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なおるん毛髪情報局

AGAの基礎知識 なおるん毛髪情報局

PHYSICIAN SUPERVISING

ページの監修医師

アルモ形成クリニック
院長 内田 直宏(なおるん先生)

  • ISHRS(国際毛髪外科学会)正会員
  • 年間200症例以上の自毛植毛を執刀
  • 違和感ゼロへ導く精密なグラデーションデザイン植毛が得意
アルモ形成クリニック 院長 内田直宏

ダーマペン・ダーマローラーは薄毛に効く?効果の根拠と針の深さによるリスク

ダーマペンと薄毛のイメージ画像(トレーに置かれた美容器具)

【この記事の結論】
ダーマペン・ダーマローラーなどで頭皮に細い針の穴をあける方法(マイクロニードリング)は、ミノキシジル外用薬と組み合わせた複数の臨床試験で髪の改善が報告されていますが、研究ごとの条件の差が大きく、単独での効果、長期的な効果、針の長さ・頻度の最適な条件は確立していません。

短い針でも、刺激・感染・かぶれなどのリスクはあり、家庭で安全に使うための条件は十分に分かっていません。当院では、自己判断で薬の浸透を高める目的で使うことは勧めていません。

また、針が長いものや深く刺す使い方では、毛包の周りの組織を傷つけるおそれも考えられるため注意が必要です。頭皮に炎症がある方や植毛後の方は、自己判断で始めないでください。

※この記事は、ダーマペンやダーマローラーを薄毛対策に使ってよいか迷っている方に向けて、効果の根拠の強さと、針の長さによるリスクを整理します。顔の肌の治療としての効果や、医療機関での注入治療(PRPなど)の詳しい内容は扱いません。PRPについては「植毛とPRPの併用に効果はある?」をご覧ください。

ダーマペン・ダーマローラーとは

どちらも、極細の針で皮膚に小さな穴を多数あける道具です。皮膚に小さな傷をつくることで起こる修復の反応や、塗った薬が皮膚に入りやすくなることを利用します。

道具 針の動かし方 主な使われ方 頭皮に使うときの注意点
ダーマローラー 針が並んだローラーを手で転がす 家庭用の短い針のものから、医療機関で使う長めのものまである 押し付ける力や回数で刺さる深さが変わる。髪が絡みやすい
ダーマペン(電動の針の機器) ペン型の機器で針を高速に上下させる 主に医療機関で、針の深さを設定して使う 針の出る長さを大きく設定すると、より深い組織まで刺激が及ぶ可能性がある

美容の分野では、ニキビ跡や肌質の改善を目的に顔に使われることが多い道具です。頭皮への使用は、それとは目的も、気をつける点も異なります。

薄毛への効果はどこまで分かっている?

根拠の強さで分けると、次のように整理できます。

  • 一般的に分かっていること:AGA(男性型脱毛症)の治療として、ガイドラインで強く勧められているのは、フィナステリド・デュタステリドの内服とミノキシジルの外用です。マイクロニードリングは、これらと同じ位置づけの標準治療ではありません。
  • 報告はあるが確立していないこと:ミノキシジル外用薬にマイクロニードリングを組み合わせると、外用薬だけより髪の本数が増えたという臨床試験が複数あります。代表的なのは2013年にインドで行われた試験で、軽度〜中等度のAGAの男性を、5%ミノキシジル外用に週1回のダーマローラー(針の長さ1.5mm)を加えるグループと、外用薬だけのグループに分けて12週間比べたところ、併用したグループで髪の本数の増加が大きかったと報告されています[1]。その後の複数のランダム化比較試験をまとめた解析(12試験・631人)でも、併用によって髪の本数と太さが外用薬単独より改善したとされています[2]。
  • ただし、針の長さ・頻度・期間・使う機器は研究ごとに異なり、多くは参加者が少なく追跡期間も数か月程度と短いため、効果の大きさや長く続くかどうかは十分に分かっていません。針の深さ(1mm以下か1mmを超えるか)によって効果に差があるかについても、解析によって結論が分かれています[2][3]。
  • 単独での効果:針だけで髪を増やす効果については、根拠がさらに限られています。ミノキシジルを使わずにマイクロニードリングだけを行った場合の効果は限定的とする解析もあります[3]。

