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なおるん毛髪情報局

なおるん毛髪情報局 薄毛コラム

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

フィナステリドとうつ・無気力|副作用の確率と中止・相談の目安

フィナステリド(先発品の名前はプロペシア)は、男性のAGA(男性型脱毛症)の治療に使われる内服薬です。服用を考えるとき、「フィナステリドでうつになることはあるのか」「やる気が出ないのは薬のせいなのか」「副作用はどのくらいの確率で起こるのか」「やめたら元に戻るのか」と不安に思う方も多いでしょう。

この記事では、うつ・無気力などの気分の変化と相談の目安を中心に、添付文書と国の審査資料に書かれている副作用全体の頻度のデータと、その数値では分からないことを解説します。

監修:内田直宏(アルモ形成クリニック院長・形成外科医)

先に結論|フィナステリドのうつ・副作用でよくある疑問の早見表

詳しい説明は各節にありますが、よくある疑問への答えを先にまとめます。いずれも本記事の内容の要約で、診断や治療の判断に代わるものではありません。

疑問答えの要点詳しく
フィナステリドでうつになる?添付文書には、抑うつ症状が頻度不明の副作用として記載されています。頻度不明という記載だけでは、起こりやすさは判断できません。下の表の6.5%などは副作用全体の割合で、うつ・無気力の発症確率ではありませんうつ・無気力
やる気が出ない・無気力は薬のせい?薬が原因かどうかは自分では判断できません。薬以外の原因もありますが、気分の変化に気づいたら服用を中止して処方を受けた医療機関に相談してくださいうつ・無気力
死にたい気持ちが出てきたら?添付文書には、因果関係は明らかではないものの、自殺念慮(死にたいと考える)・自殺企図などの報告が記載されています。すぐに服用を中止して処方を受けた医療機関に連絡してください。自分を傷つけそうなど身の安全を保てない場合は、連絡を待たずに119番をしてくださいうつ・無気力
ほかにどんな副作用がある?主なものは性欲減退(リビドー減退)・勃起機能不全などの性機能に関する副作用です。重大な副作用として肝機能障害(頻度不明)、その他に乳房の痛み・はれ、発疹などが添付文書に記載されています。性機能の副作用は、市販後に服用をやめた後も続いたという報告があります副作用の一覧
副作用の確率はどのくらい?国内臨床試験(48週間)で1mg群6.5%・0.2mg群1.5%・プラセボ群2.2%、発売後の使用成績調査で0.5%です。条件が違うため直接比較はできず、一人ひとりの確率を示すものでもありません副作用の確率
やめたらうつ・無気力は治る?中止後の経過や改善までの期間は一律には示せません。気分の変化があれば、服用を中止し、改善を待たずに医療機関に相談してくださいQ7
海外製のフィンペシアでも同じ?フィナステリドを含む製品では、抑うつ症状など成分に関連する副作用が起こり得ます。製品間で頻度が同じとは判断できません。個人輸入品では品質や流通の確かさを確認できない場合があり、偽造品・粗悪品のリスクもあります。個人輸入された医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です個人輸入

フィナステリドでうつになる?抑うつ症状・無気力など気分の変化

抑うつ症状と、診断名としてのうつ病は同じではありません。無気力だけで原因や病名を判断することもできません。添付文書の「その他の副作用」には、頻度不明として「抑うつ症状」が記載されています。さらに「重要な基本的注意」として、因果関係は明らかではないものの、自殺念慮・自殺企図・自殺既遂が報告されているとされ、自殺念慮や自殺企図があらわれた場合には服用を中止し、速やかに医師等に連絡するよう指導することとされています。うつ病やうつ状態、またはその既往歴がある方、自殺念慮・自殺企図の既往歴がある方は、服用にあたって注意が必要な患者とされています(フィナステリド錠 添付文書)。

