なおるん毛髪情報局
植毛のダウンタイムはいつまで続く?症状別の期間・経過表と仕事復帰の目安
- 植毛のダウンタイムはいつまで続くの?
- 痛み・腫れ・赤み・かゆみはいつ落ち着く?
- ダウンタイム中はどのように過ごせばいい?
- 植毛後どのくらいで仕事に行けるの?
このような疑問にお答えする記事です。
自毛植毛のダウンタイムは、痛みは数日、腫れは約1週間、かさぶたは1〜2週間で落ち着くのが目安です。ただし、見た目が気にならなくなる時期は、赤みの程度・髪型(刈り上げの有無)・一時的な抜け毛の程度によって異なります。発毛やボリュームの変化は術後6か月ごろから評価し、仕上がりはおおむね1年を目安に確認します。
この記事では、ダウンタイム中に起こる症状とそれぞれが続く期間、手術当日から1年までの経過、仕事復帰や洗髪・運動・飲酒・帽子の目安、術式による違い、受診の目安を、形成外科医が解説します。植毛のダウンタイムを知ることは、手術と仕事、プライベートのスケジュールを調整するうえで重要なので、ぜひ参考にしてください。
自毛植毛の仕組みや流れについて知りたい方は、こちらもご覧ください。
自毛植毛とは | アルモ形成クリニック
植毛のダウンタイムとは?いつまで続くのか
植毛に限らず、手術を受けた後は痛みや腫れなどの症状が出ます。手術を受けてから、通常の生活を送れるようになるまでの期間が「ダウンタイム」です。
自毛植毛のダウンタイムは、「何をもって通常の生活に戻ったとするか」で長さが変わります。生活への復帰と外見の変化の目安を段階ごとに整理すると、次のようになります。
| 段階 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 身体症状が落ち着く目安 | 痛みは数日、腫れは約1週間 | 軽い日常生活への復帰時期は、症状・仕事内容・担当医の指示によって異なる |
| かさぶたが目立つ期間 | 1〜2週間 | 通常1〜2週間を目安に自然に取れる。赤みや髪型・毛量の変化が目立つ期間は別(下の行) |
| 刈り上げ部が周囲になじむまで | 元の髪の長さ・髪型により異なる | 採取部を刈り上げた場合、短くなった髪が伸びて周囲になじむまで |
| 一時的な毛量の変化 | 術後1〜3か月ごろに抜け毛が目立つことがある | 移植毛の抜け替わりや既存毛の脱毛(ショックロス)。回復にはさらに時間を要する場合がある |
| 仕上がりの評価 | 6か月ごろから評価・おおむね1年で確認 | 発毛やボリュームの変化を6か月ごろから評価し、仕上がりはおおむね1年を目安に確認。さらに時間がかかる場合もある |
多くの方が気にする「人前に出ても気になりにくくなるまで」の見た目のダウンタイムは、かさぶたが自然に取れる術後1〜2週間が一つの目安です。ただし、かさぶたが取れた後も赤みは残り、刈り上げた部分や一時的な抜け毛が気になる期間は別にあります。症状の出方や治るまでの日数には個人差があり、手術の範囲やグラフト数、頭皮の状態によっても変わります。
術式(FUE・FUT)と刈り上げの有無による違い
自毛植毛は、毛を採取する方法によって大きく「FUE法」と「FUT法」の2種類に分かれ、採取部のダウンタイムに違いがあります。
| 手法 | 特徴 | 採取部の経過 |
|---|---|---|
| FUE法 | ・小さなパンチで毛包の周囲を円形に切開し、1株(グラフト)ずつ採取する ・通常は縫合・抜糸を必要としないが、採取部には点状の傷跡が残る | 通常は抜糸不要。採取部の赤み・かさぶた・痛みなどの経過には個人差がある。刈り上げた場合は髪が伸びて周囲になじむまでの期間が別にかかる |
| FUT法 | ・後頭部の頭皮を帯状に切除して縫合し、1株ずつ切り分けて移植する ・線状の傷跡が残る。閉鎖方法に応じて抜糸などの処置が必要になる | 縫合方法に応じて抜糸などの処置が必要。傷の突っ張り感や痛みが続く場合がある |
