なおるん毛髪情報局
40代男性の自毛植毛|年齢に合った生え際・既存毛への配慮と持病・服薬の確認点
【この記事の結論】
40代男性が自毛植毛を検討するときは、年齢そのものよりも、薄毛の進み方・既存の毛の状態・ドナー(採取元の毛)・持病や服薬の4点を確認することが大切です。
過去の写真や治療歴から薄毛の経過を確認できることが多く、それを計画の参考にできる一方で、移植する部分に細くなった既存の毛が残っていることや、白髪・持病・服薬など、確認しておきたい事項も増えてきます。
生え際を「若い頃の位置」に戻すことにこだわらず、顔立ちと年齢に合った位置と密度を選ぶこと、既存の毛への影響をできるだけ抑えるよう移植の位置と密度を検討すること、手術前に体の状態を正確に伝えることが、40代の植毛で検討しておきたいポイントです。
※この記事は、主にAGA(男性型脱毛症)と診断された40代男性の自毛植毛を対象としています。女性の薄毛やAGA以外の脱毛症では、治療方針が異なります。30代の方の計画の立て方は「30代の植毛」、20代の方の判断のポイントは「20代で植毛を受けるべきか?」で解説しています。この記事では、40代で植毛を検討するときに確認したい「年齢に合ったデザイン」「既存の毛との両立」「白髪・持病・服薬の確認」に絞って解説します。自毛植毛の全体像は自毛植毛のページで紹介しています。
40代の植毛で確認したいこと
植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部の毛を、薄くなった部分へ移す手術です。移した毛は採取元の性質を保つため、生着すれば長く残ることが期待できます(長期的な状態には個人差があります)。一方で、移植した部分の周りにある既存の毛は、その後もAGAの影響を受ける可能性があり、植毛は周囲の進行そのものを止めるものではありません。AGAは年齢を重ねても進むことがある、進行性の脱毛症です。
毛髪外科の教科書『Hair Transplantation』第6版では、20代〜30代の患者は将来の脱毛範囲が予測しにくいのに対し、年齢が上がるほど脱毛の進み方を見通しやすくなり、計画を立てやすくなる面があると説明されています。
40代では、過去の写真や治療歴からこれまでの経過を確認できる場合があり、計画の参考になります。ただし、40代でも今後の脱毛範囲や進行の速さを正確に予測することはできないため、将来の変化を見込んだ計画が必要な点は変わりません。
| 確認すること | 40代で見ておきたいポイント |
|---|---|
| 進行の傾向 | ここ数年で薄くなった範囲と速さ、薬物治療を受けている場合はその効果と期間 |
| 既存の毛 | 移植する部分に残っている毛の量と、細くなった毛(軟毛化した毛)の範囲 |
| ドナー | 後頭部・側頭部の毛の密度・太さ・白髪の割合と、将来も含めて採取できる量 |
| 体の状態 | 持病、服用中の薬、健康診断の結果、喫煙の有無 |
| 生活 | 仕事の休み方、人前に出る予定、採取部を刈り上げられるかどうか |
軟毛化の範囲は、見た目だけでなくマイクロスコープ(拡大鏡)で頭皮と毛の太さを確認すると判断しやすくなります。見方は「頭皮のマイクロスコープ診断で何が分かる?」で解説しています。
年齢に合った生え際のデザイン
生え際やM字部分への植毛を検討するときに大切なのは、「どこまで下げるか」よりも「顔立ちと年齢に合っているか」という視点です。
生え際は「下げすぎない」
生え際の位置は、「眉から何cm」といった数字だけでは決めにくいものです。当院では、額の筋肉の動き、こめかみの位置、毛の生え方、額の骨格などを見ながら、その方に合う位置を一緒に決めています。
若い頃の生え際の位置まで下げると、年齢とのバランスが合わずに不自然に見えることがあり、将来周りの毛が薄くなったときに、移植した部分だけが目立つ原因にもなります。位置の決め方は「生え際はどこまで下げられる?」で詳しく解説しています。
M字を残すか、丸めるか
M字の切れ込みをどの程度残すか、生え際にどの程度の丸みを持たせるかで、顔の印象は変わります。当院では、M字をある程度残すと落ち着いた印象に、丸みを持たせると若々しい印象になりやすいと考えていますが、どちらが正解ということはなく、顔立ち、元の生え際、髪型、ご本人の希望、ドナーの量を踏まえて決めます。
生え際の形の選び方は「生え際を丸くしたい男性へ」で解説しています。
密度は「生え際の質感」と「全体の範囲」のバランスで考える
