植毛のかさぶたは自分で剥がすもの?手術後の経過とケア方法


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植毛後にできるかさぶたは、傷口の炎症や細菌の感染を防ぐ役割を担っています。しかし、植毛の傷口にかさぶたができると、治るまで見た目が気になる人もいらっしゃるのではないでしょうか?

自毛植毛後は1週間ほどでかさぶたができますが、無理やり剥がしたり摩擦を加えたりしてしまうと植毛した部分の髪の毛が生えてこないかもしれません。

自毛植毛後の経過を知って傷を悪化させないためにも、かさぶたの経過やケアの方法を見ていきましょう。

目次

植毛でかさぶたができる理由

かさぶたとは、出血した血液や体液が固まってできたものです。傷口に蓋をして出血を抑えたり、細菌の感染を防いだりする役割を担っています。

自毛植毛ではメスやニードルを使い、頭皮に直接傷を付けながら毛を埋め込みます。このとき出血は避けられません。植毛でできた傷が治る過程でかさぶたができるのです。

かさぶたを無理に剥がすのは危険

植毛部分のかさぶたを無理に剥がすと毛根が傷つき、髪の毛が生えてこなくなる可能性があります。さらに剥がした部分に再び傷ができ、炎症を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

少しでもかさぶたを早くなくすためには「無理に剥がさない」「できるだけ触らない」ことが大切です。

植毛後のかさぶたが治るまでの経過

植毛の手術の後、かさぶたが治るまでの経過を以下の表にまとめました。

スクロールできます
時期かさぶたの状態
当日傷が塞がる前の状態かさぶたはまだできない
約3日後かさぶたができ始める
約1週間後完全にかさぶたになるかさぶたが剥がれる
約2週間後ほぼ完全にかさぶたが剥がれる

植毛後、3日程度でかさぶたができ始め、1週間~2週間程で剥がれ落ちます。放っておけばかさぶたは徐々に回復に向かうでしょう。2週間以上経ってもかさぶたが剥がれず不安な人は、手術を受けたクリニックに相談してみましょう。

植毛後のかさぶたのケア方法

植毛後のかさぶたのケア方法は、以下3つです。

それぞれ詳しく解説します。

手術当日~1週間後はできるだけ触らない

シャンプーは植毛手術の約3日後から可能です。ただし、植毛部分を強くこすってシャンプーすると、肌にダメージを与える原因になるので注意してください。植毛してから1週間ほどは、シャンプーの泡やお湯が極力頭皮につかないようにしましょう。霧吹きで濡らしながら、優しくシャンプーしてください。使用するシャンプーは、頭皮への刺激が少ないものを選ぶのがポイントです。

頭皮の摩擦による毛の脱落を防ぐためにも、日常生活はできるだけ安静にして過ごすことが大切です。

1週間後から徐々に頭皮マッサージをする

植毛から1週間程経つと、かさぶたが剥がれやすくなります。できるだけ早くかさぶたをなくすためには、シャンプーの際に頭皮マッサージを取り入れましょう。

まず、シャンプーをしっかり泡立てて、指の腹を使って頭皮を優しく洗ってください。さらに指の腹でかさぶたの周りをマッサージすると、かさぶたが剥がれやすくなります。

くれぐれも、かさぶたを直接指で引っ掻いたり強くこすったりしてはいけません。

日焼けには注意する

植毛直後の頭皮は非常にデリケートな状態です。弱った頭皮が紫外線を浴びると、色素沈着を起こしやすくなります。色素沈着による炎症が起きると、植毛の定着にも影響する可能性が高いので注意が必要です。

赤みやかさぶたがなくなるまでは、直射日光を避け、日焼けしないように心がけましょう。

植毛後のかさぶたの上手な隠し方

植毛後かさぶたができて外見に自信が持てない人は、植毛部分を隠しながら過ごすといいでしょう。かさぶたの上手な隠し方は、以下3つです。

かさぶたの上手な隠し方

それぞれ詳しく解説します。

髪の毛で隠す

植毛した部分に、もともとある髪の毛を被せてかさぶたを見えなくする方法です。とくに前髪の生え際に植毛をした人は、この方法が適しています。上手に隠すポイントは、手術前に植毛しない部分の前髪を伸ばしておくことです。

ただし、上述の通り頭皮に刺激を与える行為は禁物です。植毛部分が頭頂部の場合、被せる髪の毛をクシでとかすときに頭皮を傷つける可能性があるので避けてください。

帽子をかぶる

ワンサイズ大きめの帽子を被って、かさぶた部分を隠す方法も有効です。小さめの帽子だと頭皮がこすれたり頭皮に圧力がかかったりして、植毛の定着に影響する可能性があるので注意しましょう。

帽子を使う場合、植毛して1週間以上経ってから着用を始めてください。蒸れや摩擦に気をつけ、長時間の着用は避けましょう。

かつらをかぶる

植毛手術から1週間程経つと、植毛部分にかつらやウィッグを使用できます。かつらについている金具が植毛部分に触れないように注意しましょう。留め具が頭皮に当たらないかつらの選定や固定の仕方を変えるなどの対策が必要です。

かつらの形状や種類によって植毛後に使用できるかどうかが異なります。植毛手術を受ける前に、どのようなかつらを使う予定なのかを医師に相談するといいでしょう。

植毛部分のかさぶたが剥がれた後に毛が抜けるのは普通ですか?

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版によると、植毛の定着率は84.7%といわれています。植毛した髪の毛のうち、約15%は定着せずに抜けてしまうのです。

また植毛後は「ショックロス」と呼ばれる一時的な脱毛が起こることも考えられます。ショックロスとは、頭皮が正しい発毛サイクルに戻ろうとする過程に起こる脱毛です。

このようにかさぶたが剥がれた後でも、髪の毛が抜ける可能性は十分にあります。しかし明らかに抜け毛が多いと感じる場合は、植毛を受けたクリニックに相談してみましょう。

かさぶたをできるだけ早く取るにはどうすればいいですか?

植毛後のかさぶたを早く取るためには、1〜2週間は我慢して放っておくことが大切です。頭皮マッサージや保湿を心がけ、頭皮のターンオーバー(肌の生まれ変わりサイクル)を促すように心がけましょう。

植毛後、かさぶた以外に見た目の変化はありますか?

植毛後に起こるかさぶた以外の見た目の変化には、むくみや腫れなどがあげられます。両者は、麻酔や副作用の影響で起こる症状です。

これらの症状は植毛した人なら誰でも起きる可能性があり、完全に予防する方法はありません。植毛後の見た目の変化が気になる人は、手術後1週間以上は休暇を取得するようにしましょう。植毛後のむくみについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

まとめ

植毛した後3日程でかさぶたができ始め、1~2週間で剥がれ落ちます。傷口が完全に塞がっていない状態で、かさぶたを無理に剥がしてしまうと植毛部分の定着に影響する可能性があるので注意してください。

植毛でできたかさぶたは帽子を被ったり髪の毛で隠したりしながら、目立たないようにしましょう。

数週間経ってもかさぶたが取れないと感じたら、一度クリニックに相談してみてはいかがでしょうか?


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