なおるん毛髪情報局
フィナステリド・デュタステリド(ザガーロ)服用中の植毛|休薬は必要?当日の服用とミノキシジルの扱い
【この記事の結論】
フィナステリドやデュタステリド(ザガーロなど)を飲んでいる方が自毛植毛を受ける場合、手術を理由に薬を休む必要は通常ない、というのが院長の考えです。これらは抗血小板薬・抗凝固薬のように出血に直接関わる薬ではなく、手術の前後も続けることで、移植しなかった部分のAGA(男性型脱毛症)の進行を抑える役割があります。
ただし、併用している薬や全身の状態は手術前に確認が必要で、手術当日の服用の可否・時刻・飲水は、担当医の個別の指示に従っていただきます。
ミノキシジルの外用薬は、傷や炎症のある頭皮には使えないため、手術後の再開時期を担当医に確認します。国内で薄毛治療薬として承認されていないミノキシジルの内服を続けている方は、手術前に申告が必要で、継続・中止は処方した医師と手術を担当する医師が個別に判断します。
この記事では、薬ごとの手術前後の扱い、手術当日の確認事項、再開の目安、薬をやめたい方の考え方、費用とリスクを、確立した知見と院長の考えを区別して解説します。主な対象は、AGAと診断され内服治療を受けている20歳以上の男性です。
※この記事は、AGA治療薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル)を使っている方が植毛を受けるときの薬の扱いに絞って解説します。血液をサラサラにする薬(抗血小板薬・抗凝固薬)の休薬は「血液をサラサラにする薬を飲んでいても植毛できる?」、薬と植毛のどちらを選ぶかという比較は「AGA治療薬と自毛植毛はどっち?」で解説しています。自毛植毛の全体像は自毛植毛のページをご覧ください。
植毛の前後もAGA治療薬を続ける理由
自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部の毛を薄くなった部分に移す手術です。移植した毛は採取部の性質を受け継ぎますが、移植しなかった周囲の既存の毛には、手術後もAGAの進行が続きます。植毛は「髪の引っ越し」であって、進行そのものを止める治療ではありません。
国内で承認され、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」で男性のAGAに推奨度Aとされている主な薬物治療は、内服のフィナステリド(プロペシアなど)、内服のデュタステリド(ザガーロなど)、外用のミノキシジルです。これは男性のAGA治療としての評価で、植毛の前後にどう使うかまでを定めたものではありません。手術前後の具体的な使い方は、個別に判断します。
毛髪外科の教科書『Hair Transplantation』第6版(2022年刊)の薬物療法の章では、フィナステリドは既存の毛を保ち、手術の効果を補う薬として位置づけられ、手術と組み合わせて使えると書かれています(同書刊行時の章著者の見解)。院長も、ブログや相談への回答で、植毛はAGAの進行を止める治療ではないため、手術の前後もAGA治療薬の内服を続けることが大切だと述べています。
当院では、適応があり継続できる方には、植毛とあわせて内服薬(フィナステリドかデュタステリド)の併用を勧めています。副作用や禁忌、ご本人の希望によって内服をしない場合は、将来の進行を見込んだデザインを検討します。年代ごとの考え方は「30代の植毛」「40代男性の自毛植毛」で解説しています。
薬ごとの手術前後の扱い|原則として続ける薬・確認が必要な薬
手術の前に薬を休むかどうかは、「その薬が出血・麻酔・傷の治りに影響するか」「併用している薬や持病との関係はどうか」で決まります。フィナステリド・デュタステリドは、血液の固まりやすさや血圧に作用する薬ではありません。ミノキシジルは血管を広げる作用をもつため扱いが分かれます。次の表は一般的な考え方の概要です。実際の指示は、診察時に服用中の薬をすべて確認したうえで、担当医が個別に出します。
| 薬 | 手術前 | 手術当日 | 手術後 |
|---|---|---|---|
| フィナステリド内服(プロペシアなど) | 原則として継続(院長の考え)。併用薬を申告 | 服用の可否・時刻・飲水は、事前に受けた担当医の個別指示に従う | 継続・再開は担当医の個別指示に従う。副作用が疑われる場合は速やかに処方医へ相談 |
| デュタステリド内服(ザガーロなど) | 原則として継続(院長の考え)。併用薬(特にCYP3A4を阻害する薬)を申告 | 服用の可否・時刻・飲水は、事前に受けた担当医の個別指示に従う | 継続・再開は担当医の個別指示に従う。副作用が疑われる場合は速やかに処方医へ相談 |
