なおるん毛髪情報局
植毛後のパーマ・縮毛矯正はいつから?髪が抜ける原因とくせ毛の対処
監修:内田直宏(アルモ形成クリニック院長・形成外科医)
結論:自毛植毛で生着した毛は、ご自身の後頭部などから移した髪なので、パーマや縮毛矯正をかけることもできます。ただし、術後しばらくは移植部・採取部の傷が回復していく途中で、薬剤や熱、ロッドで引っ張る力が頭皮の負担になります。
当院では、パーマ・縮毛矯正・カラーは術後1か月以降を目安とし、検診などで頭皮の回復を担当医が確認してから再開時期を判断しています(実際にかけられるかは、毛の長さや傷みも踏まえて美容師と相談します)。
また、移植毛の抜け替わりは術後1か月前後、ショックロスは術後数週間〜3か月ごろにみられ、パーマを再開する時期と重なることがあるため、この時期の抜け毛がすべてパーマのせいとは限りません。
一方で、かぶれ・やけど・強い赤みなどがある場合はパーマの影響も考えられるため、自己判断せず担当医に相談してください。
植毛後にパーマはかけられる?種類による違い
以下は、頭皮が回復し、担当医が再開できると判断した場合についての院長の回答です。
院長のコメントのとおり、1か月が目安。傷の治り方には個人差があるため、頭皮が回復し、担当医が再開できると判断したうえで再開します。また、パーマの種類だけで頭皮への負担が決まるわけではなく、薬剤・熱・引っ張る力の程度や、髪の状態も考慮します。
この記事では、植毛後のパーマ・縮毛矯正の時期の目安、術後に髪が抜けたときにパーマが原因かどうかの考え方、頭皮への負担を減らすかけ方、移植した毛のくせについて解説します。
植毛後のパーマ・縮毛矯正・カラーはいつから?時期の目安
術後の経過と、美容院での施術の目安をまとめると次のとおりです。時期は当院の術後ケアの目安で、手術方法(刈り上げる方法・刈り上げない方法)、移植した範囲やグラフト数、もともとの頭皮の状態によって前後します。
| 術後の時期 | 頭皮・毛の状態(目安) | 美容院での施術 |
|---|---|---|
| 〜2週間ごろ | 移植部にかさぶたがあり、採取部の傷も回復の途中 | パーマ・縮毛矯正・カラーは控える |
| 2週間〜1か月ごろ | かさぶたが取れ、赤みが少しずつ薄くなっていく | パーマ・縮毛矯正・カラーはまだ控える。カットの時期は担当医に確認 |
| 1か月以降 | 多くの場合、傷は落ち着いてくるが、赤みが残る方もいる | 担当医が頭皮の回復を確認したうえで、パーマ・縮毛矯正・カラーの再開を検討する(施術できるかは毛の長さや傷みも踏まえて美容師と相談) |
| 1〜3か月ごろ | 移植毛の抜け替わり(術後1か月前後に多い)や、周囲の既存毛の一時的な脱毛(ショックロス・術後数週間〜3か月ごろ)がみられ、時期が重なることがある | 再開している場合も、移植部をこすらない・強く引っ張らない |
| 3〜6か月ごろ以降 | 新しい毛が生え始め、伸びていく(個人差あり) | 生えたばかりの毛にくせが出ることがある(出ない方もいる)。気になる場合は担当医に相談 |
術後の経過の全体像は植毛のダウンタイムはいつまで続く?、洗髪の再開時期は植毛後のシャンプーはいつから?で解説しています。他院で植毛を受けた方は、手術を受けた医療機関の指示を優先してください。
なぜ術後1か月は空けるのか
一般的なパーマ剤の1剤には、毛髪のシスチン結合に作用する還元剤や、毛髪を膨潤させて薬剤を浸透しやすくするアルカリ剤が含まれ、2剤には形を固定する酸化剤が含まれます(日本パーマネントウェーブ液工業組合:パーマのメカニズム)。縮毛矯正では、これに加えてヘアアイロンの熱を使います。術後間もない頭皮には、次のような負担がかかります。
- 薬剤が傷やかさぶたの残る頭皮に付くと、刺激やかぶれ(接触皮膚炎)が起こりやすくなる
- ロッドで巻く・アイロンで引っ張るなど、移植部に力がかかる
- シャンプー台での洗い流しやタオルドライで、移植部をこすりやすい
- アイロンやドライヤーの熱が、回復途中の頭皮に近づく
