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なおるん毛髪情報局

なおるん毛髪情報局 治療薬・栄養・サプリメント

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

デュタステリドで胸が張る・女性化乳房は起こる?添付文書の頻度と受診・対処の目安

デュタステリドと胸の張りを解説する記事のイメージ画像(診察室のデスクとカプセル)

【この記事の結論】
男性のAGA(男性型脱毛症)治療に使うデュタステリド(先発品は「ザガーロ」、後発品は「0.5mgZA」と表記される製剤)の添付文書には、副作用として「乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)」が「1%未満」に分類されて記載されています。この数字から一人ひとりに起こる確率を予測することはできませんが、胸の張りや痛み、乳首の下のしこりに気づいたら、自己判断で飲み続けたりやめたりせず、処方した医師に相談してください。

片側だけの硬いしこり、乳首からの分泌物(特に血が混じるもの)、皮膚のひきつれがある場合は、薬の副作用と決めつけずに早めに受診することが大切です。

※この記事は、デュタステリドを飲んでいて「胸が張る」「乳首が痛い」と感じた方に向けて、乳房の副作用の頻度・仕組み・受診の目安を整理します。フィナステリドの副作用全般については「フィナステリドの副作用の確率は?」で解説しています。

デュタステリドで起こりうる乳房の症状

デュタステリドは、男性ホルモンのテストステロンを、より強い作用をもつジヒドロテストステロン(DHT)に変える5α還元酵素のⅠ型とⅡ型を抑える薬で、男性のAGAの治療に使われます。

デュタステリドには、使う目的が異なる2種類の製剤があります。

  • 男性のAGA用: 先発品の「ザガーロ」と、その後発品(製品名に「ZA」がつくもの)
  • 前立腺肥大症用: 先発品の「アボルブ」と、その後発品(製品名に「AV」がつくもの)

成分は同じデュタステリドですが、対象となる病気や臨床試験の内容が違うため、添付文書の記載も別々です。この記事で紹介する頻度は、男性のAGA用(ザガーロ・ZA製剤)の添付文書によるものです。

この記事の頻度は、男性のAGA用(ZA製剤)の添付文書によるものです。AGA用の添付文書では、乳房に関する副作用として次のものが挙げられています。

  • 女性化乳房:男性の乳腺(乳房の組織)がふくらむ状態。乳首の周りに、弾力のある円盤状のふくらみを触れることがあります(触っただけで原因を確定することはできません)
  • 乳頭痛・乳房痛:乳首や胸の痛み、触れたときの痛み
  • 乳房不快感:胸の張り、違和感

同じ5α還元酵素阻害薬のフィナステリドの添付文書にも、「乳房圧痛」「乳房肥大」が頻度不明の副作用として記載されています。どちらの薬でも乳房の症状が報告されていますが、フィナステリドについては発生頻度を数字で示すことができません。

どれくらいの頻度で起こる?

薬(添付文書)乳房に関する副作用添付文書での頻度の区分
デュタステリド(ザガーロ・ZA製剤/男性のAGA)乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)1%未満
フィナステリド(プロペシアなど/男性のAGA)乳房圧痛、乳房肥大頻度不明

「1%未満」は、添付文書で副作用の頻度を示すときの区分の一つで、臨床試験などの一定の条件で得られた情報に基づいています。服用する人一人ひとりに起こる確率を予測できる数字ではなく、試験の期間や対象となった人の年齢などの条件によって、実際の頻度は変わる可能性があります。「頻度不明」は、市販後の報告などで起こることは分かっているものの、頻度を計算できるデータがないことを意味します。

デュタステリドとフィナステリドの違いや、5α還元酵素の型については「5αリダクターゼとは?」で解説しています。

なぜ胸が張るのか:ホルモンのバランスの変化

男性の体の中でも、男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモン(エストロゲン)の両方が作られています。乳腺は、エストロゲンの作用で発達し、アンドロゲンの作用で抑えられると考えられています。

5α還元酵素阻害薬を飲むと、テストステロンがDHTに変わりにくくなります。DHTが減ることで、乳腺に対する男性ホルモンの作用と女性ホルモンの作用の相対的なバランスが変わることが、乳房の症状の原因の一つと考えられています(女性ホルモンの量そのものが必ず増えるという意味ではありません)。

  • 確立していること:デュタステリドとフィナステリドの添付文書には、乳房の副作用が記載されています。また一般に、男性の女性化乳房は、ホルモンのバランスの変化や、さまざまな薬の影響で起こることが知られています。
  • 当院の見解:当院では、胸の張りや痛みが出た場合、症状の程度や続いている期間を確認したうえで、薬を続けるか、種類を変えるか、いったんやめるかを相談して決めることが大切だと考えています。AGAの治療は長く続けるものなので、気になる症状を我慢して飲み続ける必要はありません。
  • 根拠が限られること:症状が出やすい人の特徴や、薬の量・種類による起こりやすさの違いについては、十分なデータがありません。