抑うつ症状がどのくらいの頻度で起こるかは、この記事で紹介する国内の試験・調査の数値からは分かりません。なお、承認前の長期投与試験から継続した製造販売後臨床試験(251例)では、重篤な有害事象として自殺既遂が1例報告されており、その症例については治験薬との因果関係が否定されています(プロペシア錠 再審査報告書(PMDA))。また、欧州医薬品庁(EMA)は2025年、欧州での評価にもとづいて自殺念慮をフィナステリド錠の副作用として確認し、薄毛の治療でフィナステリド1mgを服用している人に気分の変化(気分の落ち込み・うつ・自殺念慮)があらわれた場合は、服用を中止して医師に相談するよう勧めています。EMAは、自殺念慮の頻度は利用可能なデータからは推定できない(頻度不明)としています。「頻度不明」は「まれ」という意味ではありません(EMA)。

服用中に次のような変化に気づいたら、服用を中止して、処方を受けた医療機関に相談してください。「続くかどうか様子を見る」必要はありません。

  • 気分が落ち込む、何をしても楽しめない
  • やる気が出ない(無気力)、集中できない
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 不安やいらいらが強い
  • 死にたい気持ちが出てくる

死にたい気持ちが出てきた場合は、すぐに服用を中止して処方を受けた医療機関に連絡してください。自分を傷つけそう、すでに傷つけてしまった、身の安全を保てないといった場合は、医療機関への連絡を待たずに119番をしてください。できれば身近な人に助けを求め、一人にならないようにしてください。

やる気が出ない、無気力といった状態には、仕事や生活のストレス、睡眠不足、体の病気など薬以外の原因もあります。そのため、フィナステリドが原因かどうかは、自分では判断できません。原因がはっきりしなくても、上の変化に気づいたら服用を中止して相談してください。うつ病などで治療中の方や、過去に治療を受けたことがある方は、AGA治療を始める前に医師に伝えてください。

フィナステリドとは

フィナステリドは、男性ホルモンのテストステロンが、より作用の強いジヒドロテストステロン(DHT)に変わるときに働く酵素(5α-還元酵素Ⅱ型)を抑える薬です。添付文書での効能・効果は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」で、男性のAGAのみが対象です。女性や、AGA以外の脱毛症には使いません(フィナステリド錠 添付文書)。

用法・用量は、通常フィナステリドとして0.2mgを1日1回服用し、必要に応じて増やす場合も1日1mgが上限です。効果が確認できるまで通常6か月の連日服用が必要で、効果を保つには継続して服用します。なお、量を増やしても効果が強まることは確認されていません。日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性のAGAに対するフィナステリドの内服は推奨度A(行うよう強く勧める)とされています(ガイドライン2017年版)。

フィナステリドの副作用が起こる確率(国内のデータ)

副作用の頻度を示すデータには、承認前の臨床試験と、発売後に一般の診療の中で集めた調査があります。それぞれの結果は次のとおりです。

データ対象・期間副作用の割合
国内臨床試験(プラセボと比べた二重盲検比較試験)24〜50歳の男性のAGA患者・48週間1mg群 6.5%(9/139例)、0.2mg群 1.5%(2/137例)、プラセボ群 2.2%(3/138例)。性機能に関する副作用は1mg群 2.9%(4/139例)、0.2mg群 1.5%(2/137例)、プラセボ群 2.2%(3/138例)。フィナステリド群(0.2mg・1mgの合計)の主な症状はリビドー減退1.1%(3/276例)、勃起機能不全0.7%(2/276例)
国内長期投与試験上の試験から移行した374例に1mgを48週間(通算96週間)後半の長期投与試験48週間の期間中の発現割合は1.1%(4/374例)。このうち、前半から通算96週間1mgを服用した124例でも、後半48週間の発現割合は1.6%(2/124例)(96週間全体の累積の割合ではありません)
使用成績調査(発売後)2006年11月〜2009年7月・国内238施設・943例0.5%(5/943例)。内訳はリビドー減退0.2%(2例)、肝機能異常・肝障害・勃起不全が各0.1%(各1例)