| ミノキシジル外用(リアップなど) | 担当医の指示に従う(手術の数日前に止める医師と、直前まで使ってよいとする医師がいる) | 事前の指示に従う | 移植部・採取部を含む傷や炎症のある頭皮には塗らない。担当医が再開可能と判断した時点で再開 |
| ミノキシジル内服(国内未承認) | 服用していることを申告。継続・中止は処方医と執刀医が個別に判断 | 事前の指示に従う | 事前の指示に従う |
| 市販の解熱鎮痛薬(アスピリン・一部のNSAIDs) | 血小板の働きに影響する薬があるため、薬剤名と使用目的を申告して扱いを確認。処方されている抗血栓薬は自己判断で止めない | 事前の指示に従う | 処方された痛み止めを使う |
| サプリメント(ビタミンE・魚油など)・飲酒 | 製品・量・併用薬によって対応が異なるため申告し、指示に従う | 事前の指示に従う | 術後の案内に従う |
フィナステリド・デュタステリドは原則として続ける
フィナステリドとデュタステリドは、5αリダクターゼという酵素の働きを抑えてDHT(ジヒドロテストステロン)を減らす薬です。抗血小板薬・抗凝固薬ではなく、一般的な周術期の管理では継続する扱いが多い薬ですが、添付文書に記載がないことだけで安全性が証明されるわけではなく、併用薬や全身の状態を確認して判断します。
教科書の薬物療法の章では、フィナステリドについて、手術と組み合わせて使える薬で、臨床上重要な薬物相互作用は報告されていないと書かれています。一方、デュタステリドの添付文書には、CYP3A4という酵素を阻害する薬(リトナビルなど)との併用で血中濃度が上がる可能性があると記載されているため、併用薬の一覧をお持ちください。どの薬が該当するかをご自身で判断する必要はありません。
院長は、相談への回答やブログで、フィナステリド・デュタステリドを植毛のために休薬する必要は通常ないという考えを示しています。これは院長の臨床上の考え方で、医療機関によって案内が異なることがあります。手術当日の服用の可否・時刻・飲水の扱いは、鎮静麻酔を使うため、担当医の個別の指示に従ってください。服用中の薬の名前と量は、カウンセリングの時点で正確に伝えてください。飲み方の基本は「フィナステリドの正しい飲み方」で解説しています。
デュタステリドは血中の半減期が数週間と長く、短期間休んでも体内の薬が完全になくなるわけではありません。逆に副作用が出た場合も薬がすぐには抜けません。半減期の違いは「フィナステリドは半減期が短いのになぜ1日1回で効く?」をご覧ください。
ミノキシジル外用は「傷や炎症のある頭皮に使わない」が原則
ミノキシジルは血管を広げる作用をもつため、かつては出血が増えるのではないかと心配されました。教科書の術前準備の章の著者は、同書刊行時点で、多くの医師が出血への影響は小さいと考えて手術直前まで使ってよいとしている一方、手術直後の移植部には刺激になる可能性があるため、術後数日は再開を待つのが無難だと述べています。同じ教科書の薬物療法の章で紹介された植毛医の意見交換では、手術の2〜3日前に止めて術後1〜2週間たってから再開する医師が多かったとされています。これらは一律の基準ではなく、医療機関ごとの方針です。
市販のミノキシジル外用薬の説明文書には、傷・湿疹・炎症のある頭皮には使用しないよう書かれています。移植部・採取部を含む傷のある頭皮に自己判断で外用薬を塗ることは避け、再開の時期は担当医の個別の指示に従ってください。外用薬の成分や添加物によって刺激や接触皮膚炎が起こることがあり、術後の赤みや腫れの原因は診察で確認します。
ミノキシジル内服は国内未承認。申告したうえで個別に判断
ミノキシジルの内服薬(いわゆるミノタブ)は、国内では薄毛治療薬として承認されていません。日本皮膚科学会のガイドラインでも「行うべきではない」(推奨度D)とされており、当院のコラムでも推奨していません。この記事も、内服の開始や継続を勧めるものではありません。
すでに内服している方は、手術前に申告してください。手術の前後にどう扱うかは、血圧・心拍・体液貯留などへの影響、持病、併用薬を踏まえて、処方した医師と手術を担当する医師が個別に判断します。処方医がいない(個人輸入などの)場合は、手術を担当する医師に早めに相談してください。自己判断で急にやめたり、量を変えたりしないでください。ただし、胸の痛みや息苦しさなどの症状がある場合は、手術前の相談を待たずに受診してください。内服薬のリスクは「ミノタブが危険と言われる理由」で解説しています。
市販薬・サプリメント・飲酒・血液をサラサラにする薬