なお、移植部を強くこすったりぶつけたりして移植したグラフトが抜けてしまうこと(グラフトの脱落)には、とくに術後早期に注意が必要です。グラフトが固定された後も、回復途中の頭皮には炎症や薬剤による刺激への配慮が必要なため、当院では術後1か月以降を目安に、担当医が再開できるかを判断しています。
植毛後に髪が抜けたのはパーマが原因?考えられる原因と相談の目安
植毛後、パーマをかけた前後に抜け毛が増えると「パーマのせいでは?」と心配になる方は少なくありません。しかし植毛後には、パーマをかけていなくても次のような抜け毛が起こることがあり、種類によって起こりやすい時期が異なります。とくに術後1〜3か月ごろは、移植毛の抜け替わりやショックロスの時期と重なることがあります。
| 抜け毛の種類 | 内容 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 移植毛の抜け替わり | 生着した毛包から、毛の部分だけがいったん抜ける。毛包は残り、その後新しい毛が生えてくる | 術後1か月前後に多い |
| ショックロス | 移植部や採取部の周囲にある既存毛が一時的に抜ける。多くは数か月かけて回復するが、回復しない場合もある | 術後数週間〜3か月ごろ |
| グラフトの脱落 | 移植部を強くこすったりぶつけたりして、毛包ごと抜けてしまう | 術後の早い時期 |
術後1か月を過ぎてパーマを再開した時期と、抜け替わりやショックロスの時期は重なりやすいため、抜け毛がすべてパーマのせいとは限りません。ショックロスの原因や経過は植毛後のショックロスとは?、目立つ時期の隠し方は植毛後のショックロス期間の隠し方で詳しく解説しています。
一方で、パーマや縮毛矯正そのものが原因で起こるトラブルもあります。薬剤や熱で傷んだ髪は、途中で切れる「切れ毛」が増えることがあります。また、薬剤によるかぶれ、アイロンによるやけどは頭皮の炎症につながります。
抜け毛の原因を見た目だけで判断するのは難しいため、次のような場合は自己判断で様子を見ず、手術を受けた医療機関に相談してください。とくに水ぶくれ・ただれ・膿・強くなっていく痛みがある場合は、早めに受診してください。
- パーマ・縮毛矯正のあとに、頭皮の赤み・かゆみ・ヒリヒリ感・腫れが出た、または強くなっている
- 頭皮にやけどのような水ぶくれや、ただれがある
- 移植部の赤み・腫れ・痛みが日ごとに強くなる、膿が出る
- 移植部・採取部とその周囲以外の場所で、急に抜け毛が増えた
- 抜け毛が増え続けている、または抜けた部分の回復の経過が気になる(術後6か月を待たずに、検診や電話で相談してかまいません)
頭皮への負担を減らすパーマ・縮毛矯正の受け方
時期の目安を過ぎていても、植毛後しばらくは頭皮への負担をできるだけ減らすことが大切です。美容院では、次の点を意識してください。
- 予約やカウンセリングの際に、自毛植毛を受けたこと・手術の時期・移植した場所を美容師に伝える
- 薬剤をできるだけ頭皮に付けない塗り方ができるか相談する
- 移植部はロッドで強く引っ張らない、アイロンを頭皮に近づけすぎないよう依頼する
- パーマ(縮毛矯正)とカラーを同じ日に行わず、使う製品の注意事項に従って間隔を空ける(医薬部外品のパーマ剤と染毛剤は、使用上の注意に従い、少なくとも1週間の間隔を空ける。術後は頭皮の状態によって、さらに延期する場合があります)
- 過去にヘアカラー(酸化染毛剤)でかぶれたことがある方は、別の製品を含めて酸化染毛剤を使わず、皮膚科に相談する
- 酸化染毛剤でかぶれたことがある方は、再使用できるかを確かめるための自己テストも行わない
- パーマ液などでかぶれたことがある方も、再び使う前に皮膚科に相談し、美容師にもかぶれたことを伝える
- かぶれた経験がない方も、酸化染毛剤を使う際は、使用説明書に従い毎回48時間前からパッチテストを行う。システアミンまたはその塩類を含むパーマ製品も、毎回パッチテストが必要とされているため、使う製品を美容師に確認し、製品の指示に従う
- 施術中にしみる・熱い・痛いと感じたら、我慢せずにすぐ伝える