出典:臨床試験はフィナステリド錠 添付文書、使用成績調査はプロペシア錠 再審査報告書(PMDA)。副作用の割合には臨床検査値の異常を含みます。

読み方の注意として、次の点があります。

  • 臨床試験では、有効成分を含まないプラセボを飲んだ人でも副作用(性機能に関するものを含む)が報告されています。症状のすべてが薬によるとは限りません。
  • 使用成績調査は、通常の診療の中で医師が報告した副作用を集めたもので、試験とは対象や確認の方法が違います。数値が低いからといって、副作用を心配しなくてよいという意味ではありません。
  • 再審査期間中に厚生労働省またはPMDAに報告された副作用には、使用成績調査からの報告と、医療機関などからの自発報告が含まれます(計185例242件)。そのうち、添付文書から予測できる重篤な副作用は58例67件で、主なものは肝機能異常19件、肝障害7件、勃起不全6件でした。これらは報告件数であり、服用した人全体に対する発現割合は算出できません。
  • 長期投与試験は、前の試験から継続できた人を対象としています。この結果だけで、長く飲むほど副作用が少なくなるとは判断できません。
  • 0.2mgと1mgでは、臨床試験での副作用の割合に差がありました。飲む量は医師が決めるもので、自己判断で増やしたり減らしたりしないでください。

添付文書に記載されているフィナステリドの副作用

フィナステリド錠の添付文書には、次の副作用が記載されています(フィナステリド錠 添付文書)。

分類症状
重大な副作用肝機能障害(頻度不明)
生殖器リビドー減退(性欲減退)、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、睾丸痛、血精液症、男性不妊症・精液の質低下(精子濃度減少、無精子症、精子運動性低下、精子形態異常等)
肝臓AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇
過敏症かゆみ(そう痒症)、じんましん、発疹、血管浮腫(唇・舌・のど・顔のはれを含む)
その他乳房圧痛、乳房肥大、抑うつ症状、めまい

抑うつ症状については、上の「フィナステリドでうつになる?」で解説しています。

添付文書では、リビドー減退・勃起機能不全・射精障害について「市販後において、投与中止後も持続したとの報告がある」、精液の質の低下については「投与中止後に正常化又は改善されたとの報告がある」と注記されています。

性機能に関する副作用(性欲減退・ED・射精障害など)

フィナステリドの副作用として、臨床試験でも使用成績調査でも主にみられたのが、性欲減退(リビドー減退)や勃起機能不全(ED)などの性機能に関する症状です。フィナステリドはDHTを減らす薬のため、性機能への影響が副作用として起こることがあります。

妊活中の方は、精液の質の低下が報告されていることも踏まえて、服用を始める前や服用中に医師に相談してください。妊活とAGA治療の考え方は「妊活中のAGA治療」で解説しています。

肝機能障害

フィナステリドは主に肝臓で代謝され、重大な副作用として肝機能障害(頻度不明)が記載されています。肝機能障害のある方を対象とした臨床試験は行われていないため、肝臓の病気や、健康診断で肝臓の数値を指摘されたことがある方は、服用前に医師に伝えてください(フィナステリド錠 添付文書)。肝臓の数値(AST・ALT・γ-GTP)の見方やお酒との関係は、次の記事で詳しく解説しています。

乳房の症状・発疹など、その他の副作用

乳房圧痛・乳房肥大(胸の痛みやはれ)、かゆみ・発疹・じんましん、めまいなども添付文書に記載されています。唇・舌・のど・顔がはれる(血管浮腫)場合は、すぐに医療機関を受診してください。また、添付文書の「その他の注意」には、市販後にフィナステリドを服用した人で男性乳がんが報告されている(長期服用との因果関係は不明)と記載されています。胸にしこりや痛み、乳頭からの分泌などの変化があれば医師に相談してください。

服用中に注意したい変化(PSA検査・初期脱毛・PFS)

前立腺がん検診(PSA検査)への影響

フィナステリドを服用すると、前立腺がんの検査に使う血液中のPSAの値が下がります。国内の男性のAGA患者では約40%低下したとされ、添付文書では、服用中の方のPSAを前立腺がん診断の目的で測る場合は2倍した値を目安に評価することとされています(フィナステリド錠 添付文書)。健康診断や人間ドックでPSA検査を受けるときは、フィナステリドを飲んでいることを必ず伝えてください。