当院のアルモHi-STANDARD法(刈り上げる自毛植毛)とアルモUn-SHAVEN法(刈り上げない自毛植毛)は、いずれも小さなパンチで1株ずつ採取するFUE法です。両者の違いは採取部を刈り上げるかどうかで、刈り上げる方法では、後頭部の短くなった髪が周囲になじむまでの期間も「見た目のダウンタイム」に含まれます。刈り上げない方法では、採取部を広く刈り上げず周囲の髪の長さを保つため(採取する毛にはプレカットを行います)、採取部を隠しやすくなります。移植部に起こる痛み・腫れ・かさぶた・赤みなどの症状は、どちらの方法でも基本的に同じです。
植毛のダウンタイム中に起こる症状と、続く期間の目安

植毛後のダウンタイム中に起こる主な症状と、出やすい時期・落ち着くまでの目安をまとめました。以下は当院が術後説明に用いる目安で、各症状の持続期間には個人差があります。いずれも通常の経過でもみられる症状ですが、程度が強い・長く続く・日ごとに悪化する場合は、合併症の可能性もあるため手術を受けたクリニックに相談してください。
| 症状 | 出やすい時期 | 落ち着くまでの目安 |
|---|---|---|
| 痛み | 当日〜翌日がピーク | 数日 |
| 腫れ・むくみ | 2〜3日後に額〜目の周りに出ることがある | 約1週間 |
| 出血・浸出液 | 当日〜2、3日 | 数日 |
| かさぶた | 数日で目立つ | 1〜2週間で自然に取れる |
| 赤み | かさぶたが取れた後も残る | 数週間。肌質によっては数か月 |
| かゆみ | 術後早期から。かさぶたの時期に出やすい | 数週間 |
| 感覚の鈍さ・しびれ(採取部・移植部) | 術後早期から | 改善に数週間〜数か月かかることがある |
| ショックロス(一時的な抜け毛) | 術後数週間〜3か月ごろ | 数か月かけて回復し始めることが多いが、個人差がある |
痛み
手術後、麻酔が切れると傷口が痛みます。痛みのピークは手術の当日から翌日で、採取部である後頭部を中心に感じることが多いです。手術後は鎮痛剤が処方されるので、痛みが強いときは我慢せず服用しましょう。処方薬で痛みの緩和を図りながら、数日かけて軽くなっていくのが一般的な経過です。
腫れ・むくみ
腫れは植毛のダウンタイム中に起こりやすい症状です。手術中の麻酔液や体質の影響で、植毛部分だけでなく額や目の周りまで腫れることがあり、術後2〜3日目に目立ちやすくなります。多くの場合、約1週間で落ち着きます。頭を高くして休む、担当医が指示した部位・方法で冷やすといった対処で軽減をはかります。
むくみが出やすい部位や引くまでの経過、自宅でできる対処法は植毛後のむくみはいつまで続く?で詳しく解説しています。
出血・浸出液
手術後2〜3日ほどは、移植部や採取部からにじむ程度の出血や浸出液(傷口から出る体液)がみられることがあります。少量であれば通常の術後経過でもみられますが、出血が続く・量が増える・膿や悪臭、強まる痛みを伴う場合は、速やかにクリニックに連絡してください。
かさぶた
出血や浸出液が乾くと、グラフト1つ1つのまわりに小さなかさぶたができます。術後数日で目立つようになり、指示どおりの洗髪を続けるうちに術後1〜2週間を目安に自然に取れていきます。
かさぶたが気になるからといって無理に剥がすと、再び出血するだけでなく、固定が進む前のグラフトごと抜けてしまうおそれがあります。かさぶたが取れる時期や、剥がしてしまったときの考え方は、植毛のかさぶたはいつ取れる?剥がしてしまった時の影響と正しい洗髪・ケアをご覧ください。
赤みはいつまで続く?
かさぶたが取れた後も、移植部の赤みは数週間ほど残ることが多く、肌質によっては数か月かかることがあります。術後1か月ごろには、移植穴の跡が少し赤黒く見えることもありますが、時間の経過とともに薄くなっていくのが一般的です。
赤みの時期は、直射日光を避けることが大切です。強い紫外線は赤みを長引かせることがあります。赤みが日ごとに強くなる、熱感や痛みを伴う場合は、感染などの可能性もあるため早めに相談してください。
かゆみはいつまで続く?