なお、男性ホルモンを補う治療(テストステロン補充)とAGAの関係は「テストステロン注射で薄毛は進む?」で解説しています。

症状に気づいたときの対処と受診の目安

まずは処方した医師に相談する

胸の張り・痛み・しこりに気づいたら、処方した医師に伝えてください。いつから・どちら側か・大きさの変化・痛みの有無などを伝えると、判断の助けになります。自己判断で量を減らしたり、飲む間隔をあけたりするのは避けてください。決められた用法以外の飲み方では、効果や安全性が確かめられていません。

やめた後の経過

一般に、薬が原因の女性化乳房は、原因となった薬をやめた後に改善する場合があるとされています。ただし、必ず元に戻るとは限らず、ふくらんだ状態が長く続くと、乳腺の変化が十分に戻らないこともあるとされているため、早めに相談することが大切です。

また、デュタステリドは体から消えるまでに時間がかかる薬で、添付文書では、前立腺肥大症の患者さんが毎日飲み続けた状態での半減期は約3.4週間とされています。半減期は血液中の薬の濃度が半分になるまでの時間で、症状が半分になるまでの期間ではありません。やめても、すぐに症状が引くとは限りません。

薬をやめると、AGAの進行を抑える作用も失われていきます。やめるかどうか、別の薬に変えるかどうかは、症状と薄毛の状態の両方を考えて医師と決めます。やめた場合の髪への影響は「フィナステリドをやめたらどうなる?」で解説しています。

早めに受診したいサイン

次のような場合は、薬の副作用と決めつけずに、早めに医療機関(乳腺外科など)を受診してください。

  • 片側だけに、硬く、動きにくいしこりがある
  • しこりが急に大きくなっている
  • 乳首から分泌物が出る(特に血が混じる)
  • 乳首がへこむ、皮膚がひきつれる・赤くなる
  • わきの下にしこりを触れる

デュタステリド・フィナステリドの添付文書には、服用した男性で乳がんが報告されていることも記載されていますが、薬との関連性は明らかではないとされており、これらの薬が乳がんを引き起こすと証明されたわけではありません。いずれにしても、気になるしこりは自己判断せずに診察を受けることが大切です。

見た目の「胸のふくらみ」がすべて女性化乳房とは限らない

胸のふくらみには、乳腺そのものがふくらむ場合と、主に脂肪が増えてふくらむ場合(偽性女性化乳房とも呼ばれます)があります。体重の増加に伴うふくらみは、薬をやめても変わらないことがあります。どちらなのか、あるいは両方なのかは、診察で評価し、必要に応じて超音波検査やマンモグラフィなどで確認します。

ふくらみが長く残り、見た目が気になる場合には、手術で乳腺や脂肪を取り除く治療が検討されることもあります。治療の方法や適応は、乳腺の状態によって異なるため、専門の医師と相談してください。

植毛を考えている方へ

自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部などの毛を、薄くなった部分へ移す手術です。移植した毛は残りやすい一方で、もともと生えている毛(既存毛)のAGAの進行は手術では止められません。そのため当院では、植毛を受ける方にも、医師と相談したうえで内服治療を検討していただくことが大切だと考えています。

副作用で内服を続けにくい場合も、治療の選択肢を一緒に考えます。手術の方法は自毛植毛のページで、内服治療についてはAGA治療のページで紹介しています。薬と植毛の考え方は「AGA治療薬と自毛植毛はどっち?」でも触れています。

費用(当院の場合)

AGA治療薬・自毛植毛はいずれも保険適用外の自由診療です。当院の内服薬は、デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」(男性のAGA用の製剤。料金表での表記は「デュタステリドカプセル「トーワ」0.5mg」)が30日分7,800円、フィナステリド「サワイ」1mgが28日分5,800円(いずれも税込)です。処方の可否や薬の種類・量は、診察で医師が判断します。乳房の症状の検査や治療は、乳腺外科などの医療機関で行います。

自毛植毛の手術料金は「基本料金205,000円(税込)+1グラフトあたりの料金×グラフト数」で計算し、1グラフトあたりの料金は、後頭部を刈り上げるアルモHi-STANDARD法が1,078円、髪を刈り上げないアルモUn-SHAVEN法が1,870円(いずれも税込)です。総額の例:1,000グラフトを刈り上げる方法で行う場合、205,000円+1,078円×1,000=1,283,000円(税込)です。このほか手術前の血液検査11,000円(税込)がかかり、所定の感染症がある方は別途感染症対策料198,000円(税込)がかかります(対象となる感染症や適用条件は事前にご説明します)。血液検査を含めると、1,283,000円+11,000円=1,294,000円(税込)です。実際の費用は、グラフト数・術式・追加費用の有無によって異なります。詳しくは植毛メニュー(料金表)をご覧ください。

