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なおるん毛髪情報局

なおるん毛髪情報局 自毛植毛の基礎知識

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

ヒゲ植毛の経過|術後1週間・1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年で変わること

ヒゲ植毛の経過を説明する記事のイメージ画像(カレンダーのあるデスク)

【この記事の結論】
ヒゲ植毛の経過は、大まかに「術後1〜2週間:腫れ・赤み・かさぶたが落ち着く」「術後1〜3ヶ月:移植した毛がいったん抜け、周囲のヒゲが一時的に減って薄く見えることもある時期」「術後3ヶ月頃:新しい毛が生え始める」「術後6ヶ月頃:密度が増えて輪郭が見えてくる」「術後1年頃:発毛の状況や密度、既存のヒゲとのなじみを評価する」という流れで進みます。


植毛の教科書でも、ヒゲへの移植は術後3ヶ月頃から発毛し、1年ほどかけて変化していくとされています。仕上がりは途中の時期だけを見て判断せず、1年を目安に評価します。ただし、赤み・腫れ・痛みが強くなる、膿が出る、発熱する、出血が続くといった場合は、予定の診察日を待たずにご連絡ください。経過の速さや仕上がりには個人差があります。

※この記事は、ヒゲ植毛を受けた後の時期ごとの変化に絞って解説します。ヒゲ植毛と体毛植毛(体毛を頭へ移す手術)の違いは「ヒゲ植毛と体毛植毛(BHT)の違い」で、当院のヒゲ植毛の流れはヒゲ植毛(髭植毛)のページで紹介しています。

ヒゲ植毛の経過の全体像

ヒゲ植毛では、後頭部の髪を採取して、口ヒゲ・アゴヒゲ・フェイスラインなどへ移植します。移植する場所は顔ですが、移植するのは頭髪の毛なので、生え変わりの流れは頭髪の植毛と基本的に同じです。

当院の自毛植毛の術後経過の案内と、教科書のヒゲへの移植を扱う章の記載をもとに、時期ごとの目安を表にまとめます。

時期 移植部(ヒゲ)の状態の目安 過ごし方のポイント
手術当日〜数日 体液がにじむ、赤みが出るなど、移植直後の反応がみられる 移植部に触れない・こすらない。洗顔や洗髪の方法は術後の説明に従う
術後1〜2週間 腫れ・赤みが落ち着いていき、小さなかさぶたが取れていく 患部に刺激を与える行為は1〜2週間ほど控える。湯船への入浴は、当院では術後1週間後を目安にしている
術後1ヶ月前後 移植した毛の多くがいったん抜ける。周囲の既存のヒゲも一時的に抜けると、手術前より薄く見えることがある 一時的な現象であることが多い。気になる症状があれば相談する
術後3ヶ月頃 移植した毛包から新しい毛が生え始める。まだ細くコシが弱い 生え方にムラがあっても、この時期だけで判断しない
術後6ヶ月頃 毛の本数と長さが増え、ヒゲの輪郭が見えてくる 経過途中のため、密度の評価は引き続き慎重に行う
術後1年頃 発毛の状況、毛の太さ、密度、既存のヒゲとの調和を評価する時期。毛質やくせ、向きの違いが残ることもある 評価をもとに、必要に応じて今後の方針を相談する

表はあくまで目安で、体質、移植した範囲や密度、既存のヒゲの量によって経過は異なります。ダウンタイム全般の考え方は「植毛のダウンタイムはいつまで続く?」でも解説しています。

術後1〜2週間:腫れ・赤みとかさぶたの時期

当院の案内では、ヒゲ植毛の腫れ・赤みが軽くなる目安は1〜2週間程度ですが、赤みが残る期間には個人差があります。手術直後は移植部から体液がにじんだり、赤みが出たりしますが、移植直後の反応として起こるものです。その後、小さなかさぶたができ、少しずつ取れていきます。

この時期にもっとも大切なのは、移植したグラフトに余計な力をかけないことです。グラフト(株)は、毛包とその周囲の組織を含む移植片のことで、1グラフトは毛1本と同じ意味ではありません。

当院では、患部に刺激を与える行為を1〜2週間ほど控えていただくようご案内しています。顔回りは、睡眠中に無意識に掻いてしまうこともあるため注意が必要です。ひげそりも移植部への刺激になるため、再開する時期と方法は、移植部の状態を確認したうえでご案内します。植毛直後の過ごし方が重要とされる理由は「植毛後48時間が重要といわれる理由」で解説しています。

後頭部の採取部も治癒が進みますが、傷跡が残ることがあります。当院では、手術当日のシャワーは採取部・移植部を避けて行い、洗髪は当日は控えていただくよう案内しています。湯船への入浴は術後1週間を目安としますが、実際の再開時期は術後の状態を確認してご案内します。刈り上げるアルモHi-STANDARD法と、刈り上げないアルモUn-SHAVEN法では、採取部の見え方が異なります。

