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なおるん毛髪情報局

なおるん毛髪情報局 自毛植毛の基礎知識

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

植毛に向いている季節はある?夏・冬それぞれの注意点と手術時期の決め方

植毛に向いている季節と夏・冬の注意点を解説する記事のイメージ画像

【この記事の結論】
自毛植毛に、医学的に決まった「向いている季節」はありません。術後の注意事項を守れる生活環境であれば、夏でも冬でも手術を検討できます。季節そのものが生着率(移植した毛が根付く割合)にどの程度影響するかについては十分なデータがなく、「夏は失敗しやすい」「冬のほうが生着しやすい」とは言い切れません。

当院では、季節よりも「術後1〜2週間を落ち着いて過ごせるか」「運動や旅行の予定と重ならないか」「仕上がりを見せたい時期から逆算できるか」を優先して日程を決めることをお勧めしています。
そのうえで、夏は汗・蒸れ・紫外線・海やプールの予定、冬は乾燥によるかゆみ・帽子・温泉や入浴の予定に気をつけると、術後を過ごしやすくなります。

※この記事は、手術の「季節・時期選び」と季節ごとの過ごし方の注意に絞って解説します。術後の生活の目安を日数ごとに知りたい方は「植毛のダウンタイムはいつまで続く?」、薄毛と季節の関係(季節の変わり目の抜け毛)は「季節の変わり目は薄毛になりやすい?」をご覧ください。

植毛に向いている季節はある?

「夏は傷が化膿しやすいのでは」「冬は寒さで血行が悪くなり、生着に影響するのでは」と心配される方は少なくありません。根拠の強さを分けて整理すると、次のようになります。

「植毛するなら春か秋がいい」と聞いたことがある方もいると思います。たしかに春・秋は、汗をかきにくく乾燥もしにくいため、術後を過ごしやすい季節です。ただし、これは「過ごしやすさ」の話です。春・秋のほうが生着率が高い、仕上がりがよいといった医学的な根拠はありません。春は花粉や新年度の行事、秋は行楽の予定など、それぞれに気をつけたい点もあります。

区分 内容
一般的に分かっていること 植毛後の経過には、採取・保存・移植のときのグラフト(毛包を含む移植組織)の扱い、頭皮の状態、術後の傷の管理(ぶつけない・こすらない・清潔を保つなど)といった複数の要因が関わります。術後の頭皮は刺激を受けやすく、赤みが残る間は強い日差しを避けることが勧められます。
当院の見解 術後の注意事項を守れる生活環境であれば、季節そのものが手術時期を決める大きな制約になるとは考えていません。休みが取りやすい時期を選ぶ理由にしてよいと考えています。
根拠が限られること 季節によって植毛の生着率や感染の起こりやすさがどの程度変わるかを評価した十分な研究は見当たりません。「差がない」と証明されたわけではありませんが、「夏は失敗しやすい」「冬のほうが生着がよい」と言い切れる根拠もありません。

ですから、季節そのものを理由に手術を先延ばしにする必要はありません。一方で、季節によって「術後に避けたい行動」が生活に入り込みやすいのは事実です。次の章で夏・冬それぞれの注意点を見ていきます。

まず、夏と冬の違いを術後の過ごし方の面から比べると、次のようになります(医学的な優劣を示す表ではありません)。

比較項目 夏 冬
生着率への影響 季節による差は十分に分かっていない 季節による差は十分に分かっていない
気をつけたいこと 汗・蒸れ、日差し、海・プール 乾燥によるかゆみ、帽子、温泉・サウナ
帽子 日差し対策で使いたくなる 防寒で使いたくなる
予定との調整 夏休みの旅行、屋外作業やスポーツ 年末年始の帰省、雪山のレジャー

