手術を受けた後は痛みや腫れを伴います。手術を受けてから、通常の生活を送れるようになるまでの期間が「ダウンタイム」です。
ダウンタイムの長さは植毛の手法によって異なります。
自毛植毛は大きく分けて「FUE法」と「FUT法」の2種類があり、以下の通りです。
手法 | 特徴 | ダウンタイムの長さ |
---|---|---|
FUE法 | ・メスを使わずに1毛穴ずつを移植する方法 ・比較的痛みが弱い | 1~2日 |
FUT法 | ・頭皮を帯状に採取し、1株ずつ移植する方法 ・比較的痛みが強い | 1~2週間程度 |
両者は手術後のダウンタイムの長さや痛みの強さなどに差があります。自毛植毛をするときは、手術の特徴だけでなく、ダウンタイムの長さも考慮してスケジュールを立てましょう。
植毛のダウンタイムや副作用の症状
植毛後に起きるダウンタイム中に起こる副作用には、以下のようなものがあります。
一つずつ詳しく解説します。
痛み
手術後、麻酔が切れると傷口が痛みます。痛みのピークは手術の当日です。手術後は、鎮痛剤が処方されるので、痛みが強いときは我慢せず服用しましょう。
腫れ
腫れは植毛のダウンタイム中に起こりやすい症状です。人によっては、植毛部分だけでなく目の周りまで腫れることがあります。ほとんどの場合、3日ほどで症状が落ち着くので経過をみましょう。
出血
手術後3日ほどは、植毛部分の傷口から血が出ることがあります。いつまでも血が止まらない場合は、クリニックに連絡して対処の仕方を相談しましょう。
抜け毛
移植後に定着しなかったドナー株のほとんどは24時間以内に脱落します。植毛後に抜けやすい傾向の毛の特徴は、FUT法で帯状に採取した頭皮に生えている細い髪の毛です。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版では、自毛植毛の定着率は 82.5%以上と提示されています。植毛が成功しても、一定数は定着しない髪の毛があることを理解しておきましょう。
かさぶた
出血が止まり、1〜2週間経つと徐々にかさぶたが作られます。
かさぶたが気になるからといって無理やり剥がすと、再び出血することがあるので注意が必要です。傷口から感染症を起こすこともあるので、かさぶたが自然に剥がれるのを待ちましょう。
赤み
出血が止まりかさぶたが取れたあと、数週間〜数ヶ月にわたり植毛部分に赤みが出ることがあります。赤みが気になる人は、ウィッグを着用したり帽子を被ったりして、植毛部分が目立たないように工夫しましょう。
かゆみ
傷口が塞がるとかゆみを生じることがあります。かゆいからといって植毛部分をかいてしまうと、傷の治りが遅くなる可能性があるので要注意です。植毛が定着するまでは、できるだけ傷に触らないように心がけてください。
植毛のダウンタイム期間と経過
植毛のダウンタイム期間の経過を時系列で解説します。植毛後のスケジュールを立てる際の参考にしてください。
手術当日|痛みのピーク
手術当日は、痛みを1番強く感じるため、鎮痛剤を飲みながら過ごします。麻酔の関係で吐き気が起きることもあるでしょう。手術当日、シャンプーはできません。
2日後~1週間後|ダウンタイム期間
定着できなかった髪の毛の抜け毛が気になる時期です。手術後2〜3日は、患部から出血する可能性があります。
また、かさぶたや赤みが出るのもこの時期です。術式や体質によってダウンタイムの長さに差があります。
1ヶ月後|通常通りの生活が可能
手術から1ヶ月以上経つと、普段通りの生活を送っても問題ありません。植毛部分の赤みが赤黒くなることがあります。
この頃になると、美容院でパーマやカラーの施術が可能です。
3ヶ月後|ショックロス
2~3ヶ月目は「ショックロス」と呼ばれる一時的な脱毛が起きることがあります。急に髪の毛が抜けるためびっくりするかもしれませんが、抜け毛は数ヶ月で落ち着くことがほとんどです。
また、移植した部分の髪の毛はコシが弱く、くせ毛になることがあります。
ショックロスについて詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
6ヶ月目以降|徐々に発毛が定着
6ヶ月~12ヶ月経つと、植毛部分の髪の毛がほとんど生え揃います。この時期になれば、手術前と同じように髪の毛を扱っても問題ありません。