服用初期の抜け毛(いわゆる初期脱毛)

服用を始めてしばらくの間に、抜け毛が増えたと感じる方がいます。一般に「初期脱毛」と呼ばれますが、フィナステリドの添付文書の副作用の一覧には記載がなく、起こる頻度や仕組みについて分かっていることは限られています。抜け毛が増えたことだけで、効果が出ている・出ていないと判断することはできません。抜け毛が続く、範囲が広がるなど気になるときは、自己判断で服用を中止・継続せず、医師に相談してください。

ポストフィナステリド症候群(PFS)

ポストフィナステリド症候群(PFS)は、フィナステリドの服用をやめた後も、性機能の低下や気分の落ち込みなどの症状が続くとされる状態を指す言葉です。添付文書でも、リビドー減退・勃起機能不全・射精障害について、服用中止後も持続したとの報告があると注記されています。一方で、どのくらいの頻度で起こるのか、なぜ起こるのかなど、分かっていないことが多くあります。服用をやめても症状が続く場合は、処方を受けた医師に相談してください。PFSについては、次の記事でも解説しています。

フィナステリドを服用できない人・注意が必要な人

服用できない人・対象にならない人

  • フィナステリドの成分で過敏症(アレルギー)を起こしたことがある方(禁忌)
  • 妊娠中・妊娠している可能性がある女性、授乳中の女性(禁忌)
  • 女性(女性に対する適応はありません)
  • 小児(適応がありません)。20歳未満での安全性と有効性は確立されていません

妊娠中の女性が服用すると、薬の作用(DHTを下げる作用)によって男の子の胎児の生殖器などの正常な発育に影響を及ぼすおそれがあります。錠剤はコーティングされているため、割れたり砕けたりしない限り、通常の取り扱いで有効成分に触れることはありませんが、錠剤を割ったり砕いたりしないでください。砕けたり壊れたりした錠剤を、妊娠中・妊娠の可能性がある女性や授乳中の女性が扱わないようにしてください。

服用前に医師に伝えてほしいこと

  • 肝臓の病気、健康診断で肝臓の数値を指摘されたこと
  • うつ病・うつ状態、またはその既往歴、自殺念慮・自殺企図の既往歴
  • ほかに飲んでいる薬やサプリメント(お薬手帳があれば持参してください)
  • 薬でアレルギーを起こしたことがあるかどうか
  • 妊活中であること、前立腺がん検診(PSA検査)を受けていること

高齢の方では一般に体の機能が低下しているため注意が必要とされており、高齢者での有効性は確立されていません(添付文書)。

副作用かもしれないと感じたときの対処法

まず処方を受けた医師に相談する

体調の変化に気づいたら、処方を受けた医療機関に相談してください。いつから、どのような症状が、どのくらいの強さで出ているか、ほかに飲み始めた薬がないかを伝えると、医師が判断しやすくなります。医師は症状と経過をみて、服用の継続・中止や、ほかの治療への変更を検討します。

すぐに服用を中止して連絡すべき症状

  • 死にたい気持ちが出てくる(自殺念慮)、気分の落ち込み・うつ症状
  • 唇・舌・のど・顔のはれ、全身のじんましん、息苦しさ
  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、強いだるさ・食欲不振・吐き気が続く

強い息苦しさや、のど・顔の急なはれがあるとき、自分を傷つけそうなど身の安全を保てないときは、処方元への連絡を待たずに119番をしてください。

服用をやめると効果は続かない

フィナステリドは、効果を保つために継続して服用する薬です(フィナステリド錠 添付文書)。ガイドラインでも、服用を中止すると効果は失われるとされています(ガイドライン2017年版)。副作用がつらいときに服用をやめることはできますが、やめた後の薄毛の進行も含めて、続けるか、量を変えるか、ほかの治療に切り替えるかは医師と相談して決めましょう。量を自己判断で増やしたり減らしたりしないでください。ただし、気分の落ち込み・無気力などの変化がある場合は、服用を中止し、改善や医師からの返答を待たず、速やかに医療機関へ相談してください。身の安全を保てない場合は119番をしてください。