当院では、一般的なダーマローラーは、塗る薬の浸透を助ける可能性がある方法と考えています。ただし、改善を示した研究はあるものの、効果には個人差があり、どの程度の改善が得られるかを予測することはできません。

どの程度の期間・頻度で行えばよいか、やめた後に効果がどの程度続くかについても十分なデータがありません。家庭での使用は安全な条件が確立していないため、使いたい場合は医師に相談してください。AGA治療の基本的な選択肢はAGA治療のページで紹介しています。

針の長さと「バルジ」を傷つけるリスク

髪の毛は、皮膚の中にある毛包という袋状の組織から生えてきます。毛包の途中、立毛筋(鳥肌を立てる小さな筋肉)が付く付近には「バルジ」と呼ばれる部分があり、ここには毛包の再生に関わる幹細胞が存在します。バルジは、毛が抜けて生え変わる毛周期のなかで毛包が作り直される際に重要な役割を果たしています(実際の毛の生成には、毛の根元にある毛母細胞や毛乳頭など、ほかの細胞も関わります)。

針が長いもの、深さを長めに設定した電動の機器、強く押し付けて何度も往復させる使い方では、出血・炎症・感染や、まれに傷跡が残るリスクが高まり、針がバルジなど毛包の周りの組織に届く可能性も考えられます。

当院では、針の長さが比較的長いダーマペンなどで深く刺すと、バルジを含む毛包の周りの組織が傷つく可能性があることを、組織の構造の面から懸念しています。ただし、一般的なマイクロニードリングで実際にバルジが傷ついたり、元に戻らない脱毛が起きたりする頻度は分かっておらず、これは主に組織の構造から考えられるリスクです。

頭皮の厚さや毛包の深さには個人差や部位差があるため、「この長さなら誰でも安全」という線引きはできません。家庭用の道具を使う場合は、説明書の範囲を超えて長い針を使ったり、深く刺したりしないでください。

自分で使う場合に気をつけたいこと

  • 頭皮の状態:ニキビ・毛嚢炎、湿疹、脂漏性皮膚炎、傷、強い赤みがあるところには使いません。炎症を広げたり、細菌が入ったりするおそれがあります。頭皮のできものについては「植毛後のニキビ・毛嚢炎はなぜできる?」も参考になります。
  • 衛生:電動機器の針カートリッジは原則として使い回さず、製品の指示に従って交換します。家庭用ローラーもメーカーが指定する洗浄・管理の方法を守り、ほかの人と共用しないでください。適切に管理しても感染のリスクがなくなるわけではなく、針先が曲がったり鈍くなったりしたものは使いません。
  • 頻度と力:回数を増やしたり強く押し付けたりしても、効果が上がるという根拠はありません。出血するほどの強さで行わないようにします。
  • 塗る薬との組み合わせ:針で皮膚のバリアが傷ついた状態では、薬が通常と違う形で吸収されたり、かぶれや赤み、かゆみが出やすくなったりすることがあります。針を使った直後に自己判断でミノキシジルなどの薬を塗るのは避け、併用するかどうか・塗るタイミングは医師に相談してください。
  • 服用中の薬・持病:血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、糖尿病などで傷が治りにくい方、ケロイドができやすい方は、使う前に医師に相談してください。

なお、傷跡などによって毛包が元に戻らない形で失われた部分では、マイクロニードリングや外用薬で毛が生えることは期待できません。一方、AGAでは毛包が小さくなっている段階で、薬物治療に反応する余地が残っていることもあります。ダーマローラーや外用薬などを続けても生え際が戻らないと感じて、植毛を相談される方もいます。自分でできる対策と、治療が必要な薄毛の見分け方は「薄毛は自分で治せる?」で解説しています。