グラフト(株)は毛包を含む移植組織の単位で、1株に含まれる毛の本数は一定ではなく、一般に1〜4本程度です(1,500グラフトは1,500本という意味ではありません)。生え際の最前列には毛が1本の細く柔らかい株を置き、その後ろに毛が2本の株、奥に2〜3本の株を置くように、少しずつ濃くしていくのが自然に見せるための基本です。
40代では、生え際だけでなく前頭部や頭頂部の薄毛も気になり始める方がいます。限られたドナーで広い範囲を治療する場合は、すべてを高い密度にするのではなく、優先する部分を決めて配分します。教科書では、移植部に既存の毛が残っている場合、移植の密度を抑えても見た目の密度感は得られることがあり、密度を抑えると同じ株数でより広い範囲を治療できるという考え方も紹介されています。
ただし、どの程度の密度で満足できるかには個人差があり、既存の毛がその後減れば密度感も下がります。
自然な生え際の作り方は「自毛植毛のグラデーションデザインとは?」で解説しています。
生え際と頭頂部、どちらを優先するか
40代では、生え際やM字だけでなく、頭頂部(つむじ周り)の薄毛が気になり始める方も少なくありません。ドナーの量には限りがあるため、両方が気になる場合は「どちらを優先するか」「どう配分するか」を手術前に決めておくことが大切です。
当院では、顔の印象に大きく関わる生え際・前頭部を優先して計画することが多くあります。生え際は正面から見たときの印象を左右し、ご本人も鏡で毎日目にする部分だからです。一方、頭頂部は自分では見えにくいものの、上や後ろから見られたときに気になるという方もいるため、どちらを優先するかはご本人の悩みの強さによっても変わります。
頭頂部への植毛を検討するときは、次の点を理解しておく必要があります。
- 広い範囲に多くの株が必要になりやすい:頭頂部は毛が渦を巻いて生えているため、自然に見せるには毛の向きを細かく合わせる必要があり、範囲も広がりやすい部位です。
- 周りの薄毛が進みやすい:頭頂部はAGAの影響で薄毛の範囲が外側へ広がっていくことがあり、移植した部分の周りが薄くなると、移植部が島のように見える場合があります。
- 薬物治療の効果を先に確認する:頭頂部は薬物治療で改善が見られる方もいるため、当院では、まず薬物治療の効果を確認してから、植毛の範囲を判断することがあります。
両方を限られたドナーで配分する考え方
生え際と頭頂部の両方に移植する場合は、すべてを高い密度で仕上げようとせず、次のように配分を考えます。
| 考え方 | 内容 |
|---|---|
| 生え際・前頭部を優先する | 顔の印象を整えることを優先し、頭頂部は薬物治療で様子を見る。将来のためにドナーを残しやすい |
| 両方に配分する | 生え際は自然に見える密度を確保し、頭頂部は既存の毛を生かしながら密度を抑えて広く移植する |
| 手術を分ける | 1回目で生え際・前頭部、術後の経過や薄毛の進行を見てから、2回目で頭頂部を検討する |
どの方法でも、将来の薄毛の進行に備えてドナーを使い切らないことが前提です。頭頂部に多くの株を使うと、将来生え際側の薄毛が進んだときに対応できるドナーが残らない場合があります。当院では、現在の薄毛の範囲だけでなく、今後の進行や追加手術の可能性も含めて配分をご提案しています。頭頂部の薄毛の特徴は「つむじはげ・頭頂部の薄毛」で解説しています。
既存の毛がある部分への植毛|適応の判断と脱落のリスク
移植を予定している部分に細くなった既存の毛が残っている場合、その既存の毛の扱いが仕上がりを左右する大きなポイントになります。
院長が注意しているのは、細くなった部分を「まだ生えているから」と計画に含めず、その手前だけに移植するケースです。その場合、細くなった既存の毛が数年のうちにさらに減ると、移植した部分だけが孤立して見える(いわゆる「離れ小島」)おそれがあり、移植した生え際とその後方・周辺との密度差が目立つこともあります。手前だけに移植するか、細くなった部分にも移植するかは、既存の毛の密度、薬物治療への反応、ドナーの量によって判断が分かれるため、後方の毛が減ったときの見え方まで含めて検討します。
細くなった部分にも移植する場合、当院では、既存の毛への影響をできるだけ抑えるよう移植の位置・角度・密度を検討したうえで、既存の毛の間に移植する「既存毛間植毛」を行っています。既存の毛の間に移植するのは、毛のない部分に植えるより技術的に難しい手術です。既存の毛の毛包を直接傷つけると、その毛が失われる場合があります。
また、直接の損傷を避けても、手術の影響による一時的な脱毛(ショックロス)が起こることがあり、軟毛化が進んだ毛などでは十分に回復しない場合もあります。こうした配慮をしても、既存の毛の脱落・減少や、将来の進行による孤立を完全に防げるわけではありません。