傷の修復や乾燥、かさぶたに伴って、術後早期から移植部や採取部にかゆみが出ることがあります。多くは数週間で落ち着きますが、かゆいからといって植毛部分をかいてしまうと、かさぶたやグラフトが取れたり、傷の治りが遅くなったりする可能性があります。グラフトが安定するまでは、できるだけ移植部に触らないように心がけてください。かゆみが強い・長く続く・発疹を伴う場合は、担当医に相談して対処方法の指示を受けましょう。
移植した毛の脱落とショックロス
術後の抜け毛には、移植毛の毛幹(頭皮から出ている部分)が一時的に抜け替わるものと、移植部の周囲や採取部にもともと生えていた既存毛が抜けるものがあります。時期は重なることがあり、当院ではこれらを広く「ショックロス」と説明しています。
移植毛の毛幹は、術後1か月前後にいったん抜けることがあります。毛幹が抜けても、毛包が生着していればその後に新しい毛が生えてきます(発毛開始は術後3か月ごろが一つの目安で、個人差があります)。通常の経過としてよくみられるものです。これは、毛包を含むグラフトそのものが術後早期に脱落することとは別の現象です。ただし、抜け毛の有無だけで生着の成否は判断できません。
既存毛の脱毛は、手術の刺激で周囲の毛根が一時的に影響を受けて起こると考えられており、術後1〜3か月に起こりやすい現象です(当院ではこの時期を目安に説明していますが、それより早く術後数週間から始まることもあります)。多くは一時的で徐々に回復しますが、稀に戻らない場合(永久ショックロス)もあります。
ショックロスが起こる仕組みや回復までの期間、予防の考え方は植毛後のショックロスとは?をご覧ください。
なお、手術が順調に進んでも、移植したグラフトのすべてが生着するとは限りません。生着率の考え方は、この記事の「よくある質問」で説明しています。
植毛のダウンタイム経過表|手術当日から1年まで
植毛後の経過を時系列で解説します。植毛後のスケジュールを立てる際の参考にしてください。時期は目安で、手術の範囲やグラフト数、頭皮の状態によって前後します。
| 時期 | 主な状態 | 過ごし方のポイント |
|---|---|---|
| 手術当日 | 麻酔が切れると痛み。移植部ににじむ出血 | 鎮痛剤を服用。洗髪はしない。頭を高くして休む |
| 翌日〜3日目 | 痛みは軽くなる。額〜目の周りが腫れやすい。かさぶたができ始める。かゆみが出ることもある | 指導どおりの洗髪を開始。最も慎重に過ごす時期。ぶつけない・こすらない・圧迫しない |
| 4〜7日目 | 腫れが引き始める。かさぶたが目立つ。かゆみが出やすい | 引き続き移植部を保護。湯船・飲酒・激しい運動は控える |
| 8〜14日目 | かさぶたが取れていく。赤みは残る | 引き続き移植部を引っ張らない・こすらない。当院ではマッサージ洗髪は14日目から |
| 2週間〜1か月 | 赤みが薄くなる。移植した毛が抜け始めることがある | 経過が順調であれば通常の生活へ段階的に戻す。パーマ・カラーは1か月以降を目安に担当医に確認してから |
| 1〜3か月 | ショックロスが起こりやすい時期。見た目が一時的に薄く見えることも | 経過を見守る。不安があれば検診で相談 |
| 3〜6か月 | 生着した毛包から新しい毛が生え始める時期の目安。初めはコシが弱く、くせ毛になりやすい | 通常どおり髪を扱える |
| 6か月〜1年 | 6か月ごろからボリュームの変化を実感しやすく、1年でおおむね生えそろう | 6か月ごろから発毛を評価し、仕上がりはおおむね1年を目安に確認。くせは1〜2年で落ち着く傾向 |
手術当日|痛みのピーク
手術当日は、痛みを1番強く感じやすいため、鎮痛剤を飲みながら過ごします。鎮静麻酔の影響で、吐き気やふらつき、眠気が出ることもあります。鎮静薬を使用した場合、一般に投与後少なくとも24時間は自動車・自転車の運転や危険な機械の操作を避け、使用した薬剤に応じた担当医の指示に従ってください。手術当日、シャンプーはできません。
翌日〜1週間|最も慎重に過ごす時期