植毛を受けた後・受ける予定の方へ

植毛した直後の頭皮では、移植した毛(グラフト)が周りの組織と結びついて安定するまでに時間がかかります。この時期に針で刺激を加えると、グラフトが抜けるおそれがあります。また、グラフトが固定された後も、頭皮の傷の治り具合によっては炎症や感染のリスクがあるため、グラフトが安定したことだけを再開の目安にはできません。移植した毛が安定するまでの考え方は「植毛の生着率(定着率)とは?」をご覧ください。

  • 植毛後にダーマローラーなどを再開するかどうか、いつから再開するかは、自己判断せずに担当医に確認してください。術後の頭皮の状態には個人差があり、一律の日数で決められるものではありません。
  • 植毛の前から使っている方は、手術前の診察で、使っている道具・針の長さ・頻度・一緒に塗っている薬を伝えてください。頭皮に炎症や傷がある場合は、手術の前に落ち着かせる必要があります。
  • 術後の一時的な抜け毛(ショックロス)への対策として、針の治療が確立しているわけではありません。ショックロスについては「植毛後のショックロスとは?」、術後に検討されることのある別の方法は「植毛後の育毛レーザーはいつから?」で解説しています。

自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部などの毛を、薄くなった部分へ移す手術です。方法や流れは自毛植毛のページで紹介しています。

費用(当院の場合)

当院の自毛植毛は、保険適用外の自由診療です。手術料金は「基本料金205,000円(税込)+1グラフトあたりの料金×グラフト数」で計算し、1グラフトあたりの料金は、後頭部を刈り上げるアルモHi-STANDARD法が1,078円、髪を刈り上げないアルモUn-SHAVEN法が1,870円(いずれも税込)です。総額の例:1,000グラフトを刈り上げる方法で行う場合、205,000円+1,078円×1,000=1,283,000円(税込)です。このほか手術前の血液検査11,000円(税込)がかかり、所定の感染症がある方は別途感染症対策料198,000円(税込)がかかります(対象となる感染症や適用条件は事前にご説明します)。血液検査を含めると、1,283,000円+11,000円=1,294,000円(税込)です。実際の費用は、グラフト数・術式・追加費用の有無によって異なります。詳しくは植毛メニュー(料金表)をご覧ください。家庭用のダーマローラーなどの費用は、製品によって異なります。

リスク・副作用

方法 主なリスク・副作用
ダーマペン・ダーマローラー(マイクロニードリング) 痛み、出血、赤み、腫れ、かゆみ、感染・毛嚢炎、かぶれ(塗る薬を併用した場合を含む)、色素沈着、深く刺しすぎた場合の組織の損傷(毛包への影響は十分に分かっていません)。頭皮に炎症がある状態で使うと悪化するおそれがあります
ミノキシジル外用薬 頭皮のかゆみ・かぶれ・赤み・フケ、使い始めの一時的な抜け毛、まれに動悸やめまいなど。使用中止で効果は失われていきます
自毛植毛 術後の痛み・腫れ・赤み、内出血、かさぶた、かゆみ、既存毛の一時的な脱毛(ショックロス。回復しない場合を含む)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、採取部の点状の傷跡や密度の低下、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりの自然さや密度の感じ方には個人差があります

自毛植毛はAGAの進行を止めるものではありません。当院の症例は症例紹介でご覧いただけます(仕上がりには個人差があります)。

ダーマペン・ダーマローラーと薄毛に関するよくある質問

Q. ダーマローラーだけで髪は増えますか?

針だけで髪を増やす効果については、根拠が限られています。報告の多くは、ミノキシジル外用薬など塗る治療と組み合わせたもので、その場合でも効果の大きさや長く続くかどうかは確立していません。AGAの場合は、まず標準的な治療について医師に相談することをお勧めします。