パーマ剤と染毛剤(いずれも医薬部外品)を続けて使う場合の間隔は、使用上の注意事項に1週間と記載されています(日本パーマネントウェーブ液工業組合:よくあるご質問 Q6)。また、ヘアカラー(酸化染毛剤)でかぶれたことがある方は、別の色やメーカーの製品でも使えないとされています(日本ヘアカラー工業会:ヘアカラーのよくある質問)。システアミンまたはその塩類を含むパーマ製品は、使う前に毎回パッチテストが必要とされています(日本パーマネントウェーブ液工業組合:システアミン配合パーマ製品のパッチテスト)。
日本皮膚科学会も、抜け毛の原因をつくらないために、髪に負担のかかる髪型や極端に頻回のカラーリングはなるべく避けるよう呼びかけています(日本皮膚科学会:皮膚科Q&A Q18)。パーマ・カラーによる髪の傷みと対策については、日本毛髪科学協会の解説(日本毛髪科学協会:毛髪の損傷とヘアケア)も参考になります。植毛とは関係なく、パーマと薄毛の関係が気になる方は「パーマではげる」は嘘?をご覧ください。
移植した髪にパーマはかかる?くせ・髪質が周囲と違う場合
自毛植毛で移植する毛は、主に後頭部や側頭部から採取します。移植した毛は、基本的に採取した部位の毛の性質(太さ・くせ・色など)を引き継ぐと考えられているため、前頭部や頭頂部にもともと生えていた毛と、太さやくせが少し違って見えることがあります。
一方で、術後に生え始めたばかりの毛は、太さやくせなどが術前と違って見えることがあります。変化の程度や経過には個人差があり、くせが出ない方もいます。移植部と周囲の毛で髪質が違うと、同じ薬剤・同じロッドでも、かかり方に差が出ることがあります。パーマをかける際は、移植部とそれ以外の部分で薬剤やロッドの太さを変えるなど、仕上がりをそろえる工夫ができるか美容師に相談するとよいでしょう。
植毛後のくせ毛の原因と、パーマ以外の対策は自毛植毛でくせ毛になるのはなぜ?知っておきたい6つの対策とはで解説しています。
2回目の植毛を予定している場合の注意点
一度の手術で移植できるグラフト数には限りがあるため、薄毛の範囲が広い場合などは、時期を空けて2回目の手術を検討する方もいます。2回目の手術を予定している場合、手術前後のパーマ・縮毛矯正・カラーの時期や、手術当日の髪の長さは、手術方法によって扱いが異なります。とくにアルモUn-SHAVEN法(刈り上げない自毛植毛)のように既存の髪を残して移植する方法では、事前の準備が必要なことがあるため、美容院の予約を入れる前に担当医に確認してください。
自毛植毛の費用とリスク
※自毛植毛は保険適用外の自由診療です。費用は基本料金205,000円(税込)+グラフト数に応じた料金(アルモHi-STANDARD法(刈り上げる自毛植毛)1グラフト1,078円、アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない自毛植毛)1グラフト1,870円・いずれも税込)です。別途、植毛手術前の血液検査11,000円(税込)がかかり、感染症がある方は感染症対策料198,000円(税込)が別途かかります。費用の一例として、1,000グラフトを移植する場合、血液検査を含めてアルモHi-STANDARD法 1,294,000円/アルモUn-SHAVEN法 2,086,000円(税込)です(感染症対策料が必要な場合は別途。必要なグラフト数は薄毛の範囲とデザインによって診察で判断するため、費用には個人差があります。2026年10月時点。最新は料金ページをご確認ください)。
手術は通常1回・日帰りで、発毛や密度の改善を評価する時期は術後6〜12か月が目安です(経過によっては、さらに観察を続けます)。主なリスク・副作用:術後の痛み・腫れ・内出血、かさぶた、一時的な抜け毛(ショックロス)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、傷跡、移植毛のくせ・髪質の変化、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりには個人差があります。植毛は、AGAの進行そのものを止める治療ではありません。
よくある質問
Q.縮毛矯正で毛根が死ぬことはありますか?