個人輸入のフィナステリドは避ける

インターネットなどで海外から個人輸入した医薬品には、有効成分が入っていない、量が違う、不純物が含まれているといった偽造品・粗悪品の可能性があります(厚生労働省)。また、個人輸入した医薬品で健康被害が起きた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外になります。フィナステリドは医師の処方が必要な薬です。国内の医療機関で診察を受け、国内で承認された薬を処方してもらいましょう。

副作用が心配な方へ:ほかの治療の位置づけと注意点

フィナステリドの副作用が心配な場合、ほかの治療が検討されることもあります。日本皮膚科学会のガイドラインでの推奨度(ガイドライン2017年版)とあわせて紹介します。推奨度は、有効性・安全性の根拠などを踏まえて、治療をどの程度勧めるかを示すもので、副作用の少なさの順位ではありません。下の表はガイドライン上の位置づけを整理したもので、当院の提供メニュー一覧ではありません。なお、ミノキシジルの内服(D:行うべきではない)とPRPなどの成長因子の注入・細胞移植療法(C2:行わないほうがよい)は、ガイドラインでは推奨されていない治療です。どの治療が合うかは、薄毛の原因や範囲、体質、持病などによって違うため、医師と相談して決めてください。

治療ガイドラインの推奨度(男性のAGA)主な注意点
ミノキシジルの外用(塗り薬)A(行うよう強く勧める)国内では一般用医薬品として承認されている塗り薬。かゆみ・かぶれ・発疹など頭皮の症状のほか、動悸・めまいなどがあらわれることがある
デュタステリドの内服Aフィナステリドと同じ仕組み(5α-還元酵素を抑える)の薬で、性機能に関する副作用や肝機能障害なども添付文書に記載されている(下のQ&A参照)
自毛植毛B(行うよう勧める)※薬物療法で十分な効果が得られない場合など手術のため、痛み・腫れ・傷跡などのリスクがある。植毛した部分以外の既存の毛のAGAの進行は止まらない

自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部の毛を、薄くなった部分に移す手術です。内服薬のような継続服用は必要ありませんが、移植毛の生着や仕上がりには個人差があり、周囲の既存の毛のAGAには薬物療法を続けることを検討する場合があります。AGA治療薬と自毛植毛の違いは「AGA治療薬と自毛植毛はどっち?」、自毛植毛の仕組みは「自毛植毛とは」で解説しています。

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当院での対応と費用(自由診療)

アルモ形成クリニック(東京・秋葉原)は自毛植毛を中心とした医療機関で、薄毛がAGAかどうかの診断、国内で承認された内服薬(フィナステリド・デュタステリド)による治療、自毛植毛を行っています。初診料(対面・オンライン)は無料ですが、AGAのみの診察の場合には別途5,500円(税込)がかかります。AGA治療・自毛植毛はいずれも保険適用外の自由診療です。費用(税込・2026年11月時点)は次のとおりで、最新は料金ページをご確認ください。

治療費用(税込)期間・回数の目安主なリスク・副作用
フィナステリド「サワイ」1mg(男性のAGA)28日分 5,800円1日1回。効果の確認には通常6か月の連日服用が必要で、6か月以上服用しても進行遅延がみられない場合は医師の判断で中止する。効果を保つには継続服用が必要性欲減退・勃起機能不全・射精障害、肝機能障害、抑うつ症状、乳房の症状、発疹など。自殺念慮・自殺企図の報告(因果関係は明らかではない)。女性には使用しない。20歳未満での安全性・有効性は確立していない
デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」(男性のAGA)30日分 7,800円1日1回。治療効果の評価には通常6か月の治療が必要で、継続中も定期的に効果と継続の必要性を確認する勃起不全・性欲減退などの性機能障害、肝機能障害・黄疸、乳房障害、抑うつ気分など。女性・小児・重度の肝機能障害がある方、本剤の成分やフィナステリドなどほかの5α還元酵素阻害薬で過敏症を起こしたことがある方には使用しない。20歳未満での安全性・有効性は確立していない