Q. 針は長いほど効果がありますか?

長い針ほど効果が高いという根拠はありません。深く刺すほど、出血・炎症・感染などのリスクが高まり、毛包の周りの組織を傷つける可能性も考えられます。

Q. 針は何mmまでなら安全ですか?

頭皮の厚さや毛包の深さには個人差・部位差があり、使い方(押し付ける力・回数・頻度)によっても刺激の程度が変わるため、「何mmなら誰でも安全」と一律に決めることはできません。家庭用の道具を使う場合でも、説明書の範囲を超えて使わず、心配な場合は医師に相談してください。

Q. ミノキシジルを塗った直後や、針を使った直後に塗ってもよいですか?

薬を塗った後に針を使う場合も、針を使った後に薬を塗る場合も、皮膚のバリアが傷つくことで薬の吸収やかぶれ方が通常と変わることがあります。塗るタイミングや間隔について安全な条件は確立していないため、自己判断で組み合わせず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

Q. 頭皮アートメイク(SMP)をしていても使えますか?

アートメイクの直後は色素が落ち着くまで刺激を避ける必要があり、再開の時期は施術を受けた医療機関に確認してください。アートメイクと植毛の関係は「SMP(頭皮アートメイク)をすると植毛できなくなる?」で解説しています。

Q. 使っていて赤みやブツブツが出たら?

使用をやめてください。赤みが広がる、強い痛み・腫れ・膿・発熱がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。軽い症状でも続く場合は皮膚科などで診察を受けてください。塗る薬を併用している場合は、その薬によるかぶれのこともあります。ほかの疑問はよくある質問のページにもまとめています。

まとめ

  • ダーマペン・ダーマローラーなどのマイクロニードリングは、ミノキシジル外用薬との併用で改善が報告されていますが、研究ごとの差が大きく、効果の大きさ・長期的な効果・最適な条件は確立していません。
  • 短い針でもリスクはあり、家庭での安全な使用条件は確立していません。針の長いものや深く刺す使い方は、毛包の周りの組織を傷つける可能性も考えられるため注意が必要です。
  • 頭皮に炎症がある方、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方、植毛後の方は、自己判断で始めずに医師に相談してください。
  • 傷跡などで毛包が失われた部分を針で回復させることはできず、薬物治療で十分な変化が得られない部分では、自毛植毛も選択肢になります。

参考文献
[1] Dhurat R, Sukesh MS, Avhad G, Dandale A, Pal A, Pund P. A randomized evaluator blinded study of effect of microneedling in androgenetic alopecia: a pilot study. Int J Trichology. 2013;5(1):6-11. doi:10.4103/0974-7753.114700
[2] Ahmed KMA, et al. Evaluating the efficacy and safety of combined microneedling therapy versus topical minoxidil in androgenetic alopecia: a systematic review and meta-analysis. Arch Dermatol Res. 2025. doi:10.1007/s00403-025-04032-1
[3] Xu C, et al. Effect of microneedle on hair regrowth in patients with androgenetic alopecia: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Chin Med Nat Prod. 2024;4(1):e8-e17. doi:10.1055/s-0044-1782181
[4] 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」(AGAの標準治療の位置づけ)
[5] Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(毛包の構造と幹細胞が集まるバルジ領域、移植毛の生着についての記載)

料金は当院の植毛メニュー(料金表)(2026年10月時点・税込)によります。「当院では」とある記述は、院長の臨床上の見解または当院の案内です。


執筆:編集部/監修:内田直宏医師

このコラムの著者

アルモ形成クリニック 
院長 内田直宏

筑波大学医学部卒業後、マイクロサージャリー(顕微鏡手術)を含む形成外科施術に6年間従事。
東京、秋葉原でアルモ形成クリニックを開院。
沖縄から北海道まで、遠方の患者様に多くご来院いただいております。
年間200症例以上の自毛植毛施術を執刀しており、AGA治療(内服療法、注射療法、レーザー治療)や美容外科施術にも長けている。
自毛植毛だけでは実現の難しい、額をせまくする手術やFUT植毛による傷跡のカバーアップなどといった技術も高く評価を受けている。

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