アスピリンや一部のNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は血小板の働きに影響するため、薬剤名と使用目的に応じて手術前の扱いを確認します。教科書の術前準備の章の著者は、ビタミンEや魚油などのサプリメントや飲酒も手術の1週間ほど前から控えるよう勧めていますが、これは同書の著者の推奨であり、実際に出血を増やす程度は項目によって根拠の強さが異なるとも述べられています。
製品・量・併用薬で対応が変わるため、申告のうえ担当医の指示に従ってください。心臓や脳の病気のためにアスピリンなどの抗血栓薬を処方されている方は、自己判断で止めず、処方している主治医の判断が必要です。詳しくは「血液をサラサラにする薬を飲んでいても植毛できる?」、手術前後の食事やサプリメントは「植毛後の食事で気をつけること」をご覧ください。
手術当日と手術後の確認事項
当院の自毛植毛は、通常1回の手術(所要時間はグラフト数により4〜10時間程度)を日帰りで行い、手術翌日の診察と、その後の術後検診で経過を確認します(術後検診の回数と時期は、手術の内容に応じて個別にご案内します)。基本料金には鎮静麻酔・局所麻酔・点滴・内服・術後処方が含まれています。鎮静麻酔を使うため、当日の食事・飲水・服用時刻は担当医の個別の指示に従い、帰宅時の車の運転は避けてください。手術の流れは受診の流れのページで紹介しています。
| 時期 | 確認すること |
|---|---|
| カウンセリング〜手術前の血液検査 | 服用中の薬(AGA治療薬・処方薬・市販薬・サプリメント・個人輸入品)をすべて申告。問診・診察と必要な検査を組み合わせて手術に関係する健康状態を確認する(植毛手術前の血液検査11,000円・税込もその一つ) |
| 手術当日 | フィナステリド・デュタステリドの服用の可否・時刻・飲水、外用薬の扱いは事前に受けた個別指示どおりに。処方された抗菌薬・痛み止めは指示どおりに使う |
| 術後の診察・検診 | 傷の状態を確認し、外用薬の再開時期を案内。希望による内服薬の変更・中止は検診時などに相談。副作用が疑われる場合は検診を待たず速やかに処方医へ連絡 |
術後48時間と最初の1週間の過ごし方は「植毛後48時間が重要といわれる理由」で解説しています。術後数週間ごろから既存の毛が一時的に抜けるショックロスが起こることがあり、多くは回復しますが、細く弱った毛では十分に戻らない場合もあります。詳しくは「植毛後のショックロスとは?」をご覧ください。フィナステリド・デュタステリドの継続がショックロスを防ぐと示されているわけではありませんが、既存の毛の進行を抑える目的で、当院では術後も継続をお勧めしています。
薬をやめたい・やめる予定がある方の考え方
「植毛したら薬をやめられるのか」という質問をよく受けます。AGA治療薬の内服は、植毛を受けるための必須条件ではありません。移植した毛はAGAの影響を受けにくい採取部の性質を引き継ぎますが、生着や長期的な毛量には個人差があり、将来の毛量を保証するものではありません。周囲の既存の毛はAGAの進行を受け続けるため、内服をやめると移植した部分と周囲の境目が目立ってくる可能性があります。
当院では、薬をやめる予定がある方には、休薬中の進行を見込んで移植の範囲や密度を計画し、将来の追加手術の可能性も含めて説明しています。妊活を理由に内服を休みたい方は「妊活中のAGA治療」、副作用や費用を理由にやめたい方は「フィナステリドをやめたらどうなる?」が参考になります。
フィナステリドとデュタステリドの内服を同時に行うことは、有効性・安全性の十分な根拠がないため、自己判断で併用せず処方医に相談してください。薬の切り替えを考えている場合は、手術の直前に自己判断で変えず、処方医と手術前の診察で相談してください。
参考:内服をしない(またはやめる予定)で、将来の進行を見込んでデザインした症例
手術前に伝えること・ほかの場面での申告
当院では、カウンセリングと手術前の検査で、持病と服用中の薬をすべて確認しています。AGA治療薬も例外ではありません。デュタステリドは重度の肝機能障害がある方には使用できないなど、持病によって使えない薬もあるため、肝臓の病気を含めて持病は正確に伝えてください。
個人輸入の薬には、日本の承認制度による品質・有効性・安全性の確認がありません。使用中の場合は製品名と成分が分かるものをお持ちいただき、適応のある国内承認薬への変更を含めて医師に相談してください。血液検査の目的は「AGA治療・植毛前の血液検査は必要?」で解説しています。
植毛とは別の場面でも、AGA治療薬の服用は申告が必要です。
- 歯科・内科など他の医療機関:「服用中の薬はありますか」と聞かれたら、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルも伝えてください。併用薬との相互作用、血圧への影響(ミノキシジル)、検査値の変化などを確認するためで、薬によって確認事項は異なります。恥ずかしさから申告しない方がいますが、安全のために申告することを院長は勧めています。