植えた直後のグラフトは、まだ周囲の血管とつながっておらず、物理的にも安定していません。当院では、術後3日間を最も大切な期間、次いで4〜7日目を注意が必要な期間と考えています。この時期は、移植部をこする・ぶつける・強く圧迫することを避けるのが過ごし方の基本です。
42人を対象とした海外の研究(Bernstein & Rassman, 2006)では、毛の牽引によるグラフトの脱落は術後6日目、付着したかさぶたの牽引を含めても9日目には認められませんでした。ただし、あらゆる外力への安全を示すものではありません。ご自身で引っ張ったり剥がしたりしないでください。腫れやかさぶた、赤みが出るのもこの時期です。詳しくは植毛後48時間が重要といわれる理由で解説しています。
2週間〜1か月|通常どおりの生活へ
かさぶたが取れ、赤みが徐々に薄くなっていきます。経過が順調であれば、手術から1か月ほどを目安に通常の生活へ段階的に戻していきます。術後1か月以降を目安に、創部の回復を担当医に確認してから美容院でパーマやカラーの施術が可能になります。術後1か月前後に移植した毛が抜けることがありますが、通常の経過としてよくみられます。
1〜3か月|ショックロスの時期
術後1〜3か月は「ショックロス」と呼ばれる一時的な脱毛が起こりやすい時期です。急に髪の毛が抜けると驚くかもしれませんが、多くは数か月で回復し始めます。手術前より一時的に薄く見えることもあるため、この時期を見越してスケジュールを立てておくと安心です。
3か月〜1年|発毛から仕上がりの確認へ
生着した毛包からの発毛は術後3か月ごろからみられることがありますが、開始時期には個人差があります。生え始めの毛はコシが弱く、くせ毛になりがちですが、伸びるにつれて落ち着く傾向があります。術後6か月ごろからボリュームの変化を実感しやすくなり、発毛やボリュームの変化は6か月ごろから評価し、仕上がりはおおむね1年を目安に確認します(さらに時間がかかる場合もあります)。くせは術後1〜2年ほどで改善する傾向にあります。
植毛後の仕事復帰はいつから?職種別の目安
デスクワークなど負担の少ない仕事は、鎮静薬を使用した場合の活動制限期間を過ぎ、体調が安定し、担当医が認めた場合に再開できます。鎮静後は少なくとも24時間、就労、重要な判断・契約、運転・機械操作を避け、使用した薬剤に応じた指示に従ってください。肉体労働などは別に判断します。いずれの場合も移植部をぶつけたり圧迫したりしないよう細心の注意が必要で、見た目をどこまで気にするか、仕事の内容によって休む日数の目安は変わります。
| 職種 | 復帰の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| デスクワーク・在宅勤務 | 鎮静薬の活動制限期間(少なくとも24時間)を過ぎ、体調が安定し、担当医が認めた場合に再開 | 鎮静後は少なくとも24時間、就労・重要な判断・運転・機械操作を避ける。腫れが出やすい術後2〜3日目を見込んで休みを取るかどうかを決める |
| 接客・営業など人と会う仕事 | 1〜2週間後が目安 | かさぶたが取れ、赤みが薄くなるまで(赤みなどが残る場合がある)。周囲の髪や帽子(着用条件は後述)で隠せる場合は早められることがある |
| 肉体労働・ヘルメット着用 | 担当医が判断 | 重い物を持つ動作は1〜2週間控えるため、重量物・運動量・頭部への接触の有無を考慮して復帰時期を決める。保護用ヘルメットが必要な業務は、創部の状態を担当医が確認し、メーカーの取扱説明書と職場の安全基準に従って正しく着用できることを確認してから。両方の条件を満たせない間は業務内容の変更も検討する |
休みを取れる場合は、痛みのピーク(当日〜翌日)と腫れが目立ちやすい術後2〜3日目を見込んで日程を調整しておくと、ダウンタイムの初期を自宅で過ごせます。週末や連休をはさんで手術日を選ぶ方法もあります。
植毛のダウンタイム中に避けるべき行為と再開の目安

移植したグラフトの生着を妨げないために、ダウンタイム中に避けたい行為と、当院の術後ケアの目安をまとめました。手術の内容や経過に応じて担当医が調整します。手術を受けた医療機関によって考え方が異なるため、他院で手術を受けた方はその指示に従ってください。
| 項目 | 当院でご案内している目安 |