術後1〜3ヶ月:いったん抜けて薄く見える時期

術後数週間から1ヶ月前後にかけて、移植した毛の多くが抜け落ちる時期に入ります。移植した毛が抜けても、毛包が生着していれば、そこから新しい毛が生えてきます。これとは別に、移植部の周りの既存の毛が一時的に抜けることがあり、当院では、移植毛と周囲の既存毛のこうした脱落をあわせて「ショックロス」と呼び、術後1〜3ヶ月に生じます。

既存のヒゲが一時的に抜けた場合は、手術前より薄く見えることがありますが、多くは一時的で、毛包の機能が保たれていれば回復が見込まれますが、回復の程度や時期には個人差があります。なお、抜け毛だけで生着の成否は判断できませんが、移植した毛包が十分に生着せず、期待した密度が得られないこともあります。

ヒゲ植毛では、既存のヒゲの間に移植した場合に、周囲のヒゲが一時的に減って見えることがあります。ショックロスの仕組みと期間は「植毛後のショックロスとは?」で、この時期の隠し方は「植毛後のショックロス期間の隠し方」で解説しています。

移植部に赤いぶつぶつが出たときは、毛のう炎(毛穴の炎症)の可能性もあるため、自分でつぶさずにご相談ください。毛のう炎については「植毛後のニキビ・毛嚢炎はなぜできる?」をご覧ください。

術後3〜6ヶ月:生え始めから輪郭が見えてくる時期

術後3ヶ月頃になると、移植した毛包から新しい毛が生え始めます。生え始めの毛は細くてコシが弱く、くせが出ることもあります。生えてくる時期には部位による差や左右差が出ることもあり、この段階では密度にムラがあるように見えても、まだ評価の途中です。左右差の見方は「植毛後の生え方に左右差が出るのはなぜ?」で解説しています。

術後6ヶ月頃には、毛の本数と長さが増え、アゴやフェイスラインの輪郭が見えてくることが多くなります。当院では、ヒゲ植毛の仕上がりを、本数だけでなく「輪郭がはっきりするか」「既存のヒゲとの境目が目立たないか」という視点で確認しています。毛の向きが不自然に見える場合の原因と考え方は「植毛した毛が立つ・向きが不自然になる原因は?」をご覧ください。

術後1年:発毛・密度・既存のヒゲとのなじみを評価する時期

教科書では、ヒゲへの移植は1年ほどかけて変化していくとされ、当院でも術後1年頃を仕上がりの目安にしています。この時期に、発毛の状況や毛の太さ、密度、既存のヒゲとの調和を評価します。

移植した頭髪はもとの毛質を基本的に引き継ぐため、ヒゲと同じ太さや硬さになるとは限らず、毛質やくせ、毛の向きの違いが残ることもあります。当院では、移植の段階で、縁取りには細い1本毛、内側には太さのある株を選び分け、なじみを高める工夫をしています。

術後半年を過ぎても生えてこない部分が気になる場合の考え方は「植毛から半年で生えてこないのは失敗?」で解説しています。移植した毛がどの程度定着するかという「生着率」の考え方は「植毛の生着率(定着率)とは?」をご覧ください。

術後の過ごし方|洗顔・ひげそり・マスクはいつから?

項目記載したい内容
洗顔当日〜翌日の可否と、移植部の洗い方
ひげそり・トリミング電動シェーバー、カミソリ、ハサミそれぞれの再開目安
マスク着用してよいか、こすれへの注意
食事・歯みがき口ヒゲに移植した場合の注意(熱いもの、口元の動き)
飲酒・喫煙・運動・サウナ再開目安
寝るとき顔を掻かない工夫、枕との接触

費用と主なリスク・副作用

ヒゲ植毛は自由診療(保険適用外)です。当院の料金は「基本料金+1グラフトの料金×グラフト数」で計算します(税込・2026年10月時点の植毛メニュー(料金表)によります)。

方法 基本料金 1グラフト 手術料金の例(血液検査料は別)
ヒゲ植毛(アルモHi-STANDARD法:刈り上げる方法) 220,000円 2,800円 500グラフトの場合:220,000円+2,800円×500=1,620,000円
ヒゲ植毛(アルモUn-SHAVEN法:刈り上げない方法) 220,000円 3,300円 500グラフトの場合:220,000円+3,300円×500=1,870,000円
植毛手術前の血液検査 11,000円(感染症がある方は、感染症対策料として別途198,000円)

血液検査料を含めると、上の例はそれぞれ1,631,000円、1,881,000円です(感染症がある方は、さらに感染症対策料198,000円が加わります)。基本料金には鎮静麻酔・局所麻酔・点滴・内服・術後処方が含まれます。2つの例は移植量が異なる計算例で、必要なグラフト数の目安ではありません。必要なグラフト数はデザインや範囲によって変わります。