夏に植毛を受けるときの注意点

夏の手術で気をつけたいのは、汗と蒸れ、日差し、そしてレジャーの予定です。

  • 汗と蒸れ:汗による刺激や蒸れでかゆみや不快感が出やすく、汗を拭くときの摩擦も移植部の負担になります。汗はこすらずに押さえるように拭き、洗髪の方法と回数は当院のスタッフの指示に従ってください(詳しくは「植毛後のシャンプーはいつから?」)。術後は毛嚢炎(毛穴の炎症)が起こることもあるため、指示された方法で頭皮を清潔に保ちましょう(参考:「植毛後のニキビ・毛嚢炎はなぜできる?」)。
  • 日差し:術後の頭皮は刺激を受けやすいため、赤みやかさぶたが残る間は強い日差しを避けてください。日差しを避けるために帽子をかぶりたくなりますが、帽子は時期と形に注意が必要です(後述)。
  • 運動と暑さ:ランニングや筋力トレーニングなど負荷の強い運動、重い物を持つ動作は、術後しばらく控えます。再開の時期は運動の強さと術後の状態によって変わるため、担当医の指示に従ってください。暑い中での屋外作業やスポーツの予定がある方は、手術日を決める段階で相談してください。
  • 海・プール:頭を水につける行為は、傷が治るまで控えてください。再開は担当医の確認後です。夏休みに旅行やレジャーを予定している方は、手術日との間隔を先に確認しておきましょう。

赤みが日ごとに強くなる、熱感や痛みが増える、膿が出るといった変化は、季節にかかわらず感染などの可能性があるため、早めに受診してください。

冬に植毛を受けるときの注意点

冬は汗をかきにくく、帽子で頭を覆いやすい季節ですが、別の注意点があります。

  • 乾燥とかゆみ:空気が乾燥する時期は、かさぶたの時期のかゆみを強く感じることがあります。特に術後早い時期に強くかいたり、かさぶたを無理にはがしたりすると、出血やグラフトの脱落、治りの遅れにつながるおそれがあります。かゆみが強いときは、自己判断で薬を塗らずに担当医に相談してください。
  • ニット帽などの帽子:寒さ対策や術後の見た目を隠すために帽子を使いたい方は多いと思います。当院では、通常の帽子は緩衝材を挟めば術後1週間後から、地肌に直接かぶる場合は最低2週間後からを目安としています。締め付け・擦れ・蒸れの3点を基準に選んでください(詳しくは「植毛後の帽子はいつからOK?」)。
  • 入浴・温泉・サウナ:寒い時期は湯船や温泉が恋しくなりますが、体が温まると血流が増え、出血や腫れが強くなることがあります。当院では、湯船につかる入浴は術後1週間控えるようご案内しています。サウナ・長時間の入浴・温泉は、傷の治り具合を確認したうえで、担当医の指示に沿って再開してください。年末年始の帰省や旅行の予定がある方は、手術日との兼ね合いを確認しておきましょう。
  • 寒さと冬のレジャー:通常の冬の外出で移植部に問題が起きることは考えにくいと当院では考えています。注意したいのは寒さそのものより、スキーやスノーボードなどでの転倒による頭部への衝撃、ヘルメットによる圧迫や摩擦、激しい運動です。術後早い時期は避け、ヘルメットは安全に装着できるかを含めて担当医と確認してください。

春・梅雨・秋に植毛を受けるときの注意点

春と秋は、汗や乾燥の影響が少なく、術後を比較的過ごしやすい季節です。梅雨は湿気による蒸れに注意が必要です。それぞれの季節で気をつけたい点を見ていきます。

春:花粉によるかゆみと、新年度の予定に注意

  • 花粉によるかゆみ: 花粉症の方は、目や鼻だけでなく頭皮のかゆみを感じることがあります。かさぶたの時期に強くかくと、出血やグラフトの脱落につながるおそれがあります。かゆみが強いときは、自己判断で薬を塗らずに担当医に相談してください。花粉症の薬を飲んでいる方は、カウンセリングの際に薬の名前をお伝えください。
  • 日差し: 日差しは春先から強くなり始めます。夏ほどではなくても、赤みやかさぶたが残る間は、長時間の屋外活動を避けましょう。
  • 新年度の予定: 歓送迎会での飲酒や、GWの旅行が術後早い時期に重なりやすい季節です。飲酒の再開時期は担当医の指示に従い、予定がある方は手術日との間隔をカウンセリングで確認してください。

梅雨:湿気による蒸れに注意

  • 蒸れ: 汗の量は夏ほど多くなくても、湿気で頭皮が蒸れやすい時期です。かゆみや不快感が出やすいため、指示された方法で頭皮を清潔に保ちましょう。
  • 雨: 術後早い時期に移植部が雨に濡れたときは、こすらずに清潔なタオルで押さえるように水分を取ってください。雨よけの帽子は、帽子をかぶれる時期の目安(緩衝材を挟めば術後1週間後から)に沿って使ってください。