|---|---|
| 洗髪 | 翌日から、スタッフが指導した方法でやさしく。マッサージするような洗い方は14日目から |
| 湯船・サウナ | 湯船は1週間控える。サウナは2週間控える |
| 飲酒 | 術後は約1週間控える。術前の禁酒期間は担当医の指示に従う |
| 喫煙 | 手術前後はできるだけ控える |
| 運動 | 運動目的のウォーキングは4〜5日、ランニング・筋力トレーニング・重い物を持つ動作は1〜2週間控える(日常生活に必要な移動は除く) |
| 帽子 | 1週間後からでも緩衝材を挟めば使用可。直接かぶるのは最低でも2週間空ける |
| 保護用ヘルメット | 創部の状態を担当医が確認し、メーカーの取扱説明書と職場の安全基準に従って正しく着用できることを確認してから。自己判断で緩衝材を追加しない |
| 美容室でのカット | 移植部・採取部の状態と施術内容を確認して担当医が判断 |
| パーマ・カラー | 術後1か月以降を目安に、創部の回復を担当医に確認してから |
頭皮への刺激(こする・ぶつける・圧迫する)
植毛後の頭皮は手術のダメージが残っている状態です。当院では手術翌日からスタッフが指導した方法で洗髪していただきますが、1〜2週間は泡をのせて流すように、通常より優しく丁寧に行いましょう。頭皮を引っ張ったり揉んだりするマッサージのような洗い方は、グラフトが安定する時期に余裕をもたせて、当院では術後14日目からとお伝えしています。
術後の洗髪の具体的な手順やシャンプー選びは植毛後のシャンプー・洗髪方法をご覧ください。
この記事の目安よりも、手術を受けた医療機関からの個別の指示を優先してください。案内が食い違う場合は、その医療機関に確認してください。
湯船・サウナ
シャワーは翌日から可能ですが、湯船への入浴は1週間ほど控えてください。体が温まると血流が増え、出血や腫れが強くなることがあります。サウナや長時間の入浴は大量に汗をかくため、少なくとも2週間は避けましょう。
飲酒や喫煙
植毛後のダウンタイムは、生着を左右する重要な時期です。血行に影響する飲酒や喫煙は、手術前後は控えましょう。飲酒は血流が増えて出血や腫れを悪化させる可能性があるため、術後約1週間は控えるのが目安で、術前の禁酒期間は担当医の指示に従ってください。
喫煙は血管を収縮させて頭皮の血流を悪くし、傷の治りや生着に影響する可能性があります。禁煙が難しい場合は、手術前に担当医へ相談してください(参考:喫煙が植毛へ与える影響)。
激しい運動・日焼け
通勤や通院など日常生活に必要な移動と、運動目的のウォーキングは区別してください。運動目的のウォーキングは植毛後4〜5日、ランニング・筋力トレーニング・重い物を持つ動作は1〜2週間控えてください。運動による出血や腫れ、頭部への接触、汗を拭うときの摩擦が、移植部の負担や感染のきっかけになることがあります。再開の時期は担当医の指示に従ってください。また、赤みやかさぶたがある間は直射日光を避け、日焼けしないように心がけましょう。
帽子・保護用ヘルメット・かつら
術後早期の移植部は、帽子や枕などで強く圧迫された状態が続くと生着不良を起こす可能性があります。当院では、一般の帽子は術後1週間後からでも緩衝材を挟めば使用でき、直接かぶる場合は最低でも2週間空けていただくのが無難とご案内しています(緩衝材は当院でも購入できます)。仕事で保護用ヘルメットが必要な方は、創部の状態を担当医が確認したうえで、メーカーの取扱説明書と職場の安全基準に従って正しく着用できることを確認してから再開してください。自己判断で緩衝材を追加しないでください。
かつらやウィッグは、留め具や金具が移植部に触れないことが条件で、使用を始める時期は移植部の状態を確認したうえで判断します。帽子の選び方や着用時の注意は植毛後の帽子はいつからOK?をご覧ください。
植毛のダウンタイムを快適に過ごす方法

植毛後のダウンタイムを快適に過ごすために、次の4点を心がけましょう。
睡眠時の体勢に気をつける