植毛前にチャレンジできなかった髪型を楽しめるようになるでしょう。
植毛のダウンタイム中に避けるべき行為
植毛後の定着率を上げるために、ダウンタイム中避けたほうがいい行為は以下の通りです。
一つずつ詳しく解説します。
頭皮への刺激
植毛後の頭皮は手術のダメージが残っている状態です。頭皮に強い刺激を与える行為は避けるようにしてください。手術翌日からシャンプーが可能ですが、1〜2週間は通常より優しく丁寧に行いましょう。
シャンプーが終わったら優しくタオルドライし、ドライヤーは冷風を使いましょう。優しい風で、じっくり髪の毛を乾かすのがポイントです。頭皮を引っ張ったり揉んだりするマッサージはしないほうがいいでしょう。
飲酒や喫煙
植毛後のダウンタイムは、定着率が決まる重要な時期です。しばらくの間、血行に影響のある飲酒や喫煙は避ける方が好ましいでしょう。
とくに喫煙は血管収縮を促し、傷の治りに影響する可能性があります。完全に禁煙するのが難しければ、たばこの本数を減らすよう心がけましょう。
激しい運動
ウォーキングやジョギングなどの軽い運動は、植毛後4〜5日は避けましょう。汗をかくほどの激しい運動は、1〜2週間はしないでください。汗をかくと雑菌が繁殖し、傷口が化膿する可能性があります。
植毛のダウンタイムを快適に過ごす方法
植毛後のダウンタイムを快適に過ごす方法には、以下のようなものがあります。
それぞれ詳しく解説します。
睡眠時の体勢に気をつける
枕に植毛した部分を強く当ててしまうと、髪の毛の定着を悪くする可能性があります。仰向けに寝たり首元を高くしたりして、植毛部分と枕が密着しすぎないように気をつけてください。
ダウンタイムを考慮し、あらかじめ首用の枕や硬い枕を準備しておくといいでしょう。
頭皮ケアに力を入れる
ダウンタイム中は、普段以上に優しく丁寧にシャンプーすることが大切です。爽快感のあるシャンプーは避け、髪の毛や頭皮に負担の少ないアイテムを選びましょう。
シャンプー後のタオルドライに使うタオルは、清潔で柔らかい触り心地のものを使ってください。
食生活を見直す
髪の毛の成長は、自分が食べたものが大きく関係します。頭皮や髪の毛の主成分であるタンパク質、髪の毛の成長をサポートするビタミンやミネラルをバランスよく食生活に取り入れましょう。
脂質や糖質が多い食事は、髪の毛だけでなく体にも悪影響を及ぼすため、避けるようにしてください。
心配ごとは専門医に相談する
植毛後、以下のようなトラブルが起きた場合、手術を受けたクリニックに相談してください。
・腫れの引きが悪い
・いつまでも血が止まらない
・かさぶたを無理やり取ってしまった
何事も心配しすぎると、ストレスを感じ私生活に支障をきたす可能性があります。気になることがあれば、遠慮せず医師に意見を求めましょう。
植毛の手術後はどのくらい仕事を休めばいいですか?
通常は最低3日、力仕事や激しい運動を伴う業務の場合は1週間程度仕事を休みましょう。仕事でヘルメットを着用する場合は、締め付けがないサイズを選び、頭皮が蒸れないように心がけてください。
かつらはいつからかぶれますか?
植毛後は、以下を基準にかつらの使用をスタートさせましょう。
植毛部分に直接触れないヘアピース:3日後
植毛部分を直接覆う、金具が患部に触れるかつら:1週間以上後
植毛部分が赤くなるのを隠すためにかつらは非常に有効です。かつらをかぶりたい人は、手術後のスケジュールをしっかり組んで、頭皮への負担がかからない時期にかつらの使用を始めましょう。
植毛部分を帽子で隠してもいいですか?
植毛後1週間以上経てば、帽子の着用が可能になります。頭皮を締め付けないサイズを選び、長時間の着用は避けるようにしてください。また、帽子の中で頭皮が蒸れないように、汗の処理をこまめに行いましょう。
まとめ
この記事では「植毛のダウンタイム」について解説しました。
・植毛のダウンタイムは1日~2週間と手法や体質によって期間に幅がある
・ダウンタイム中の症状は「痛み」「腫れ」「出血」「かさぶた」などがある
・ダウンタイム中は頭皮への刺激となる運動、喫煙、飲酒を避ける
・植毛後は3日~1週間仕事を休んだほうがいい
植毛のダウンタイムの過ごし方をきちんと理解し適切に過ごすことで、定着がよくなる可能性があります。
植毛後はできるだけ安静に過ごし、不安があれば遠慮なく医師に相談しましょう。