縮毛矯正は、薬剤と熱で主に頭皮の外に出ている髪(毛幹)に作用する処理で、通常の施術で毛根が直接傷むことは多くありません。ただし、薬剤や熱で傷んだ毛幹は自然に元の状態へ戻るわけではありません。また、薬剤によるかぶれや、ヘアアイロンが頭皮に触れてやけどをするなど、頭皮を強く傷めた場合は、その部分の毛包にも影響し、毛が生えにくくなるおそれがあります。髪を強く引っ張る状態が長く続くと、牽引性脱毛症の原因になることもあります。術後の移植部には、薬剤を付けない・アイロンを近づけすぎないよう美容師に伝えてください。
Q.自毛植毛でくせ毛になると聞いたのですが本当ですか?
(アルモ形成クリニック院長)
自毛植毛術後には4ヶ月程度で生え始め、生えたばかりの毛髪はクセが強い傾向にあります。
生え始める時期やくせの出方には個人差があり、くせが出ない方もいます。時間の経過とともにくせが目立ちにくくなる場合がありますが、程度や経過には個人差があり、くせが残ることもあります。
Q.自毛植毛後のくせ毛が気になります。縮毛矯正以外の対処方法はありますか?
(アルモ形成クリニック院長)
術後1年半から2年程度経過すると徐々にクセが取れてくる傾向にありますので、時間経過を待つのがよいでしょう。
院長コメントの時期は目安です。採取部にもともとあるくせなどは残る場合があり、気になる場合は1年半〜2年を待たずに担当医へご相談ください。待つ間は、カットやスタイリングで目立ちにくくする方法もあります。具体的な方法は自毛植毛でくせ毛になるのはなぜ?をご覧ください。
Q.植毛後のヘアカラー(白髪染め)はいつからできますか?
カラー剤も頭皮への刺激になるため、当院ではパーマと同じく術後1か月以降を目安とし、頭皮の状態を確認してから再開していただいています。過去にヘアカラー(酸化染毛剤)でかぶれたことがある方は、別の製品を含めて酸化染毛剤を使わず、皮膚科に相談してください。パーマとカラーの両方を希望する場合は、同じ日に行わず、使う製品の注意事項に従って間隔を空けてください(医薬部外品のパーマ剤と染毛剤は、使用上の注意に従い、少なくとも1週間の間隔を空けます)。
Q.植毛後に美容院でカットできるのはいつからですか?
カットの再開時期は、移植部・採取部の状態や、はさみ・バリカン・ブラッシングなどの施術内容によって異なるため、担当医が判断します。薬剤を使わないカットでも、術後早い時期は移植部をこすったり強く引っ張ったりしないよう、植毛を受けたことを美容師に伝えてください。
監修医師コメント
植毛術後にパーマを希望される患者様が多くいらっしゃいますが、パーマは毛髪の分子結合の分離後、再結合といった作用機序で主に毛髪のコルテックス(毛皮質)に負荷をかける処置になります。
術後すぐには移植部に負荷をかけることになるので、少なくとも術後最低1ヶ月してからの利用が良いでしょう。
※上記は当院の時期の目安です。1か月を過ぎた後も、頭皮の回復状態を担当医が確認して再開を判断します。
まとめ
- 生着した移植毛はご自身の髪なので、パーマ・縮毛矯正をかけることもできる
- 当院では、パーマ・縮毛矯正・カラーは術後1か月以降を目安とし、担当医が頭皮の回復を確認してから再開時期を判断している
- 移植毛の抜け替わりは術後1か月前後、ショックロスは術後数週間〜3か月ごろにみられ、この時期の抜け毛がすべてパーマのせいとは限らない(薬剤や熱による切れ毛・かぶれ・やけどもある)
- かぶれ・やけど・強い赤み、急激な抜け毛の増加や経過が気になる場合は、自己判断せず担当医に相談する
- 美容院では植毛を受けたことを伝え、薬剤を頭皮に付けない・強く引っ張らない・カラーと同日に行わないなど負担を減らす。酸化染毛剤でかぶれたことがある方は使わない
術後の髪や頭皮のことで気になる点があれば、検診や無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。
(アルモ形成クリニック院長)
術後1ヶ月経過していれば、大丈夫です。デジタルパーマ・縮毛矯正など、パーマの種類に制限はありません。