枕に植毛した部分を強く当ててしまうと、髪の毛の生着を悪くする可能性があります。術後1週間ほどは、枕やクッションで頭をやや高くし、移植部を枕に押しつけない姿勢で休んでください。うつ伏せは避けましょう。頭を高くして休むことは、額や目の周りのむくみの軽減にもつながります。ダウンタイムを考慮し、あらかじめ首用の枕や硬めの枕を準備しておくといいでしょう。
処方薬と冷却を正しく使う
痛み止めや抗生剤など処方された薬は、指示どおりに服用してください。腫れや痛みを和らげる目的で冷却する場合は、担当医が指示した部位・方法で行い、移植部を直接冷却・圧迫しないでください。
頭皮ケアと食生活を見直す
ダウンタイム中は、頭皮に負担の少ないシャンプーを使い、移植部をタオルでこすったり押さえたりしないなど、摩擦を避けることが大切です。洗髪後の乾かし方も、手術を受けた医療機関の指示に従ってください。食事は、頭皮や髪の毛の主成分であるタンパク質と、髪の成長を支えるビタミンやミネラルをバランスよくとることを心がけましょう。
心配ごとは手術を受けたクリニックに相談する
何事も心配しすぎると、ストレスを感じて私生活に支障をきたす可能性があります。気になることがあれば、遠慮せず医師に意見を求めましょう。当院で手術を受けた方は、術後の検診(無料)で移植部の状態を確認しています。移植部の写真をスマートフォンで撮っておくと、相談のときに経過を伝えやすくなります。
こんなときは受診を|ダウンタイム中の異常のサイン
ダウンタイム中の症状の多くは時間とともに落ち着きますが、次のような場合は手術を受けたクリニックに連絡してください。
日数を待たず速やかに連絡してほしいとき
・出血が止まらない
・赤み・腫れ・痛みが日ごとに強くなる
・濁った膿や悪臭がある、発熱がある
・移植部を強くぶつけた、かさぶたを無理に取ってしまい出血した
経過の相談として連絡したほうがよいとき
・1週間を過ぎても腫れの引きが悪い
・2週間以上たってもかさぶたが厚く残っている
・かゆみが強く続く、発疹がある
・3か月を過ぎても抜け毛が続き、不安が強い
当院で手術を受けた方の術後検診は無料です。他院で手術を受けた方の術後検診は5,500円(税込)です。術後の症状がある方は、まず手術を受けたクリニックにご連絡ください。
自毛植毛の費用と主なリスク・副作用
※自毛植毛は保険適用外の自由診療です。費用は基本料金205,000円(税込)+グラフト数に応じた料金(アルモHi-STANDARD法1グラフト1,078円、アルモUn-SHAVEN法1グラフト1,870円・いずれも税込)です(2026年10月時点。術前の血液検査11,000円が別途かかります。最新は料金ページをご確認ください)。費用例:1,000グラフトの場合、基本料金・術前血液検査を含めて、アルモHi-STANDARD法1,294,000円、アルモUn-SHAVEN法2,086,000円(税込・掲載単価からの計算例)。必要なグラフト数は診察で判断します。感染症をお持ちの方は、感染症対策料198,000円(税込)が別途かかります。手術は通常1回・日帰りです。術後検診は通常、術後6か月と12か月の2回を目安に行い(当院で手術を受けた方は無料。状態により追加や早めの受診をお願いすることがあります)、発毛やボリュームの変化は術後6か月ごろから評価、仕上がりはおおむね1年を目安に確認します(さらに時間がかかる場合もあります)。
主なリスク・副作用:術後の痛み・腫れ・内出血、かさぶた、一時的な抜け毛(ショックロス。回復しない場合もあります)、感染、毛嚢炎、採取部や移植部のしびれ・感覚の鈍さ、傷跡、移植毛が十分に生着しない可能性があり、仕上がりには個人差があります。
植毛のダウンタイムに関するよくある質問
Q. 植毛をしてから何日で生着しますか?
「物理的に抜けにくくなる」ことと「毛包が生き残って発毛する(生着)」ことは別の過程です。固定に関する研究結果は前述のとおりですが、それはあらゆる外力に対する安全を保証する日数ではなく、当院では術後1週間を過ぎても移植部をこすったり引っ張ったりしないようお伝えしています。ケアの再開は担当医の指示に従ってください。生着した毛包からの発毛は術後3か月ごろからみられることがありますが、開始時期には個人差があります。3か月時点の発毛の有無だけで生着不良とは判断せず、その後の経過も診察で確認します。