既存毛間植毛の考え方は「既存毛間植毛とは?」、ショックロスは「植毛後のショックロスとは?」で解説しています。
40代でも確認したい白髪・ドナーの変化・持病と服薬
白髪交じりでも植毛はできる
40代では、後頭部に白髪が混じり始める方もいます。植毛では毛の色も含めてそのまま移るため、白髪が混じったドナーから採取すると、移植した部分にも白髪が混じります。白髪があること自体で植毛ができなくなるわけではありませんが、白髪の割合によって見え方や、手術前後の白髪染めの時期の考え方が変わります。
詳しくは「白髪でも植毛できる?」をご覧ください。
ドナーにも年齢による変化がある
後頭部・側頭部の毛はAGAの影響を受けにくいものの、年齢とともに毛全体が少しずつ細くなることがあります。教科書でも、加齢による毛の細りは「老人性脱毛」として説明されていますが、まだ十分に解明されておらず、診断名としての位置づけには議論があるとされています。
当院では、ドナーの密度・1株あたりの本数・毛の太さを確認し、将来の毛量の変化や追加手術の可能性も考慮して、ドナーを使い切らないよう採取量を検討しています。ドナーの考え方は「自毛植毛は一生で何グラフト採れる?」、毛が細い場合の考え方は「髪が細い人でも植毛でボリュームは出せる?」で解説しています。
持病・服用中の薬は事前に伝える
40代になると、高血圧や糖尿病などの持病がある方、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)を飲んでいる方も増えます。教科書でも、手術前の問診で持病・服用中の薬・アレルギー・これまでの手術歴などを確認することが、手術を安全に行うための重要な手順とされています。血液をサラサラにする薬は出血や血腫に関わるため、自己判断でやめず、処方している主治医と相談したうえで休薬の要否を決めます。
喫煙や血糖のコントロールが不十分な状態は、頭皮の血流に影響する可能性があります。当院では手術前に血液検査を行い、問診の内容とあわせて手術の可否を判断しています。フィナステリド・デュタステリドは、前立腺がんなどの検査に用いるPSA値を低下させるため、PSA検査を受ける際は、検査を担当する医師に服用中であることを伝えてください。
薬の扱いは「血液をサラサラにする薬を飲んでいても植毛できる?」で解説しています。
薬物治療との併用と、手術方法・時期の選び方
植毛は薄くなった部分に毛を移す方法で、薬物治療はAGAの進行を抑えたり、発毛を促したりする治療です。国内で承認され、男性のAGA治療で主に用いられる薬には、内服のフィナステリド・デュタステリド、外用のミノキシジルがあります。当院では、これまでの薬物治療の有無と効果を確認し、必要に応じて薬物治療を先に行ってから、手術の適否や範囲を判断します。また、移植した部分の周りの進行を抑えるため、適応があり継続できる方には、植毛とあわせて内服薬(フィナステリドかデュタステリド)の併用を勧めています。
副作用や禁忌、ご本人の希望によっては、内服をしない場合も含めて手術の適否と移植範囲を検討します。内服の効果には個人差があり、将来の進行を完全に止めることはできません。主な副作用には、性欲低下、勃起機能不全、肝機能障害などがあり、効果を保つには継続が必要で、その費用もかかります。
なお、ミノキシジルの内服は国内では承認されておらず、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも推奨されていません。植毛と薬の比べ方は「AGA治療薬と自毛植毛はどっち?」、当院のAGA治療はAGA治療のページで紹介しています。
| 確認すること | 考え方 |
|---|---|
| 採取部を刈り上げるかどうか | 当院の植毛はいずれも、専用の器具で後頭部・側頭部から毛包を含む組織を株ごとに採取し、薄毛の部分へ移植するFUEという方法で、採取部の刈り上げの有無などにより名称を分けています。刈り上げるアルモHi-STANDARD法は1グラフトあたりの料金を抑えやすく、刈り上げないアルモUn-SHAVEN法は採取部の見た目の変化を抑えやすい方法です。教科書でも、仕事や立場上、一時的でも髪型を大きく変えたくない方は、刈り上げない方法の対象になりうるとされています。移植部には赤みやかさぶたが生じるため、周囲に気づかれないことを保証するものではありません |
| 休みの取り方 | 腫れ・かさぶた・赤みなどの経過と、仕事の内容(人前に出る、会議や出張が多いなど)で考えます |
| 結果が分かる時期 | 当院では、術後3ヶ月ごろから生え始め、仕上がりの評価は術後1年を目安とご案内しています |