秋:季節の抜け毛と行楽の予定に注意

  • 季節の抜け毛: 秋は抜け毛が増えたと感じる方が多い季節です。術後のショックロスの時期と重なると、抜け毛の原因が分かりにくくなります(次の章で解説します)。
  • 残暑と行楽: 9月はまだ暑く、日差しも強い日があります。紅葉狩りや運動会など屋外の予定が多い方は、帽子と日差し対策の時期を含めて手術日を考えましょう。

季節の抜け毛とショックロスの見分け方

健康な人でも、季節によって毛の生え変わりの周期(毛周期)や抜け毛の量が変わることが報告されています。海外の教科書でも、一時的に抜け毛が増える状態(休止期脱毛)を見分ける際に、季節の変わり目に起こる抜け毛が挙げられています。ただし、抜け毛が増える時期や程度には個人差があり、季節だけで抜け毛の原因を判断することはできません。

植毛後は、移植した毛が術後数週間から一時的に抜けることがあります。また、既存の毛にも、手術の影響による一時的な脱毛(ショックロス)が術後1〜3か月ごろに見られることがあります。

この時期と季節の変わり目が重なると、抜け毛の原因が分かりにくくなることがあります。どちらであっても、抜けかけた毛を引っ張らない、強くこすらないことは共通です。抜け毛の量が気になるときは、自己判断せずに術後検診で頭皮の状態を確認してください。ショックロスの経過は「植毛後のショックロスとは?」で解説しています。

季節より大切な「予定からの逆算」

手術の時期を決めるうえで実際に大切なのは、季節よりも「術後の経過のどの段階を、いつ迎えたいか」です。当院でご案内している経過の目安は次のとおりです(個人差があります)。

術後の時期 主な経過 日程を決めるときの考え方
当日〜1週間 腫れ(額や目の周り)・かさぶた・かゆみ。最も慎重に過ごす時期 仕事や外出の予定を減らせる時期を選ぶ
1〜2週間 かさぶたが取れていく。赤みは残る デスクワークは早めに復帰できることもある。接客や撮影など見た目が気になる予定には1〜2週間ほどの余裕を見込むと安心
1〜3か月 ショックロスが起こりやすく、一時的に薄く見えることがある 一時的に薄く見える場合があるため、大事な予定がある方は事前に担当医と相談しておくと安心
3〜6か月 3〜4か月ごろから新しい毛が生え始め、6か月にかけて少しずつ変化する。初めはコシが弱い まだ変化の途中の時期
6か月〜1年 6か月ごろから変化を評価し、仕上がりはおおむね1年で確認 結婚式など「仕上がりを見せたい予定」があるなら、その1年ほど前の手術が目安

たとえば、夏の予定までに仕上がりを整えたい場合は、前の年の夏ごろまでに手術を受ける計算になります。逆に「休みの間にダウンタイムを過ごしたい」だけなら、年末年始・大型連休・夏休みなど、まとまった休みが取りやすい時期が候補になります。術後のショックロス期間の見た目の工夫は「植毛後のショックロス期間の隠し方」で解説しています。

また、術式によって術後の見た目の変化も違います。後頭部を刈り上げるアルモHi-STANDARD法では、採取部の短い髪が伸びて周囲になじむまで時間がかかります。髪を刈り上げないアルモUn-SHAVEN法は採取部を周りの髪で隠しやすい一方、費用が高くなり、1回で移植できる量に条件があります。

どちらが合うかは、髪型や必要なグラフト数、予定を含めてカウンセリングで相談してください。術直後の過ごし方は「植毛後48時間が重要といわれる理由」も参考になります。

費用(当院の場合)