Q. 植毛した髪が生着(定着)しない原因は何ですか?
生着不良には、手術操作(採取時のグラフトの損傷や乾燥、移植穴とグラフトの大きさの不一致など)、頭皮の血流や状態、基礎疾患や喫煙、術後の外力(こすれ・圧迫・ぶつける)や感染など、複数の要因が関わります。指示どおりに過ごしていても起こることがあり、原因を一つに特定できない場合もあります。当院では、移植穴の大きさとグラフトの大きさを合わせることで、植えたグラフトが浮き上がる現象を抑えるよう努めていますが、生着には多くの要素が関わります。
Q. 植毛の生着率とは何ですか?
生着率とは、移植した毛(グラフト)が移植後に生存し、発毛に至った割合を示す指標です。ただし、毛の本数・グラフト数などの評価単位や観察時期によって算出方法が異なり、数値だけで仕上がりや手術全体の成否を判断することはできません。生着率は術式や採取・移植の技術、頭皮の状態、術後の過ごし方などに左右され、同じ手術でも個人差があります。当院では、グラフトの乾燥や損傷を防ぐ扱い方、移植穴との適合などによって生着率を高める工夫を行っていますが、すべてのグラフトの生着を保証するものではありません。なお、広範な生着不良に対する再施術制度がありますが、適用条件・対象範囲・費用の扱いは事前にご確認ください。この制度は治療結果を保証するものではありません。生着率の算出方法や、数値を比較するときの注意点は植毛の生着率とは?で解説しています。
Q. 植毛の手術後はどのくらい仕事を休めばいいですか?
デスクワークは、鎮静薬を使用した場合の活動制限期間(少なくとも24時間は就労・重要な判断・運転・機械操作を避ける)を過ぎ、体調が安定し、担当医が認めた場合に再開できます。肉体労働や重い物を持つ業務は、重量物・運動量・頭部への接触の有無を考慮して担当医が復帰時期を判断します(重い物を持つ動作は1〜2週間控えるのが目安です)。保護用ヘルメットが必要な業務は、創部の状態を担当医が確認し、メーカーの取扱説明書と職場の安全基準に従って正しく着用できることを確認してから再開し、それまでは業務内容の変更も検討してください。接客など見た目が気になる仕事では、かさぶたが取れる1〜2週間後を目安にする方法もあります。
Q. 植毛後はいつから普通にシャンプーできますか?
当院では術後翌日から、スタッフが指導した方法でやさしく洗髪していただいています(詳しくは上の「頭皮への刺激」の項をご覧ください)。開始時期や方法は医療機関によって異なるため、他院で手術を受けた方はその指示に従ってください。
Q. 植毛後はいつから運動できますか?
日常生活に必要な短距離の歩行は、体調と担当医の指示に応じて行ってください(鎮静後にふらつきがある場合は一人で移動せず、介助を受けてください)。運動目的のウォーキングは術後4〜5日程度が再開の目安で、ランニングや筋力トレーニング、重い物を持つ動作は1〜2週間程度控えることをおすすめします。再開の時期は、移植部の状態を見て担当医が判断します。
Q. 植毛後はいつからお酒を飲めますか?
飲酒は血流が増えて、腫れや出血を悪化させる可能性があります。術後約1週間は控えることをおすすめします。
Q. 植毛後は飛行機に乗っても大丈夫ですか?
搭乗時期は、術後の状態、鎮静薬の影響、移動時間などを踏まえて担当医に確認してください。座席のヘッドレストに移植部を押しつけないよう注意が必要です。遠方から来院される場合は、付き添いや宿泊の必要性も含め、帰宅予定を事前に相談しましょう。
Q. 植毛後は美容室へいつから行けますか?
カットの再開は、移植部・採取部の状態と施術内容(はさみ・バリカン・ブラッシングなど)を確認して担当医が判断します。カラー・パーマは頭皮への刺激になるため術後1か月を過ぎてからが目安で、いずれも事前に担当医に確認してください。
Q. 植毛後に赤みはいつ消えますか?
赤みは数週間ほどで薄くなることが多い一方、肌質によっては数か月残ることがあります。経過とともに薄くなっていくのが一般的ですが、長引く・強まる・熱感や痛みを伴う場合は担当医に相談してください。直射日光は避けましょう。