| 手術回数 | 初回の手術を1回で計画することが多いものの、移植範囲や希望する密度、術後の状態、将来の進行によっては、複数回の手術を検討する場合があります |
症状ごとの期間と仕事復帰の目安は「植毛のダウンタイムはいつまで続く?」で解説しています。
必要なグラフト数と費用の目安(当院・税込・自由診療)
自毛植毛は保険適用外の自由診療です。手術料金は「基本料金+1グラフトの料金×グラフト数」で計算します(2026年10月時点)。
| 項目 | アルモHi-STANDARD法(刈り上げる) | アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない) |
|---|---|---|
| 基本料金 | 205,000円 | 205,000円 |
| 1グラフト | 1,078円 | 1,870円 |
部位別のグラフト数の目安
必要なグラフト数は、薄毛の範囲、希望する密度、既存の毛がどの程度残っているか、ドナーの量によって変わります。下の表は、診察前に大まかな見当をつけるための目安です。
| 移植する部位 | グラフト数の目安 | 40代で多い相談の例 |
|---|---|---|
| 生え際のみ | 500〜1,000 | 生え際の後退が気になる、生え際の輪郭を整えたい |
| 生え際+M字 | 1,000〜1,500 | M字の切れ込みが深くなってきた |
| 頭頂部(つむじ周り) | 1,000〜2,000 | 上や後ろから見たときの地肌の透けが気になる |
| 生え際〜前頭部+頭頂部 | 2,500〜3,000以上 | 前からも上からも薄毛が気になる |
40代では、移植する部分に既存の毛が残っていることが多く、その毛を生かして密度を調整すると、必要なグラフト数が目安より少なくなる場合があります。反対に、既存の毛が少ない場合や高い密度を希望する場合は、目安より多くなります。また、範囲が広い場合は、ドナーの量や体への負担を考えて、手術を2回に分けることがあります。生え際と頭頂部の配分の考え方は「生え際と頭頂部、どちらを優先するか」の項目をご覧ください。
グラフト数ごとの費用の目安
| グラフト数 | アルモHi-STANDARD法(刈り上げる) | アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない) |
|---|---|---|
| 500グラフト | 744,000円 | 1,140,000円 |
| 1,000グラフト | 1,283,000円 | 2,075,000円 |
| 1,500グラフト | 1,822,000円 | 3,010,000円 |
| 2,000グラフト | 2,361,000円 | 3,945,000円 |
| 3,000グラフト | 3,439,000円 | 5,815,000円 |
※上の金額は、基本料金と1グラフトの料金から計算した手術料金です。このほか、手術前の血液検査(11,000円)がかかります。例として、生え際+M字(広め・1,500グラフト)の場合、血液検査を含めた合計はアルモHi-STANDARD法で1,833,000円、アルモUn-SHAVEN法で3,021,000円です。
感染症がある方は、感染症対策料198,000円が別途かかります。基本料金には鎮静麻酔・局所麻酔・点滴・内服・術後処方が含まれますが、術後も続けるAGA治療薬の費用は別です。実際に必要なグラフト数と費用は、診察で薄毛の範囲・既存の毛・ドナーを確認したうえでご案内します。最新の料金は植毛メニュー(料金表)でご確認ください。
リスク・デメリット
自毛植毛の主なリスク・副作用には、腫れ、痛み、出血、かゆみ、かさぶた、赤み、採取部の傷跡、毛のう炎、感覚の違和感(しびれなど)、ショックロス、くせ毛、移植毛の一部が生着しないこと、希望する密度に届かないこと、採取部の毛量が減って透けて見えること、麻酔薬へのアレルギー、生着や仕上がりの個人差などがあります。既存の毛が残っている部分に移植する場合は特に、既存の毛の脱落やショックロス、移植した部分の周りの既存毛がその後も薄くなる可能性、将来の追加手術が必要になる場合があること、持病や服薬の状態によっては手術の時期を調整したり、手術を見送ったりする場合があることを理解しておく必要があります。デメリットの全体像は「自毛植毛デメリット6選」で解説しています。
40代の植毛のよくある質問
Q. 40代からの植毛は遅いですか?
年齢だけで遅い・早いが決まるものではありません。40代は進行の傾向が見えてきていることが多く、計画の材料が増える面もあります。ドナーの状態、薄毛の範囲、体の状態を診察で確認して判断します。