薬の効果には個人差があります。服用中は、症状や必要に応じて検査で体の状態を確認しながら治療を続けます。通院の間隔と費用の詳細は診察時にご案内します。AGA治療については「AGA治療」のページもご覧ください。

※自毛植毛は保険適用外の自由診療です。費用は基本料金205,000円(税込)+グラフト数に応じた料金(アルモHi-STANDARD法(刈り上げる自毛植毛)1グラフト1,078円、アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない自毛植毛)1グラフト1,870円・いずれも税込)です。別途、植毛手術前の血液検査11,000円(税込)がかかり、感染症がある方は感染症対策料198,000円(税込)が別途かかります。手術費用の例として、M字(800グラフト)の場合、血液検査を含めてアルモHi-STANDARD法 1,078,400円/アルモUn-SHAVEN法 1,712,000円(税込)です。必要なグラフト数は薄毛の範囲とデザインによって診察で判断するため、費用には個人差があります(2026年11月時点。最新は料金ページをご確認ください)。手術は通常1回・日帰りで、手術前の診察と術後の検診が別にあります。当院では、術後約3か月から発毛が始まり、約8か月で生えそろってくることを経過の目安として案内しており、仕上がりの確認は約1年が目安です(当院のよくあるご質問に記載している一般的な経過の目安。個人差があり、範囲や経過によって追加の施術や受診が必要になる場合があります)。主なリスク・副作用:術後の痛み・腫れ・内出血、かさぶた、術後の抜け毛(ショックロス。多くは一時的ですが、既存の毛が回復しない場合があります)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、傷跡、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりには個人差があります。

うつ・無気力と副作用の確率についてよくある質問

Q1. 性機能に関する副作用は、服用をやめたら改善しますか?

A. 添付文書では、精液の質の低下について服用中止後に正常化・改善したとの報告がある一方、性欲減退・勃起機能不全・射精障害については、市販後に服用中止後も続いたとの報告があるとされています。やめた後に症状がどうなるかは、人によって異なります。服用をやめても症状が続く場合や悪化する場合は、処方を受けた医師に相談してください。ただし、気分の落ち込み・無気力などの変化がある場合は、服用を中止し、改善や医師からの返答を待たず、速やかに医療機関へ相談してください。身の安全を保てない場合は119番をしてください。うつ・無気力についてはQ7をご覧ください。

Q2. 副作用は飲み始めてからどのくらいで出ますか?

A. 添付文書や国内の調査では、副作用が出る時期についての決まった目安は示されていません。飲み始めの時期に限らず、服用している間は体調の変化に気をつけ、気になる症状があれば医師に相談してください。

Q3. デュタステリドとフィナステリドでは、副作用の出やすさは違いますか?

A. デュタステリドもフィナステリドと同じく5α-還元酵素を抑える薬です。添付文書に記載された臨床試験の結果は次のとおりですが、試験の対象・期間・方法が違うため、この表に抜き出した別々の試験の数値を直接比べて「どちらが何倍多い」とは言えません。

薬試験副作用の割合主な副作用
フィナステリド国内臨床試験・48週間(0.2mg・1mg)1mg群 6.5%、0.2mg群 1.5%(プラセボ群 2.2%)リビドー減退1.1%、勃起機能不全0.7%(0.2mg・1mgの合計276例)
デュタステリド国際共同試験(日本人を含む)・24週間(0.02mg・0.1mg・0.5mg)17.1%(95/557例)勃起不全4.3%、リビドー減退3.9%、精液量減少1.3%
デュタステリド国内長期投与試験・52週間(0.5mg)16.7%(20/120例)勃起不全10.8%、リビドー減退8.3%、射精障害4.2%

出典:フィナステリド錠 添付文書、デュタステリドカプセル 添付文書。デュタステリドの国際共同試験の17.1%は0.02mg・0.1mg・0.5mgの3用量群の合計で、0.5mg単独の割合ではありません。デュタステリドは重度の肝機能障害のある方には使えず、女性や小児はカプセルから漏れた薬に触れないよう注意が必要です。どちらの薬が合うかは、医師と相談して決めてください。

Q4. 量を減らせば副作用は出にくくなりますか?