標準的な治療の流れは、カウンセリングと術前の血液検査のあと手術を行い、術後は定期的な検診(当院の検診料は無料)で経過を確認して、術後1年頃に発毛の状況や密度を評価するというものです。手術の回数は、1回の手術で計画する場合と、密度を高めるために複数回に分ける場合があり、デザインや範囲によって異なります。1年頃の評価で密度が足りない場合に、追加の移植を相談することもあります。ヒゲ植毛の費用の考え方は「髭植毛の料金相場」でも解説しています。

主なリスク・副作用は、腫れ、痛み、出血、かゆみ、血行不全(移植部の血流が悪くなること)、傷跡、毛のう炎、感覚の違和感、ショックロス、くせ毛、自然さの限界などです。具体的には、移植した毛が十分に生えず希望した密度にならない、毛の向きや左右差が気になる、既存のヒゲと太さ・質感が合わない、移植部や後頭部の採取部に傷跡や皮膚の凹凸が残る、といったことが起こる場合があります。仕上がりや経過には個人差があります。

ヒゲ植毛の経過に関するよくある質問

Q. ヒゲ植毛の後、仕事はいつから行けますか?

当院の案内では、植毛後の仕事は術後翌日から可能としていますが、体調や仕事内容によって異なるため、復帰時期は担当医にご確認ください。腫れや赤みが1〜2週間ほど続くことがあるため、人と会う予定や職場での見え方を考えて日程を決める方もいます。移植部をぶつけたりこすったりしないよう注意が必要です。

Q. 術後1ヶ月でヒゲが手術前より薄くなりました。失敗でしょうか?

術後1〜3ヶ月は、移植した毛がいったん抜け、周囲の既存のヒゲも一時的に抜けることがある時期で、手術前より薄く見えることがあります。多くは一時的で、術後3ヶ月頃から移植した毛包から新しい毛が生え始めます。不安な場合は、経過を診察で確認しますのでご相談ください。

Q. 移植したヒゲは、伸ばしたりそったりできますか?

移植した毛も、ご自身の毛として伸ばしたり長さを整えたりできます。既存のヒゲより伸びが目立つことがあり、こまめなトリミングが必要になる場合があります。ヒゲと同じ太さ・硬さにはならないことがあります。

ただし、ひげそりの再開時期と方法は、移植部の回復状態に応じてご案内します。

Q. 経過中に追加の移植が必要か判断するのはいつですか?

当院では、術後1年頃の状態を目安に、密度や輪郭を確認してから判断することを基本にしています。途中の時期で判断すると、これから生えてくる毛を見込めないためです。そのほかの疑問はよくある質問のページにもまとめています。

Q. 移植部の周りのヒゲ脱毛はいつからできますか?

レーザー脱毛や光脱毛は、毛の根元にある毛包にダメージを与えて毛を生えにくくする方法です。そのため、移植した部分に照射すると、移植した毛も脱毛されるおそれがあります。移植部とその周辺には照射しないでください。いったん失われた毛包は、ふたたび移植しない限り元に戻らず、移植に使える後頭部のドナーにも限りがあります。

デザインの外側(頬の上の方や首など)の脱毛は、当院では術後○ヶ月頃、移植部の赤みが落ち着いてからを目安としています。再開する前に診察で移植部の状態をご確認ください。脱毛を受けるときは、移植した範囲を脱毛を行う施設にお伝えし、境目から余裕をもって照射範囲を決めてもらうと安心です。

毛抜きで抜くことも、移植した毛を傷めることがあるため、移植部では避けてください。長さを整える場合は、ハサミやトリマー、シェーバーを使います。

すでにヒゲ脱毛を受けている方や、脱毛を予定している方は、カウンセリングの際にお知らせください。脱毛した範囲や今後の予定も踏まえて、移植のデザインを考えます。

まとめ

  • ヒゲ植毛の経過は、術後1〜2週間で腫れ・赤みが落ち着き、1〜3ヶ月に移植した毛がいったん抜け(周囲のヒゲが一時的に減ることもあり)、3ヶ月頃から生え始め、6ヶ月頃に輪郭が見え、1年頃に仕上がりを評価する流れが目安です。
  • 術後1〜2週間は、移植部をこすらない・掻かないなど、刺激を避けることが大切です。
  • 術後1〜3ヶ月の薄く見える時期は一時的なことが多く、途中の時期だけで仕上がりを判断しないことが大切です。
  • ヒゲ植毛は自由診療で、腫れ・ショックロス・毛のう炎などのリスクがあり、経過や仕上がりには個人差があります。自毛植毛の全体像は自毛植毛のページでご覧いただけます。

参考文献:Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(ヒゲ・口ヒゲへの移植を扱う章:術後の発毛時期と変化の期間、部位ごとの株の選び方)。経過・ダウンタイム・過ごし方・料金・リスクは当院の自毛植毛の術後経過について、ヒゲ植毛(髭植毛)、植毛メニュー(料金表)の各ページ(いずれも2026年10月時点・税込)によります。「当院では」とある記述は、当院の公開案内または院長が公開している解説記事に基づきます。


執筆:編集部/監修:内田直宏医師

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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