Q. 持病があっても植毛できますか?
持病の種類や状態、服用中の薬によって判断が変わります。高血圧や糖尿病、血液をサラサラにする薬などは、手術前の診察でお伝えください。必要に応じて主治医と相談したうえで、手術の可否や時期を検討します。
Q. 生え際は若い頃の位置まで戻せますか?
状態によっては下げられますが、希望する位置まで下げられない場合や、下げることを勧めない場合があります。若い頃の位置まで下げると、年齢とのバランスが合わずに不自然に見えたり、将来周りが薄くなったときに移植部分が目立ったりすることがあります。当院では、顔立ちと年齢に合った位置と、将来のためのドナーの残し方を合わせて提案しています。実際の症例は症例紹介のページで、そのほかの疑問はよくある質問のページでご覧いただけます。
Q. 40代だと何グラフトくらい必要ですか?
薄毛の範囲や既存の毛の量によって大きく変わります。目安として、生え際のみで500〜1,000グラフト、生え際+M字で1,000〜1,500グラフト程度ですが、既存の毛を生かせる場合は少なく、範囲が広い場合や高い密度を希望する場合は多くなります。実際のグラフト数は、診察で薄毛の範囲・既存の毛・ドナーを確認したうえでご提案します。部位別の目安と費用は「必要なグラフト数と費用の目安」の項目をご覧ください。
Q. 会社や周りに気づかれずに受けられますか?
周囲に気づかれにくくする工夫はできますが、気づかれないことを保証することはできません。採取部の見た目の変化を抑えたい方には、後頭部を刈り上げないアルモUn-SHAVEN法という選択肢があります。ただし、どの方法でも移植した部分には術後しばらく赤みやかさぶたが生じます。当院では、仕事の内容や人前に出る予定、取れる休みの日数をお聞きしたうえで、術式と手術日をご相談しています。連休に合わせて手術日を決める方もいます。症状ごとの期間と仕事復帰の目安は「植毛のダウンタイムはいつまで続く?」で解説しています。
Q. 植毛をしたら、AGAの薬はやめられますか?
移植した毛はAGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部の性質を保つため、薬をやめても生着した移植毛は残ることが期待できます。一方で、移植した部分の周りにある既存の毛はその後もAGAの影響を受けるため、薬をやめると周りの薄毛が進み、移植部との密度差が目立つ場合があります。そのため当院では、適応があり継続できる方には、植毛後も内服薬の併用を勧めています。副作用や体質、ご本人の希望によって内服をしない場合は、その前提で移植範囲を検討します。植毛と薬の考え方は「AGA治療薬と自毛植毛はどっち?」で解説しています。
Q. 50代以降に薄毛が進んだらどうなりますか?
生着した移植毛は長く残ることが期待できますが、周りの既存の毛が薄くなると、移植した部分だけが浮いて見える場合があります。こうした変化に対応できるよう、当院では40代の手術でも、生え際を下げすぎないこと、ドナーを使い切らずに残しておくことを重視しています。残したドナーを使って、将来薄くなった部分に追加の手術を検討できる場合があります。ただし、ドナーの量には限りがあり、加齢で毛が細くなることもあるため、すべての範囲に対応できるとは限りません。ドナーの考え方は「自毛植毛は一生で何グラフト採れる?」で解説しています。
まとめ
- 40代では過去の経過を計画の参考にできる場合がありますが、今後の進行を正確に予測することはできず、将来の変化を見込んだ計画が必要です。
- 生え際は若い頃の位置にこだわらず、顔立ちと年齢に合った位置と形を選びます。
- 細くなった既存の毛が残っている場合は、既存の毛への影響をできるだけ抑えるよう移植の位置と密度を検討します。それでも既存の毛の脱落やショックロスが起こる場合があります。
- 白髪、ドナーの加齢による変化、持病や服用中の薬は、40代でも手術前に確認しておきたいポイントです。
- 自毛植毛は自由診療で、リスク・副作用があり、仕上がりには個人差があります。
参考文献:Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(移植部のデザインの章:年齢が上がるほど脱毛の進み方を見通しやすいこと、既存の毛がある場合の移植密度と範囲の考え方/患者の選択と問診の章:持病・服用中の薬・手術歴などの確認/脱毛症の分類の章:加齢による毛の細りの位置づけ/刈り上げない採取方法の章:対象となる方)。料金・費用例は当院の植毛メニュー(料金表)(2026年10月時点・税込)によります。日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」。「当院では」「院長は」とある記述は、院長の臨床上の見解または当院の案内です。
執筆:編集部/監修:内田直宏医師