A. 国内の臨床試験では、0.2mg群のほうが1mg群より副作用の割合が低い結果でした。ただし、この試験の数値だけで、量を減らすと副作用全体や個々の症状のリスクが下がるとは判断できません。飲む量は診察で医師が決めるもので、症状が出た後の対応も、中止を含めて医師が判断します。ただし、気分の落ち込み・うつ症状や死にたい気持ちなど、上の「すぐに服用を中止して連絡すべき症状」がある場合は、医師の判断を待たずに服用を中止して、速やかに連絡してください。自己判断で量を変えないでください。なお、添付文書では、量を増やしても効果が強まることは確認されていないとされています。

Q5. 副作用が心配で治療を始めるか迷っています。

A. 副作用の頻度や症状、出たときの対応を知ったうえで、治療をするかどうかを決めることが大切です。診察では、薄毛の原因がAGAかどうかを確かめたうえで、薬の効果と副作用、ほかの治療の選択肢を説明します。疑問や不安は遠慮なく医師に伝えてください。

Q6. 妊活中ですが、フィナステリドを飲んでもいいですか?

A. 添付文書には、精液量の減少や精液の質の低下(精子濃度の減少など)が副作用として記載されています。妊活中の方は、服用を始める前に医師に相談してください。また、妊娠中・妊娠の可能性がある女性や授乳中の女性は、砕けたり壊れたりした錠剤を扱わないでください。

Q7. やめたら、うつや無気力は治りますか?

A. 服用をやめるだけで改善するか、改善までどのくらいかかるかは、一律には示せません。気分の落ち込みや無気力などの変化があれば、服用を中止し、改善を待たずに医療機関へ相談してください。中止後も症状が続く場合や悪化する場合は、再度相談してください。死にたい気持ちが出てきた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。自分を傷つけそうなど身の安全を保てない場合は、連絡を待たずに119番をしてください。

Q8. フィンペシアなど海外製のフィナステリドでも、うつなどの副作用はありますか?

A. フィナステリドを含む製品では、抑うつ症状など成分に関連する副作用が起こり得ます。ただし、製品間で発症の頻度が同じとは判断できません。さらに個人輸入品には、有効成分が入っていない、量が違う、不純物が含まれているといった可能性があり、健康被害が起きても医薬品副作用被害救済制度の対象外です。すでに服用していて気分の変化などがある場合は、服用を中止して医療機関に相談し、服用していた製品を伝えてください。

まとめ

  • フィナステリドの副作用の割合は、国内臨床試験(48週間)で1mg群6.5%・0.2mg群1.5%(プラセボ群2.2%)、発売後の使用成績調査で0.5%と報告されている。条件が違うため直接比較はできず、一人ひとりの発症確率を示すものではない
  • 主な副作用は性欲減退・勃起機能不全などの性機能に関する症状。重大な副作用として肝機能障害、その他の副作用として抑うつ症状・乳房の症状・発疹などが記載されている
  • 因果関係は明らかではないが、自殺念慮・自殺企図などの報告がある。気分の落ち込みやうつ症状に気づいたら服用を中止して相談し、死にたい気持ちが出てきたらすぐに連絡する。身の安全を保てない場合は119番
  • 性機能の副作用は、服用中止後も続いたという報告がある。気になる症状は自己判断せず処方医に相談する
  • 女性・小児は対象外、20歳未満は安全性・有効性が確立していない。肝臓の病気やうつ病の既往がある方は服用前に医師に伝える
  • 個人輸入は偽造品の可能性があり、医薬品副作用被害救済制度の対象外になる
  • AGA治療・自毛植毛は保険適用外の自由診療。効果には個人差があり、副作用・リスクがある

薄毛の原因や治療方法について相談したい方は、無料カウンセリングをご利用ください(AGAのみの診察の場合には別途5,500円・税込がかかります)。公式LINEでもご相談を受け付けています。よくあるご質問も参考になります。

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参考文献

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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