当院の自毛植毛は、後頭部などから毛包単位で毛を採取し、薄毛の部分へ移植する手術(FUE)で、保険適用外の自由診療です。当院では季節による通常料金の違いは設けていません。実際の費用は、グラフト数・術式・追加費用の有無によって異なります。手術は通常1日で行いますが、必要なグラフト数や移植範囲によっては複数回に分けることがあります。仕上がりの確認は術後1年ほどが目安です。手術料金は「基本料金205,000円(税込)+1グラフトあたりの料金×グラフト数」で計算し、1グラフトあたりの料金は、刈り上げるアルモHi-STANDARD法が1,078円、刈り上げないアルモUn-SHAVEN法が1,870円(いずれも税込)です。総額の例:1,000グラフトを刈り上げる方法で行う場合、205,000円+1,078円×1,000=1,283,000円(税込)です。このほか手術前の血液検査11,000円(税込)がかかり、所定の感染症がある方は別途感染症対策料198,000円(税込)がかかります(対象となる感染症や適用条件は事前にご説明します)。血液検査を含めると、1,283,000円+11,000円=1,294,000円(税込)です。詳しくは植毛メニュー(料金表)をご覧ください。

主なリスク・副作用

術後の痛み・腫れ(額や目の周りに出ることがあります)・内出血・出血、かさぶた、かゆみ、赤み(数週間、肌質によっては数か月続くことがあります)、既存毛の一時的な脱毛(ショックロス。回復しない場合を含む)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、採取部の点状の傷跡や密度の低下、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりの自然さや密度の感じ方には個人差があります。植毛後の早い時期に移植部を圧迫・摩擦すると、グラフトが抜けることがあります。腫れの経過は「植毛後の腫れ・むくみはいつまで?」で解説しています。自毛植毛はAGAの進行を止めるものではありません。当院の症例は症例紹介でご覧いただけます(仕上がりには個人差があります)。

植毛の季節・時期に関するよくある質問

Q. 夏に植毛すると化膿しやすいのですか?

夏だから化膿しやすいと言い切れるデータはありません。ただ、汗・蒸れ・汗を拭くときの摩擦が増えるのは確かなので、汗はこすらずに押さえて拭き、指示どおりの洗髪で清潔を保ってください。赤み・熱感・痛みが強くなる場合は早めに受診してください。

Q. 冬の寒さで生着が悪くなることはありますか?

当院では、通常の冬の生活で生着に影響が出るとは考えていません。極端な寒さの中で長時間過ごす予定がある場合は、術後早い時期を避けるなど、日程を担当医と相談してください。

Q. 年末年始や夏休みに手術を受けたいのですが、注意点はありますか?

まとまった休みにダウンタイムを過ごせるのは利点です。一方で、帰省や旅行、温泉、海やプールなどの予定が術後早い時期に入ると、控えたい行動と重なりやすくなります。予定がある場合は、カウンセリングで手術日との間隔を確認してください。

Q. 季節によって手術の費用は変わりますか?

当院では、季節による通常料金の違いは設けていません。ほかの疑問はよくある質問のページにもまとめています。

Q. 春や秋が植毛に一番向いている季節ですか?

春・秋は汗や乾燥の影響が少なく、術後を過ごしやすい季節です。ただ、春・秋のほうが生着率が高いという根拠はありません。季節よりも、術後1〜2週間を落ち着いて過ごせるか、予定と重ならないかを優先して日程を決めることをお勧めしています。

まとめ

  • 植毛に医学的に決まった「向いている季節」はなく、術後の注意事項を守れる環境であれば、夏でも冬でも手術を検討できます。季節が生着率にどの程度影響するかは、十分なデータがありません。
  • 夏は汗・蒸れ・紫外線・海やプール、冬は乾燥によるかゆみ・帽子・入浴や温泉の予定に気をつけます。
  • 春・秋の季節の抜け毛と術後のショックロスが重なると見分けにくいため、気になるときは検診で確認します。
  • 時期選びで大切なのは、術後1〜2週間を落ち着いて過ごせるか、仕上がりを見せたい予定から逆算できるかです。自毛植毛の全体の流れは自毛植毛のページで紹介しています。

参考文献:Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(休止期脱毛の鑑別の表に、季節の変わり目から数週間のうちに起こる季節性の抜け毛が挙げられていること)。料金は当院の植毛メニュー(料金表)(2026年10月時点・税込)によります。術後の生活の目安は当院の案内によります。「当院では」とある記述は、院長の臨床上の見解または当院の案内です。


執筆:編集部/監修:内田直宏医師

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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