- PSA検査(前立腺がんの検査):フィナステリド・デュタステリドはPSAの値を低下させ、検査値の解釈に影響します。検査を受ける際は、薬剤名と服用期間を検査を担当する医師に伝えてください(添付文書に記載)。
- 献血:日本赤十字社の基準では、フィナステリドは服用中と中止後1か月間、デュタステリドは服用中と中止後6か月間、献血ができません。最終的な可否は献血会場の医師が判断します。
- 女性・小児への配慮:フィナステリドは女性への適応がなく、妊婦・妊娠している可能性のある女性・授乳中の女性には禁忌で、20歳未満での安全性は確立していません。妊婦などが粉砕・破損した錠剤を扱わないよう注意されています。デュタステリドは女性と小児には禁忌で、カプセルから漏れた薬剤に女性や小児が触れないよう、触れた場合は直ちに石けんと水で洗うよう添付文書で注意されています。家庭内での保管にも配慮してください。
費用の目安(自由診療)
自毛植毛とAGAの内服治療はいずれも自由診療で、公的医療保険は使えません。当院の料金(2026年10月時点・税込)は次のとおりです。
| 項目 | 料金(税込) |
|---|---|
| アルモHi-STANDARD法(刈り上げる方法) | 基本料金205,000円+1グラフト1,078円 |
| アルモUn-SHAVEN法(刈り上げない方法) | 基本料金205,000円+1グラフト1,870円 |
| 植毛手術前の血液検査 | 11,000円 |
| フィナステリド「サワイ」1mg 28日分 | 5,800円 |
| デュタステリドカプセル「トーワ」0.5mg 30日分 | 7,800円 |
| AGAのみの診察 | 別途5,500円 |
手術費用は「基本料金+1グラフトの料金×グラフト数」で計算します。たとえば1,000グラフトの場合、Hi-STANDARD法で1,283,000円、Un-SHAVEN法で2,075,000円です(血液検査11,000円を含めると1,294,000円/2,086,000円)。基本料金には鎮静麻酔・局所麻酔・点滴・内服・術後処方が含まれます。感染症がある方は感染症対策料198,000円が別途かかります。手術は通常1回ですが、移植範囲や希望する密度によっては追加の手術を検討することがあります。詳しくは植毛メニュー(料金表)をご覧ください。内服治療の案内はAGA治療のページにあります。
リスク・副作用
自毛植毛のリスク・副作用:手術中・手術後の痛み、腫れ、出血、内出血、かさぶた、赤み、採取部の傷跡、毛のう炎、感染、感覚の違和感、既存の毛の一時的な脱毛(ショックロス。回復しない場合もあります)、くせ毛、移植毛の一部が生着しないこと、希望する密度に届かないこと、採取部の毛量が減って透けて見えること、麻酔薬によるアレルギーや副作用などがあります。仕上がりや生着には個人差があります。詳しくは「自毛植毛デメリット6選」をご覧ください。
フィナステリド・デュタステリドの副作用:添付文書には、性欲減退、勃起機能不全、射精障害、肝機能障害、抑うつ症状、乳房の症状(乳房圧痛・乳房肥大)、発疹などが記載されています。効果は通常6か月を目安に評価し、効果を保つには継続が必要で、定期的な診察で継続の必要性を判断します。6か月以上使用してもフィナステリドで進行の遅延、デュタステリドで改善が認められない場合は、医師が投薬の中止を判断します。副作用が疑われる症状が出たときは、速やかに処方した医師に相談してください。フィナステリドの添付文書では、自殺念慮や自殺企図が現れた場合は服用を中止して速やかに医師に連絡するよう記載されているなど、服用の中止や緊急の受診が必要な症状もあります。副作用の頻度は「フィナステリドの副作用の確率は?」「デュタステリドで胸が張る・女性化乳房は起こる?」で解説しています。
ミノキシジルの副作用:外用薬では、頭皮のかゆみ・かぶれ・発疹などのほか、胸の痛み、心拍が速くなる、めまい、急な体重増加、手足のむくみなどが現れることがあり、製品の説明文書では、こうした症状が出た場合は使用を中止して医師・薬剤師に相談するよう案内されています。内服(国内未承認)では、むくみ、動悸、血圧低下、多毛のほか、血圧の治療薬としての海外の添付文書では心膜液貯留(心臓の周りに水がたまること)など重大な循環器系の副作用も警告されています。海外の高血圧治療用添付文書の発現頻度を薄毛目的の使用にそのまま当てはめることはできませんが、胸の痛みや息苦しさが出た場合は速やかに受診が必要です。