Q. 植毛後にかさぶたを無理に取っても大丈夫ですか?
おすすめできません。無理に剥がすと、固定が進む前のグラフトごと抜けるおそれがあります。指示どおりの洗髪を続け、自然に取れるまで待ちましょう。
Q. 手術後に気持ち悪さや頭痛が出ることはありますか?
鎮静麻酔や痛み止めの影響で、手術当日に吐き気やふらつき、眠気が出ることがあります。鎮静薬を使用した場合は、投与後少なくとも24時間は自動車・自転車の運転や危険な機械の操作を避け、ゆっくり休んでください。術後数日は後頭部を中心に痛みや頭痛を感じることがあり、処方された鎮痛剤で緩和を図ります。吐き気が続く、頭痛が日ごとに強くなる場合は、クリニックに連絡してください。
Q. 女性の植毛でもダウンタイムは同じですか?
痛み・腫れ・かさぶた・赤みといった主な術後症状や、基本的なケアの考え方は共通ですが、脱毛の原因や既存毛の状態などによって経過は異なります。髪を長く保ったまま手術を受けたい場合、採取部を刈り上げない方法では採取部を周囲の髪で隠しやすくなります。移植部の見え方は移植範囲や髪型によって変わるため、カウンセリングで髪型やスケジュールのご希望をお伝えください。
Q. ダウンタイムを短くする方法はありますか?
ダウンタイムの長さには個人差があり、短くなることを約束できる方法はありません。ただし、次のことを守ることで、回復を妨げないようにすることはできます。
- 医師の指示どおりに洗髪する
- 手術前後の禁煙・禁酒を守る
- 頭を高くして休み、十分な睡眠をとる
- 移植部をこすらない・ぶつけない・圧迫しない
まとめ
この記事では「植毛のダウンタイム」について解説しました。
- 痛みは数日、腫れは約1週間、かさぶたは1〜2週間で落ち着くのが目安。見た目が気にならなくなる時期は赤み・髪型・抜け毛の程度で異なる
- 赤みは数週間〜数か月、ショックロスは術後1〜3か月に起こりやすく、発毛は6か月ごろから評価し、仕上がりはおおむね1年を目安に確認
- 術後3日間、次いで4〜7日目は、移植部をこすらない・ぶつけない・圧迫しないことが最も大切
- 仕事はデスクワークでも、鎮静後少なくとも24時間の活動制限を過ぎ、担当医が認めてから再開。肉体労働・保護用ヘルメットが必要な業務は、重量物や頭部への接触、創部の状態、安全基準に従った着用の可否をもとに担当医が復帰時期を判断
- 洗髪は翌日から指示どおりに、湯船・飲酒は1週間、ランニングや重い物を持つ動作は1〜2週間、帽子の直接着用は2週間が目安
植毛のダウンタイムの過ごし方をきちんと理解して適切に過ごすことが、移植したグラフトを守ることにつながります。術後早期は無理をせず、指示された活動制限を守り、不安があれば遠慮なく医師に相談しましょう。
自毛植毛をご検討中の方は、無料カウンセリングやLINE相談をご利用ください。手術の範囲やグラフト数に応じたダウンタイムの見通しや、お仕事に合わせたスケジュールの立て方もご案内します。お問い合わせ:アルモ形成クリニック 03-3518-5641(10:00〜19:00・休診 月・木/祝日は営業)
参考:自毛植毛の術後経過について(当院の術後案内)
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参考:植毛のかさぶたはいつ取れる?
参考:植毛後の帽子はいつからOK?
参考:喫煙が植毛へ与える影響
参考:症例ページ
参考:自毛植毛の費用相場
監修:内田直宏(アルモ形成クリニック院長・形成外科医)
参考文献:Bernstein RM, Rassman WR. Graft anchoring in hair transplantation. Dermatol Surg. 2006;32(2):198-204.
(アルモ形成クリニック院長)
当院では、術後の3日間を最も大切な期間、次いで4〜7日目を注意が必要な期間と考えています。この時期に移植部をこすらない・ぶつけない・強く圧迫しないという基本を守ることが、術後ケアの大切なポイントです。ダウンタイムの長さには個人差があり、過ごし方を守っても短くなることを約束できるものではありませんが、経過が順調であれば腫れやかさぶたは徐々に落ち着くことが多く、回復の速さには個人差があります。赤みや痛みが日ごとに強くなる、出血が止まらないといった場合は、日数を待たずにご連絡ください。