リスク・副作用

治療主なリスク・副作用
デュタステリド(内服)勃起不全・性欲減退・射精障害などの性機能障害(服用をやめた後も続いたという報告があります)、肝機能障害・黄疸、乳房障害(女性化乳房・乳頭痛・乳房痛・乳房不快感)、抑うつ気分、頭痛など。女性・小児・重い肝機能障害のある方などは服用できず、女性や子どもはカプセルから漏れた薬に触れないよう注意が必要です。PSA(前立腺の検査)の値に影響するため、検査時に服用中であることを伝えてください
フィナステリド(内服)性欲減退・勃起機能不全・射精障害などの性機能に関する症状、肝機能障害、抑うつ症状、乳房圧痛・乳房肥大、発疹など。女性には使用しません。PSAの値に影響するため、検査時に服用中であることを伝えてください
自毛植毛術後の痛み・腫れ・赤み、内出血、かさぶた、かゆみ、既存毛の一時的な脱毛(ショックロス。回復しない場合を含む)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、採取部の点状の傷跡や密度の低下、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりの自然さや密度の感じ方には個人差があります

肝臓への影響と血液検査については「フィナステリドと肝臓」で解説しています。

デュタステリドと乳房の症状に関するよくある質問

Q. 胸が少し張る程度なら、飲み続けても大丈夫ですか?

軽い症状でも、処方した医師に伝えてください。症状の程度や経過を見て、続けるか、薬を変えるか、いったんやめるかを相談します。様子を見る場合も、しこりが大きくなる、痛みが強くなるといった変化があれば、早めに受診してください。

Q. フィナステリドに変えれば、胸の症状は出ませんか?

フィナステリドでも乳房の症状は報告されているため、変えれば必ず起こらないとは言えません。どちらの薬が合うかは、症状・薄毛の状態・ほかの副作用を含めて医師と相談して決めます。飲み方の基本は「フィナステリドの正しい飲み方」で解説しています。

Q. 飲む間隔をあければ症状は出にくくなりますか?

1日おきなど、添付文書に定められた用法以外の飲み方で、乳房の症状が減るかどうかや、AGAへの効果が保たれるかどうかは確かめられていません。自己判断で飲み方を変えず、医師に相談してください。

Q. 胸のふくらみは元に戻りますか?

一般に、薬が原因の女性化乳房は原因となった薬をやめた後に改善する場合があるとされていますが、必ず元に戻るとは限らず、長く続いた場合は十分に戻らないこともあります。戻り方には個人差があるため、気づいた段階で早めに相談することが大切です。

Q. 妊活中ですが、デュタステリドを飲んでいても大丈夫ですか?

デュタステリドは精液中への移行が認められ、精液量・精子数・精子運動率などへの影響も報告されています。一方で、生殖能力や妊娠への影響には分かっていない点があるため、妊活中の方は処方医に相談してください。考え方は「妊活中のAGA治療」で解説しています。ほかの疑問はよくある質問のページにもまとめています。

Q. ザガーロと後発品(ジェネリック)で、胸の症状の出やすさは違いますか?

ザガーロと、男性のAGA用の後発品(「ZA」がつく製剤)は、同じ成分・同じ量のデュタステリドです。後発品は先発品と同じように体内に吸収されることが確認されたうえで承認されているため、乳房の症状の出やすさに違いがあるというデータはありません。どちらを飲んでいる場合も、胸の張りや痛みに気づいたら処方した医師に相談してください。

なお、前立腺肥大症用の「アボルブ」(「AV」がつく製剤)は、同じ成分ですが対象となる病気が異なる別の薬として扱われ、添付文書に書かれている副作用の頻度も、AGA用とは別の臨床試験に基づいています。

まとめ

  • デュタステリドの添付文書には、乳房障害(女性化乳房・乳頭痛・乳房痛・乳房不快感)が1%未満の副作用として記載されています。フィナステリドでも乳房圧痛・乳房肥大が頻度不明として記載されています。
  • 原因の一つとして、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの変化が考えられています。
  • 症状に気づいたら、自己判断で飲み方を変えず、処方した医師に相談します。片側の硬いしこりや血の混じる分泌物などがあれば、早めに乳腺外科などを受診してください。
  • 自毛植毛はAGAの進行を止めないため、内服を続けにくい場合も、治療の選択肢を医師と相談することが大切です。

参考文献:ザガーロカプセル0.5mg(デュタステリド・男性型脱毛症用)添付文書(KEGG MEDICUS掲載・2026年10月閲覧)。デュタステリドカプセル0.5mgZA「トーワ」添付文書(PMDA)。フィナステリド錠(先発品プロペシア)添付文書(PMDA/KEGG MEDICUS掲載・2026年10月閲覧)。日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」。Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(植毛を受ける場合も内服治療が必要とされる位置づけ、5α還元酵素阻害薬の副作用の記載)。料金は当院の植毛メニュー(料金表)(2026年10月時点・税込)によります。「当院では」とある記述は、院長の臨床上の見解または当院の案内です。


執筆:編集部/監修:内田直宏医師

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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