よくある質問
Q. 手術当日の朝、フィナステリドを飲み忘れました。手術は受けられますか?
フィナステリドを1回飲み忘れたことだけで、通常、手術を中止する必要はありません。気づいた時点で担当医に伝え、当日の追加服用や飲水は指示を受けてください。2回分をまとめて服用しないでください。
Q. ザガーロ(デュタステリド)を飲んでいますが、植毛の前に一度やめたほうがよいですか?
院長は、植毛のために休薬する必要は通常ないと考えています。デュタステリドは半減期が長く、短期間の休薬で体内の薬が完全になくなるわけではありません。ただし、副作用などで中止が必要な場合もあるため、やめる・切り替えるといった変更は処方医と手術前の診察でご相談ください。
Q. 移植した部分にミノキシジルを塗ってもよいですか?
手術直後の傷のある頭皮には塗らないでください。再開の時期は、術後の診察で頭皮の状態を見たうえで担当医が案内します。医師によって数日から数週間と幅があり、一律の日数は決まっていません。
Q. AGA治療薬を内服せずに植毛を受けることはできますか?
AGA治療薬の内服は、植毛を受けるための必須条件ではありません。ただし、周囲の既存の毛の進行は止まらないため、将来の進行を見込んだデザインや、追加手術の可能性を含めて計画します。生着や長期的な毛量には個人差があります。
Q. 植毛後、何年たてば薬をやめられますか?
「何年でやめられる」という一律の目安はありません。やめた後の進行の速さには個人差があり、年齢、薄毛の範囲、既存の毛の状態によって異なります。やめたい時期が決まっている方は、検診のときに相談してください。
そのほかの疑問はよくある質問のページ、実際の症例は症例紹介のページでご覧いただけます。
まとめ
- フィナステリド・デュタステリド(ザガーロなど)は出血に直接関わる薬ではなく、植毛のために休薬する必要は通常ない、というのが院長の考えです。適応と安全性を確認したうえで担当医の指示に従って続け、当日の服用の可否・時刻・飲水も担当医の個別の指示に従います。
- ミノキシジル外用は、傷や炎症のある頭皮には使えません。再開の時期は担当医の指示に従います。医師によって手術の数日前に止める案内もあります。
- ミノキシジル内服は国内未承認で、当院では推奨していません。すでに服用している方は申告し、継続・中止は処方医と執刀医が個別に判断します。
- 市販の鎮痛薬・サプリメント・飲酒・血液をサラサラにする薬は、手術前に扱いを確認してください。
- 歯科や内科での申告、PSA検査、献血、女性・小児への配慮も忘れないでください。
- 自毛植毛・AGAの内服治療は自由診療で、それぞれにリスク・副作用があり、効果や経過には個人差があります。
参考文献:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」/プロペシア錠 添付文書・ザガーロカプセル 添付文書(PMDA)/日本赤十字社「献血をご遠慮いただく場合」(服薬に関する基準)/厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」/Unger R, Shapiro R, eds. Hair Transplantation. 6th ed. Thieme; 2022(第10章 薬物療法:フィナステリド・デュタステリドの作用と手術との併用、ミノキシジル外用の周術期の扱いに関する植毛医の意見交換/第27章 術前の準備と指示:市販薬・サプリメント・飲酒・ミノキシジルの扱い。いずれも同書刊行時の章著者の見解を含む)。院長の考えとして記載した内容は、院長が公開している相談への回答およびブログの記載に基づきます。当院の診療方法・費用・術後の案内は、当院公式サイト(植毛メニュー(料金表)・2026年10月時点・税込)によります。本記事は一般的な医学情報の提供を目的とし、治療の効果を保証するものではありません。薬の継続・中止は処方した医師と手術を担当する医師の指示に従ってください。
執筆:編集部/監修:内田直宏医師